日テレ・ベレーザ対AC長野パルセイロ・レディース 2016プレナスなでしこリーグ1部第17節 多摩市立陸上競技場

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晴天の多摩市立陸上競技場で行われた一戦、すでに優勝を決めているベレーザでしたが0-2で敗戦に終わりました。
残念でしたが、長野パルセイロに所属している多摩市出身横山久美選手が大活躍でしたのでいたし方ありません。

 

試合は圧倒的な実力差を見せる女王ベレーザが外から丁寧に攻めようとするのに対し長野は懐かしのマンツーマンディフェンスで耐え凌ぐ展開。長野ははっきりとしたマンマークシステムで粘り強くベレーザの攻撃を跳ね返し続け、作戦はズバリ的中。
ベレーザは楔を基点に攻めようとするので通常マークがあまり来ないディフェンスとディフェンスの間でボールを受け振り向こうとするけどそこがマンツーマン長野の狙いどころ。バシバシインターセプトが決まる。それでも外から攻めていたときはそんなに問題にならなかったが、痺れを切らしたベレーザが中から攻めだしたとたん、長野のカウンターが威力を増す結果に。

前半21分、ショートカウンターから長野の横山選手がドリブルでベレーザディフェンス陣を切り裂く。止めきれないベレーザはまさかの先制を許す。0-1。

ベレーザも何とか長野ディフェンスを崩そうと阪口夢穂選手が下がってきて大きな展開からサイドチェンジを駆使して攻撃を組み立て始める。マンツーマンディフェンスの場合、ディフェンスのバランスを崩すのが鉄則。サイドチェンジからカバーが行き届かないところで、また、たとえボールを奪われてもカウンターを受けないところで勝負したいベレーザだが、サイドチェンジが成功してもサイドハーフが中に絞りすぎていてサイドで勝負しきれず、いまいち攻撃をフィニッシュまで持ち込むことができない。

そこで、比較的プレッシャーの少ない岩清水梓選手が最終ラインからボールをドリブルで持ち出して崩し始める。ドリブルで運ばれてしまうと長野ディフェンス陣は誰かが自分のマークを外してボールに対応しなければならない。そろそろ得点かなと思った頃に前半終了。

後半に入り、サイドハーフがサイドで待つようになり、サイドバックとワンタッチパスで連携を図って好機を演出。マンツーマンディフェンスは壁パスなどで走られることに弱いのです。これはチャンス。

ボールが回るようになったベレーザは得点力のある阪口選手をゴール前に上げて勝負に出る。そこで、長野の守備に変化が生まれます。
ここまで徹底したマンツーマンを強いてきた長野ディフェンス陣が、最終ラインをゾーンディフェンスに変更し、最終ラインに人数をかけて守る体制になったのです。

ベレーザは広く攻めることでディフェンスとディフェンスの間を広げたいところでしたが、単純にトップに当てることが多く、人数の多い長野最終ラインのインターセプトにかかりやすい展開。PK失敗の後、またしても横山選手のドリブルからピンチを迎え追加点献上。0-2。

その後さすがに足の止まりだした長野に対し波状攻撃を仕掛けるもこの日はゴールが遠かったベレーザは得点をあげることができずそのまま試合終了。優勝も決まっていたし若手(元々若手だらけだが)に経験をつませるとかもあったのかな。次の試合に向けてまた頑張ってほしいところです。

 

ベレーザの中盤にミスが多かったのが気になるところです。勝負できる(抜ける)ところなのか、無理せずキープするところなのか、その判断が結果的に間違っていたことがミス(相手のカウンター)につながってしまいました。ボールを受ける位置、タイミング、誰がどこで前を向くのか、速く攻めるのか、ゆっくり攻めるのか、少し修正が必要なようです。

長野の横山選手は、代表で見たときに比べて守備がしっかりしている選手という印象。追い込み方も意図が明白で後ろの選手もインターセプトがしやすかったでしょう。今後も活躍を期待します。

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