ブログ

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対タイ代表 タイ・ラジャマンガラ スタジアム

最終予選黒星スタートからの大切な2戦目はアウェイ対タイ代表。試合を圧倒的に制した日本代表が2-0で快勝し、最終予選初勝利をあげました。

立ち上がりこそ積極的な守備を見せてきたタイ代表でしたが、試合が落ち着くと中盤のプレッシャーはほぼ皆無。中盤左サイド4番とボランチ7番だけ少し前に出てきますが、所詮連携していない個人プレーなので効果なし。タイ代表の攻撃は、やりたいことはあるようだけれど技術が追いついていない感じ。中盤でミスが多く、日本代表ゴール前までボールを運ぶことすらできません。タイ代表の中盤右サイドは全くプレッシャーをかけてきませんから、日本代表は左サイドを中心に攻撃。圧倒的に試合を支配して優位に試合を進めます。

日本代表の攻撃は、ボランチに山口蛍選手が入ったからか前節と違い両サイドバックが積極的に最前線に攻めあがる。その位置からサイドバックと中盤両サイドがコンビネーションで崩し、空いたスペースには代表初先発の浅野拓磨選手が走りこむ。最終ライン吉田麻也選手からも大きいサイドチェンジが垣間見え、UAE戦の反省をしっかり活かしているように見えます。

圧倒的に攻めながらなかなかゴールが挙げられない日本代表でしたが、前半18分、ようやくサイド攻撃が実を結びます。

右サイド酒井宏樹選手からのセンタリングに本田圭佑選手の後ろで待っていた原口元気選手がヘディングでゴール。サイドからの攻撃、中盤両サイドがゴール前に進入、と進化を見せた日本代表が1-0と先制します。

その後も圧倒的に攻め続ける日本代表。浅野選手がタイ代表のサイドバックの裏に走りこむことで多くのチャンスを作りますが、ゴールを上げるに至らず後半に入ります。

後半に入りさらに攻勢を強める日本代表。ショートパス、ロングパスを織り交ぜて責め続けますが得点が奪えません。

すこーしだけ押し込まれた後半25分、山口選手が前に残って森重真人選手がボールを奪いに前に出たところでミスパス。数的不利な状況で裏を取られますが西川周作三種のビッグセーブ!この試合唯一といっていいピンチを切り抜けます。

すると後半30分、キャプテン長谷部誠選手からのフィードに浅野選手が抜け出して追加点!日本代表2-0とリードを広げます。

その後タイ代表も前に出てきて、日本代表は守備を頑張っていることで前線に選手がいなくなり攻撃に出られなくなってしまい、試合はこう着状態が続いて試合終了。目的であった勝点3を獲得することに成功しました。

サッカーは相手があってするスポーツなのでこの試合はいいと思いますが、アジアとはいえ最終予選でこのような両サイドバックが前線に張り出す形は他のチーム相手には通用しないと思います。そういう意味でまだチームが修正しきれていないように感じました。次節イラク代表戦ではどのようなサッカーを見せてくれるのでしょうか。

 

西川周作 6.0 ほとんど攻められることはなかった。キックミスが多かったがグランド状態もあるのでどうなんだろう。イエロー食らったのはびっくりした。

森重真人 6.0 落ち着いてカバーリングを見せていた。森重選手がいないときにカウンターで裏を取られていたことからも重要性がわかる。攻撃のときロングパスが出せるようにしたい。あのイエローはなんだったんだろう。

酒井宏樹 6.5 積極的に攻め上がり先制点をアシスト。後ろに空けた広大なスペースを頑張って埋めていた。さすがに最後は体力が切れていたように見える。

酒井高徳 5.5 前線までよく顔を出していた。最終ラインを抜け出すような動きが見られず左サイドで突破するというよりスペースを作り出すことが多かったが、サイドバックなので突破まで期待したい。

吉田麻也 6.5 攻撃面でロングフィードを見せた。最終ラインからあのパスが出るとチームは助かる。守備はまあまあ。

本田圭佑 5.0 ミスが多く判断も遅いことが多かった。コンディションが悪いのではないか。

香川真司 5.5 よくボールに絡んでいた。チャンスメーク、フィニッシュと多くを求められ気の毒だが、今の日本代表は香川選手がいなければ攻撃が成り立たないだろう。今日は残念ながらミスが多かったが良いプレーが少ないわけではない。

山口蛍 5.5 守備面を求められての起用だと思うが、相手に十分寄せきれていなかった。あと一歩前に出ないと次の試合では相手に自由にプレーされてしまうだろう。

長谷部誠 6.5 守備も攻撃も中心になって頑張った。相手が2トップの形になったとき最終ラインをカバーしたことで攻撃ができなくなったことからも長谷部選手の貢献度が分かるというもの。

原口元気 6.5 攻撃でも存在感を見せ付けたが守備面でもしっかり貢献。一回行ってだめだと休んでしまうところは修正してほしい。

浅野拓磨 6.5 岡崎選手よりサイドを使うのがうまいので攻撃が形になりやすい。しっかりと結果を残すことができた。

武藤嘉紀 6.0 守備一辺倒の時間帯に入ったわりには積極的にプレーできたと思う。遠慮しないでゴール前に入ってほしい。

小林悠 5.5 少し消極的なプレー振りに見えた。いつもは大久保選手が下がってくるのでちょっと最前線の勝手が違かったのかもしれない。

宇佐美貴史 5.5 短い時間でよくボールに絡んだが結果を出すことができなかった。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 しっかりと結果を出すことができたが、UAE戦の反省として次につながるところまでは確認することができなかった。まあこの試合でできたとしても1ヵ月後にはまたできなくなってる可能性があるので、次の試合は次の試合としてまたしっかり準備してほしい。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対UAE代表 埼玉スタジアム2002

大事な大事なワールドカップ最終予選の初戦は残念ながら1-2の敗戦。浅野拓磨選手のシュートがゴールラインを超え ていましたが残念ながらゴールは認められず。しかし、まあ、負けに不思議な負けはありません。

前半日本代表は4231システムで中盤両サイドがやや引き気味にスタート。対するUAE代表は442。ボランチが一人上が り気味にダイヤモンドっぽくなるのですが、後ろのボランチが日本代表香川真司選手をほぼマンマーク。この形だとボランチの両サイドが薄くなるはずなのですが日本代表両サイドハーフが上がらないためにUAE代表はサイドバックを上げることができて難なく対応される。ワントップ岡崎慎司選手にはセンターバック二人で対応。日本代表は中盤で大きい展開をする選手がいないこともあって試合は完全にUAE代表の想定どおりの展開だったでしょう。

この展開でも香川選手がボランチとセンターバックの間を意識してポジショニングすればまた違ったのでしょうが、 どうもボランチと一緒に動いてしまう。思い切ってサイドバックの裏まで動けばまたよかったのですが、チーム戦術もあるのでしょうが、そこまでの動きもなし。中盤では人数かけられるのでそこそこチャンスは作り出すのですが、結局最終ラインで引っかかる。

そんなわけで攻撃が作り出せない日本代表でしたが、セットプレーから見事先制。清武弘嗣選手のボールを本田圭佑選手が頭でねじ込む。UAE代表はセットプレーでのマークが苦手なようでその後もセットプレーからたびたびチャンスを作っていたので、もう1点くらい取っておきたかったのですがそううまくはいきませんでした。

日本代表は守備が明らかにおかしい。4231で両サイド高くないのに、逆サイド中盤埋めないからボランチが寄せると中が空く。攻守の切り替えも遅く簡単にカウンターを許す。中盤で中途半端にボールを失った日本代表はカウンターからのフリーキックで同点に追いつかれます。

前半はほぼUAE代表のペースといっていい展開でしたが、同点のまま後半に向かいます。

後半に入り、日本代表はポジションを微妙にいじってきました。

香川選手が少し下がり気味に位置し相手ボランチの手前でボールをさばく。中盤両サイドが前に張り出しサイドバックを押し込める。UAE代表は対応しきれず試合は日本代表のペースに傾き始めます。

しかし、悪夢が。数で圧倒する守備で守りきれたはずがボールを取りきれず不運なPK献上。UAE代表に逆転を許します。

それでも試合は日本代表ペース。圧倒的に試合を優位に進めていきます。しかし、大事なところでミスが続きシュートが入らない。そこで宇佐美貴史選手、浅野選手と立て続けに投入。宇佐美選手の抜群の個人技などでさらにチャンスを作り出します。

ここでUAE代表はディフェンスの選手を中盤右サイドで起用。最終ラインまで下がって宇佐美選手のエリアを埋めます。これで宇佐美選手はほぼ無力化。日本代表の攻撃は右サイドのみになります。

ところが、日本代表は右サイドが守備しない選手ばかり。攻めれば攻めるほどカウンターのリスクが高まります。そこで長谷部誠選手をワンボランチに下げ、原口元気選手と香川選手のインサイドハーフにして右サイドのカバーを吉田麻也選手プラス長谷部選手の形に修正。左サイドから攻められたら怖いのですが、もっと怖い右サイドを埋めたので、なんとか日本代表のペースを守ることに成功。

ここでようやく本田選手が右サイドで自由に攻撃できるようになり、日本代表の攻撃はさらに活性化。しかし、時間が足りない。浅野選手のゴールが認められない不運もありましたが、残念ながら得点を奪うに至らず1-2で日本代表はUAE代表に敗れ黒星スタートとなりました。

最も不運だったのは、後半の方がいいサッカーをしていたのに結果が伴わなかったことでしょう。監督の運というのもあるのかもしれませんが、監督を信じチームが一丸となって戦うことができるかどうかが今後の結果を大きく左右します。結果が出ていないだけにいろいろ言い出す人もいると思いますが、疑いだしたら終わりです。

攻撃に関しては、前に大きくて強いのがいるわけでないので蹴り合いしてもしょうがないと思いますし、そもそもワントップで良いのかどうかも疑問。ツートップか後半のように3トップ気味の方が選手的には機能しそうですが、とりあえず守備を立て直して、監督のもとチーム一丸となって勝利をつかんでほしいものです。

なお、審判そんなにひどくはなかったです。あの判定は誤審ですが悪意はないと思います。

 

西川周作 5.5 同点に追いつかれたフリーキックは壁の目的も良く分からなかったしあのコースはいいシュートだったけどキーパーが止めないとどうしようもない。その他はあんまり攻められなかったこともあるけど悪くはなかった。

森重真人 5.0 短めのパスでビルドアップ。守備面では裏をとられることが多くカバーリングの意識を高める必要があるだろう。

酒井宏樹 3.5 守備への切り替えが遅くたびたび狙われる。視野が狭くミスキックも多く日本代表の弱点となってしまった。幻のゴールのときだけは良いときのセンタリングを思い出させてくれた。

酒井高徳 5.5 豊富な運動量でサイドを広くカバー。でもやっぱり右の方が好きなのかな。前半からもっとオーバーラップしていれば結果は違ったかも。パス出しのタイミングはもう少し早い方が良いだろう。

吉田麻也 5.5 右サイドまで出張して忙しそうだったがそれなりに安定。カバーのない中よく弾き返していた。イエローは不運と割り切って次頑張ろう。

大島僚太 4.0 守備で全くついていけず。こうげきはそこそこ。

香川真司 5.0 前半と後半で違う役割をうまく担っていたが、ちょっとミスが多かった。もっと自由に動いても良いのではないか。

清武弘嗣 4.5 ボールを持ったときはさすがという働きをするが、それまでは外にいるだけ。決定機でのミスも多くらしくないプレーが目立つ。プレイスキックは良かった。

長谷部誠 5.5 体を張って守備を牽引。攻撃でどうしてもせまくなる。もうちょっとロングキックができる人と組ませてあげたい。

本田圭佑 5.0 得点シーン、試合終盤の右サイドでの活躍は見事だったが、守備はサボる、ボールを引き出せない、と期待はずれのプレーも散見。試合を通じての安定性に欠けていた。

岡崎慎司 4.5 足元への要求が強すぎる。トップがディフェンスラインを押し込めないとチームは機能しない。両サイドのスペースをもっと使っても良かったのではないか。コーナーキックでは活躍していた。

宇佐美貴史 4.5 少しの時間だけ大活躍したが、マンマーク気味につけられたらボールに触ることもできなくなった。オフザボールの工夫が必要。

浅野拓磨 5.5 ミスもあったが技術もそこそこ通じるし裏への飛び出しも有効。ディフェンスに囲まれている中で得点はあげられなかったがそれなりに頑張った。運もなかった。

原口元気 5.5 効果的なドリブルでチャンスを演出。あの起用法なら守備のポジショニングは一考されたい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.0 試合展開をよく分析しうまく采配していたと思うがどうにも研究し尽くされた感じでUAE代表の方が一枚上手だった。準備段階として、もう少し守備の約束を徹底してほしいし、攻撃が放り込み気味なのは戦術か選手を変えるべきだと思う。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成28年5月3日(火)J2第11節 東京ヴェルディ対モンテディオ山形 味の素スタジアム

無料券で忍び込んだためいつもより気合の入った今シーズン初観戦でしたが、残念ながら0-1の敗戦に終わりました。

 

前半2~3分まではヴェルディペース。前線のプレスに焦った山形ディフェンスはサイドバックあたりでボールを奪われてヴェルディは素早くゴールに迫る。しかしヴェルディの時間はあっさり終了。
山形はサイドバックがワンタッチでプレーするようになり、またボランチのアルセウ選手が落ち着いたボールさばきを見せる。ヴェルディはフォワードがやみくもに突っ込むだけなので、山形は一つ交わすだけであっさりとボールをつないで組み立てることができる。山形の攻撃がロングボールで頭か裏という作戦なのでヴェルディ中盤のプレスが余計にかからず、その後は山形の時間が続きます。

それでもヴェルディは前半23分、井林章選手の大きなサイドチェンジから細かくつないで杉本竜士選手がペナルティエリアに突っ込む!しかし残念、シュートは打てず。

山形は31分澤井直人選手からボールを奪い一気にカウンター。シュートはゴールに向かうものの平智弘選手がゴールに入って何とかクリア!
43分にも左サイドをドリブルで駆け上りさらに左に開いて折り返したボールに決定的なシュート!ここはヴェルディ唯一の30代柴崎貴広キーパーが体を張ってブロック。山形に得点を許しません。

ヴェルディは中野雅臣選手のフリーキックがゴールを脅かすも得点には至らず前半を終了します。

後半に入っても何となく山形ペース。とはいえ、山形も攻撃の形がいまいちで両チーム得点チャンスが作りきれない。

ところで山形は4-4-2システムだったようだけど、右サイドハーフが前線に残る変則型。そのためヴェルディは守備の時最終ラインはあまりインターセプトなど前に出ないし左サイドハーフは外側に気を取られてスペースが空くからかボランチもあまり前に出てこない。山形はサイドから攻めるときサイドハーフとサイドバックがいてボランチが絡むと、ヴェルディは2-3で守らなくてはならなくなる。
ボランチ相手なんだからボランチが出ればいいじゃんと思うのだが、ヴェルディはボランチが前に出ずフォワードが下がってくる守り方。しかし、残念ながらフォワードの戻りは遅い。
というわけで後半33分、悠々と左サイドでボールをキープされた結果、サイドから中央に攻め込まれ、一度はキーパー柴崎選手が防ぐもこぼれ球を山形に押し込まれ、ついに山形に先制を許す。

後がなくなったヴェルディだが、いかんせん攻撃の形がない。
特にサイドからの攻撃において、突破は見られるものの突破した時ゴール前に人がいない。突破した側もセンタリングを上げるそぶりも見せない。結局中側から外側に攻めることになるので、ゴールから遠く遠くへボールを運ぶという、攻撃してるのか守備してるのかわからないボール運びの方向。前線にボールが入ってもトラップして前を向いてドリブルする、というやり方なので当然つぶされる。シュートまで持ち込むことができない。

ということで後半40分、ウェズレイ選手を投入して放り込み作戦。これがかなり効いて押し込むも得点には至らず。

ここで試合終了。失点は不運もあったけど人数はいたもののサイドが薄くなり押し込まれてしまったという作戦失敗が大きい。得点できなかったのは必然の部分が大きい。ゴール前でシュートを打てるところに人がいないのだからなかなか得点は難しいだろうと思う。

攻撃面は前線での判断の遅さ、サイドを突破してもゴール前に人が入らないしゴール前に出そうともしない、外から中ではなく中から外に攻めてしまう、など課題が多い。少なくとも最終ラインを突破した時はゴール前に飛び込む、ロングシュートはこぼれ球を狙う、など基本的な約束事を徹底すべきだと思う。
また、今日の山形は右サイドが戻らなかったので、ヴェルディの左サイドは広大なスペースが生まれていた。しかし、澤井選手が中に入り込み過ぎてしまったこと、また右サイドの安西幸輝選手が開き過ぎてしまったことで山形ディフェンスのそろっているところばかり攻め込んでしまった。山形の作戦なのかヴェルディの柔軟性の欠如なのかわからないけど、右から左へサイドチェンジすることができればもっと楽にボールを運べたと思う(それでも中に人がいないので辛いとは思うが)。

守備に関しては、まずディフェンスラインがでこぼこになり裏を取られることは改善が必要。井林選手と平選手とどちらが指示を出すのか、二人の中で十分にコミュニケーションが取れていないのではないかと思う。コンビネーションを磨いてほしい。
ボランチの二人はボールへの反応もよくこぼれ球に素早く反応していたが、山形がボールを保持した時戻るだけのディフェンスなので山形は怖さを感じなかったのではないだろうか。必要な時はパスコースを消しながら(誘いながら)前に出るようなことも学んでいってほしい。
前線のプレスは落第点。ただボールに突っ込んで行くだけ。どこにボールを誘い込むのか、どこでボールを奪うのか、チームで統一されたものは何も感じなかった。その結果、フォワードが突っ込んで行ってパスが出されて中盤は追いつけずプレス終了、山形は楽にビルドアップという場面が多く見られた。前線でのボール奪取は得点の大きなチャンス。今一度チームで守備戦術を見直してほしい。

今シーズンは監督業の手伝いとプライベートな問題でなかなか試合を見に行くことはできないけれど、地元のチームであるヴェルディには常に注目しているし応援しています。今シーズンもベストを尽くして観客を魅せてくれることを期待しています。

 

採点

柴崎貴広 6.5 たびたびのビッグセーブで試合を作った。パワープレーに入った時もっと積極的にフィードできるとよかった。

大木暁 5.5 豊富な運動量で攻撃にも貢献。ただ、チームメイトとの関係もあるが、攻撃のあと後ろのスペースを狙われていたのに対応しきれていなかった。

井林章 5.0 相手の8番に翻弄されていたイメージ。いいボールが来なかったため問題なかったが、度々マークを外されていた。得意のヘディングもややミスがみられる。フィードがうまくなったが左足はいまいち。

平智弘 5.5 まだ信頼関係ができていないのか周りとバラバラな動きがみられた。こぼれ球を積極的に拾いに行くのはいいが緊張するのかコントロールミスしてボールが離れてしまうのでこれから直してほしい。

中野雅臣 6.0 今までのヴェルディに少なかった大型サイドバック。ボランチも小柄なヴェルディにあって空中戦に出られるサイドバックの存在は非常に大きい。フリーキックは山形に脅威を与えた。オーバーラップ時の小さいミスを何とかしてほしい。

楠美圭史 6.0 ボールに対する予測が良く球際も強い。パススピードも速いのでサイドの攻撃をうまく引き出していた。守備の時積極性も兼ね備えられるとなおよい。

井上潮音 5.5 抜群の判断力と的確なパス能力で試合を作る。ミスパスが多かったがこれから改善できると思う。背が低いぶん前へのディフェンスを磨いてほしい。

安西幸輝 5.0 ドリブルでチャンスを作るもボールがその先につながらない。迷ったり確かめたりしないで思い切りの良いプレーをしてほしい。

澤井直人 5.0 守備では頑張ったが肝心の攻撃面がいまいち。判断が遅いのでボールを奪われてしまう。簡単にはたいてリズムを作りたい。山形のシステム上目の前に広大なスペースがあったにも関わらずうまく使うことができなかった。

北脇健慈 5.0 フォワードやったり中盤やったり大変だった。次の次のプレーを予測しておらず、せっかくボールが前線に入っても受け手になり得なかった。サイドの人数不足をフォワードがフォローするのがチームの約束事であるとしたら、もう少しポジショニングを調整したかった。

杉本竜士 4.5 ボールが入ってもトラップして前を向いてドリブルして、というのんびりした攻撃。判断良くワンタッチでプレーすることも必要。得意のドリブルで突破を試みるも今日はボールが足につかなかった。中から外に動いてしまうので山形としては怖さを感じない。以前のような急に襲ってくるような狡賢い怖さを思い出してほしい。

渡辺皓太 5.0 頑張って動いていたがキックが遠慮気味。若さで思い切りの良いプレーを期待。

南秀人 5.0 フォワードとして入ってボランチに下がるという不思議な起用。パワープレーに出たのだから前に残ればいいのにと思う。

ウェズレイ 6.5 パワープレー要員として起用。かなりの確率で競り勝ちチャンスを演出。でも周りに味方が少ないので得点にはつながらなかった。

冨樫剛一監督 5.0 守備のズレを修正できず、あまり機能していなかった山形に失点してしまう。攻撃の形を作ることもできず、最後にパワープレーに挑んだのはよいが前線の数を増やさず是が非でも同点に、というものは見えなかった。

蹴球

サッカー女子リオ五輪アジア最終予選

サッカーの話題に尽きないところですが、今更ながらサッカー女子リオ五輪アジア最終予選について。

残念ながらアジア予選敗退に終わったなでしこジャパン。今回特別に何か悪かったというより、いつもどおり頑張ったけどたまたま勝てなかったという感じなので、また次も頑張ってほしいところです。その中で好き嫌いレベルで気になることをいくつか。

まず守備について、相手フォワードが前を向いてボールを持ったらペナルティエリア付近まで下がるなでしこ。ディフェンスラインを下げることで、ディフェンダー+キーパーで守ることができるというメリットがあります。アメリカやフランスなど強豪チームにはプレッシャーなく打てるロングシュートをゴールされてしまうという欠点はありましたが、アジアレベルではそれなりに通用するはずでした。しかし。
キーパーの反応が正直イマイチ。この守備はキーパーとの連携がなくては成り立ちません。また、相手チームもショートパスをうまいことつないだり、アーリークロスの精度を上げたりとレベルが向上。ゴールに近い位置で守るので、ちょっとした事故が失点につながってしまうため運も必要な守備は当たり外れが出てしまいます。

ビルドアップについて、キーパーも含めディフェンスラインからショートパスをつなぐことが多いなでしこ。大きく蹴ってしまうと前向きの相手の方が有利なのでショートパスを選択するのは一般的な判断です。しかし。
ディフェンスラインからまっすぐ下りてくるボランチへ展開。プレッシャーがあるとボールを下げることしかできない。相手を引き寄せて読まれやすく戻すのでボールはあっという間に相手プレッシャーの真っ只中。ゴールに近い位置で奪われたボールは簡単に相手の決定機を演出。
ロングボールを蹴ろうにも、下がるのが好きなフォワード陣。ディフェンスを引き連れて下がるので展開は狭く狭くならざるを得ない。下がって守るディフェンスラインから前線への距離が長いこともあって前線空いたスペースを有効に使うこともできない。
ショートパス、足元へのパスは悪いものではないが、動いた先、走った先の足元やワンクッション当てて繋ぐことができればプレッシャーも緩和できるはず。
また、ワンタッチ目のプレーが足元過ぎる。ノートラップの展開も少ない。足元に自信があるのかもしれないが、先を読んだプレーが以前に比べ少なくなった気がする。

選手起用について、結果的にゴールやシュートに結びついたプレーを大きく評価しすぎている気がする。データ化していくとどうしても結果が出たものを評価することになりやすいが、そこに至る過程、そこに至らなかった過程をもう少し評価すべきだと思う。

あと、見ているとギスギスしたものを感じる。インタビューなどを聞いている限り、意識が高いのと他人を批判することを混同しているような部分があるのではないか。以前に比べて笑顔が見られなくなった。ボールボーイ(ガール?)にはもう少し優しくしてあげてほしい。

世代交代については、いわゆる若手は出られない理由があるのでしょうがない。全体的にもう少しロングキックが蹴れるような部分があった方が良いと思う。キック力がないわけではないと思うが、試合の中で大きな展開ができると幅が広がるので監督も起用しやすいと思う。

これから中盤の人材が不足して前線も高さがないので苦しい時期が続くと思う。それでも世界を制したなでしこジャパンとして自信と誇りを持って前に進んでほしい。なでしこジャパンはすごいチームです。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成28年3月24日(木)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対アフガニスタン代表 埼玉スタジアム2002

2次予選首位突破を目指す日本代表はアフガニスタンをホームに迎えての1戦。前半こそ攻めあぐねていましたが、岡崎慎司選手の先制点で試合を折り返すと後半はゴールラッシュ。終わってみれば5-0とみごと完勝を収めました。

最近「早い攻撃」って言わなくなったよね。失敗だったのかな、誰か検証してください。

日本代表はフォーメーションに中盤ダイヤモンド型の4-2-2システムを採用。一方のアフガニスタン代表は4-4-2システム。フォワードの位置は低いもののシステム的にはそれほど守備的過ぎるわけでもありません。

日本代表の守備は、相手の2トップをセンターバック2枚+ボランチかサイドバックの1人で対応するという今時懐かしい形。これ、20年位前のシステムですよね。アジア対策なのかな。

日本代表の攻撃はサイド攻撃を見せつつ中も攻めるという理想の形。アフガニスタン代表はサイドから攻められると逆サイドの中盤(特に左サイド)がサイドバックのカバーをしようと外に開くので中央がスカスカ。日本代表は2トップ+トップ下にしたこともあってターゲットに困らない。岡崎選手がいつもの癖で下がってきてしまっても前にまだ2人いるので攻撃が停滞しない。外か速攻しかないいつもの4-2-3-1とは大違い。Jリーグも傾向が変わってきているし、日本代表もこれから大きく変化していくのかもしれない。

少し気になったのが、中盤左サイドがいつも張り出していたこと。柏木陽介選手も原口元気選手も同じように張り出していた。長友佑都選手の上がるスペースがない?後半は長友選手が中盤より前にいたのは反抗期かもしれない。右サイド酒井宏樹選手は普通にオーバーラップ機能していたんですけど、どういう戦略だったのかな。

ハーフナーマイク選手が入ったときは、ハーフナー選手、金崎夢生選手、吉田麻也選手、森重真人選手、酒井選手などでかいのだらけのゴール前。今までにない日本代表。機能してきたら面白い。

今まで使ってきた選手を起用しなかったりまた変わってきた日本代表。選手間の競争がよりよい日本代表を作り出してくれることを期待します。
東口順昭 6.0 お疲れ様でした。風邪引かないように。

長友佑都 5.5 ポジショニングがよく分からない。サイドバックじゃなかったのかな。センタリングの精度も低く、あまり機能していたとは言い切れない。

森重真人 6.5 攻守の切り替えが早く相手の攻撃を未然に防ぐ。正確なフィードで攻撃を組み立てた。

酒井宏樹 6.5 攻守に貢献。ストッパー2人+1人としてもしっかり機能。ボールを受けてから球出しまで少し時間がかかることがある。

吉田麻也 6.5 2回ほどマークを外す不安定さを見せたが、空中戦では相手を圧倒。時々えらくやる気がないように見えるのがストッパーらしくない。

柏木陽介 6.0 なぜか左サイドで出場。サイドバックを上げる作戦でないのならあまり適任ではなかったような。クラブと違ってボールが集まらないのでやりにくそう。

原口元気 6.5 ややミスが目立つもののすばやい切り替えで攻守に貢献。目立ちたがり屋ばかりのチームでバランスを取る。こんなに優等生タイプだったかな。クラブで活躍のわりに得点していないのはこの辺なんだと思う。

清武弘嗣 6.5 攻撃のリズムを作り出す。センタリングがなかなか合わなかったのでサイドに開くのはどうかと思ったが、試合の中できっちり修正して見せた。相変わらず人に気を使うタイプなので、王様との併用が機能するのか心配。

長谷部誠 7.5 3人で守る守備の最終ラインをしっかり形成。攻撃ではワンボランチとして確実なつなぎを見せる。安全なパスだけでなく厳しい楔のパスもしっかり成功させ相手守備陣を混乱に陥らせていた。流れの中で前線まで上がることがあるが、なんだか遠慮していたように見えたのがもったいなかった。

岡崎慎司 6.5 見事なボールコントロールで先制点を挙げる。ボールをもらいに下がってしまう悪癖が最近ついて心配だったが、2トップなのでそれほど問題にならなかった。クラブで得点に絡みだしたので少しよくなってきたんだと思う。それほど足元がある選手ではないので、特徴である前線でのプレーにこだわってほしい。

金崎夢生 6.5 常に裏を狙うくせに前線から後ろに引かないでパスコースを作り出すのがうまいという不思議な選手。体も張れるしこれからも見たい選手。シュートが決まらなかったのは気合が空回りしたのかな。

香川真司 5.5 槙野ヘアーを止めたようだが内紛か?前線で止まってしまうので攻撃が停滞しがち。技術は抜群なのだが、せっかくトップ下で起用されているのだからもう少し得点しやすいプレーを選択すべき。いくらうまいといっても一人で全部できるわけじゃない。

ハーフナーマイク 6.0 特長を生かしてプレー。交代直後吉田選手がヘディングで決めたのはハーフナー選手にマークがつられたのかと思ったが、両方フリーになっててあんまり関係なかったみたい。

小林悠 5.5 出てきてからコーナーばっかりだったり、ハーフナーハーフナー言われてたので不運だった。頑張って動いていたが、まっすぐ裏を狙うだけではなかなか機能しない。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.5 相手をしっかり研究してきた様子。ワールドカップ本戦が気になる部分はあるが、まずは予選。次もしっかり結果にこだわってほしい。

蹴球

平成28年1月30日(土)リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権決勝 日本代表対韓国代表 カタール・ドーハ アブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアム

趣味の介護にかまけて本業がおろそかになってましたが、改めまして、オリンピックアジア予選決勝日本代表が韓国代表を破ってアジアチャンピオンを勝ち取りました。おめでとうございます。

試合は日本代表4-4-2に対し韓国代表4-3-3で始まりました。
システム上中盤中央で日本代表がボランチ2枚に対し韓国代表は中盤3枚。数的不利を突破される日本代表はセンターバックがつり出される場面多数。サイドハーフがプレスにあまり関与しない日本代表は最終ラインがばらばらになり、室屋成選手がカバーに回ることが返って最終ラインを一人で引き下げてしまい、中盤が縦にも横にも間延びして韓国代表に自由にプレーされてしまいます。

前半17分頃にようやく最終ラインが落ち着きだし、サイドハーフ(特に左)は相変わらずなものの縦にコンパクトな守備体系を立て直します。

ようやく盛り返せるかと思った前半20分、中島翔哉選手がボールを奪われると切り替えが遅くスペースを埋められない。大きいサイドチェンジの後、センタリングは大島僚太選手が競るもボールは韓国代表選手の前へ。植田直通選手が寄せてシュートは弱くなったものの後ろに残っていた岩波拓也選手に当たってコースが変わり、ボールは日本ゴールの中へ。今大会日本代表は初めてリードを許します。

後半に入り、日本代表はオナイウ阿道選手に代えて原川力選手を投入。システムを4-3-3に変更することで韓国代表の中盤に合わせたシステムで打開を図ります。

ところが、後半2分、中島選手がまたもパスミス。そして戻らない。空いたスペースを使われて後手後手に回った日本代表はゴール前までボールを運ばれて数的不利な中韓国代表に2点目を献上。日本代表は追い込まれ、腹をくくって戦わざるを得なくなったことで試合の流れが変わります。

後半14分、大島選手に代えて浅野拓磨選手を投入。

後半22分、中盤で久保裕也選手と矢島慎也選手が競ってこぼれたボールを矢島選手が確保。裏へのスルーパスに浅野選手がワンタッチで合わせ日本代表1点を返す。

後半23分、韓国3ハーフの弱点であるサイドのスペースで中島選手から山中亮輔選手へパス。フェイントで相手を外してあげたセンタリングに浅野選手の裏に走りこんだ矢島選手が頭で合わせて日本代表同点に追いつく。

後半36分、こぼれ球を拾った久保選手からのスルーパスはディフェンスにクリアされるも中島選手が拾って前線へフィード。浅野選手がトラップで体を入れ替えて抜け出しキーパーとの1対1を制して日本代表ついに逆転!

その後は久保選手や中島選手がディフェンスを頑張るようになり韓国代表はロングボール一辺倒の攻撃。植田選手が圧倒的な制空権で弾き返す日本代表は、足の止まりだした韓国代表を寄せ付けず、試合はそのまま終了。2失点からの3得点で見事な逆転勝利を収め日本代表がアジアの頂点に立ちました。

まあ、後半39分くらいまでの3点差なら何とかなりますけどね。

賭けに勝ったようなところがあるものの6戦全勝での見事な優勝。オリンピック本選でも存分に活躍を期待します。
櫛引政敏 6.0 時折みせるセーブはさすが。ただ、キーパーの仕事はシュートを防ぐこととシュートを打たせないことの二つある。一番グラウンドが見渡せるキーパーにはもう少し多くの仕事を期待したい。

岩波拓也 6.0 縦に入れるフィードでチームに貢献。空中戦でも強さを発揮した。システム上つり出されることが多かったが、中盤を閉じれば対応できたような気もする。

植田直通 6.5 圧倒的な制空権を見せ付ける。時折軽く入れ替わってしまうのが気にかかるが、若さゆえの過ちか。

山中亮輔 5.0 同点のセンタリングは見事だったが、その他の場面では効果的な攻撃は見せられなかった。得意のプレイスキックも不発。守備面でもたびたび突破を許し、中途半端なプレーが目立つ結果となった。

室屋成 6.0 センターバックのフォローから最前線の攻撃まで豊富な運動量で頑張った。下がりすぎてラインを崩してしまったのはしょうがないとはいえちょっと残念。2失点目の場面では岩波選手を引き止めるべきだった。

遠藤航 6.0 数的不利な中で守備に奔走。最終ラインのカバーまで頑張っていたと思う。自分の前両サイドが空いていたがボールをさばききれず攻撃面では貢献し切れなかった。

大島僚太 5.5 前線を良く見て効果的なパスを良いタイミングで繰り出していたが、守備面で抜かれることが多すぎる。インターセプトが成功することもあるが、失敗してディフェンスの足を引っ張ることが多かった。ボールを後ろに運ばれたときもっと早くプレスバックしたい。

中島翔哉 4.5 守備をしない上、攻撃でもあまりにもボールを失いすぎる。攻守の切り替えも遅く、2失点の基点を作ってしまった。得点を奪えない中島選手がこのポジションにいたことが苦戦の原因とも言えるが、得点は時の運のようなものでもあるので、勝ったことだしたまたま運が悪かったと諦めよう。

矢島慎也 6.5 攻守に貢献。やや守備に軽いプレーが見られるが、一度失敗した後は同じ失敗を繰り返さない賢さがある。2得点に絡んでチームに大きく貢献した。

久保裕也 6.0 ボールを収める技術はさすが。ただ、次のプレーにつながらないことが多い。ボールコントロールの目的をもう少しはっきりさせたい。

オナイウ阿道 5.5 今大会で大きく成長した選手の一人。自信を持ってプレーできた。残念ながらボールの収まりが悪いので貢献度はいまいちだが、この経験を次に生かしてほしい。

原川力 6.5 展開力もさることながら、豊富な運動量でも攻撃を牽引。守備でもスカスカの左サイドをフォローした後すばやくプレスバックするので遠藤選手もやりやすかったのではないか。中田英寿選手に見えることがある。

浅野拓磨 7.0 しっかりとキープができ、パスも出せる。唯一足りなかった得点も挙げた。守備も頑張りチームに貢献。これ以上望むのは難しい。

豊川雄太 5.0 交代で途中投入されるも試合に入り込めず。時間稼ぎ的プレーで献身的に頑張った。

手倉森誠監督 6.0 ちょっとゲームプランが見えなかった。チームが機能せず後手後手に回るも結果的には見事な逆転勝利。まさにラッキーボーイ的活躍を見せた監督だった。

蹴球

平成28年1月26日(火)リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権準決勝 日本対イラク カタール・ドーハ アブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアム

勝てばリオデジャネイロオリンピック出場権を手にすることができる準決勝。日本代表は後半アディショナルタイムに勝ち越し点を奪い2-1でイラク代表を下し、見事決勝に進出するとともにオリンピック出場権を勝ち取りました。

ディフェンスラインでつながずセーフティに試合を進める日本代表とフォワードの頭めがけてハイボールをぶつけるイラク代表。勝負に徹した両チームの試合は中盤が間延びした展開となりました。

中盤に南野拓実選手と中島翔哉選手という攻撃的な選手を並べた日本代表は両サイドハーフが中に絞って攻撃を組み立て。イラク代表はあまり守備で貢献しない中島選手の後ろのスペースを基点にボールを動かします。序盤はあまりコンディションが良くなさそうなイラク代表に対し、あまり裏を狙われないために積極的に前に出られる日本代表ディフェンダーの良い出足で日本代表が優位に試合を進めます。イラク代表はディフェンスの出足も良くないので日本代表フォワードが簡単にフリーになりボールが納まる。さらに良い攻撃につながります。対するイラク代表はセットプレーで得点チャンスを作り出すも単発の攻撃に終わります。

前半26分、ボールの動きを読んだ遠藤航選手のインターセプトから中島選手が縦につなぐと鈴木武蔵が持ち前のスピードで一気に抜け出します。センタリングはゴール前に走りこんだ久保裕也選手へ。見事なカウンターで日本代表が1点先制です。

イラク代表は中島選手の裏を基点にするために、1トップから2トップに。山中亮輔がカバーしきれなくなり徐々にイラク代表のペースに。2トップになったことで遠藤選手が最終ラインに入ることも多くなり、中盤が下がってこない日本代表はクリアボールを拾うことができず連続攻撃を受けることになります。

押し込まれてイラク代表に与えてしまった43分のコーナーキック。鈴木選手がニアサイドでクリアミスしてしまいボールは日本ゴールへ。ゴールキーパー櫛引政敏選手が何とか弾くもイラク代表に押し込まれる。櫛引選手がもう一度弾くも、植田直通選手と奈良竜樹選手が二人ともその前の競り合いで倒れてしまっており、遠藤選手がカバーに入るも競り勝てず、イラク代表が同点に追いつきます。

後半に入り、徐々に足が止まり始める日本代表。中盤のプレスが機能せず、最終ラインは下がるようになり、こぼれ球を拾われ続け、イラク代表の連続攻撃が逆転ゴールをあげるのは時間の問題かと思われましたが、日本代表の最後の粘りとイラク代表の決定力のなさに救われて迎えた後半アディショナルタイム。

センターバック植田選手からのロングボールに途中出場の浅野拓磨選手が反応。こぼれ球を拾った南野選手からのセンタリングはオナイウ阿道選手には合わないものの、キーパーが弾いたボールに原川が落ち着いた1トラップから勝ち越しゴール。

そのまま試合は終了。2-1で勝利した日本代表は6大会連続のオリンピック出場を決めました。

疲れからか動きの鈍さも見られた日本代表。相手に助けられた部分もあるとはいえ着実に勝利を収めました。次は決勝です。重圧から開放されたチームが思い切った試合を戦うことで最高の結果を得られることを期待しています。
櫛引政敏 7.0 たびたびのビッグセーブで勝利に大きく貢献。失点シーンは良く反応していたともいえるが、試合を切るような弾き方ができたかもしれない。

植田直通 6.5 競り合いに強くカバーも堅実。時折とんでもないポカを何とか減らしていってほしい。

山中亮輔 6.0 よくカバーに走る。前線へのフィードでも貢献。ただ、全体的に判断が遅くチームを危機に陥らせることもある。

室屋成 6.0 競り合いに負けずよくカバーに走っていたが、下がりすぎてしまいオフサイドが取れず最終ラインを上げられない要因ともなってしまった。それでも強い責任感で体を張り続けたおかげで勝利を得ることができた。

奈良竜樹 7.0 鋭い出足と強い競り合いでイラク代表を封じた。ラインコントロールという部分は未完成。これからに期待。

遠藤航 7.5 時に最終ラインまで戻り競り合いに参加し、中盤では多くのインターセプトでチームに貢献。ミスパスもあったが裏を狙うことが多かったためピンチになることは少なかった。

原川力 7.0 中盤で確実につないでチームを安定させた。守備も頑張っていたが、中島選手のフォローはやや荷が重かったように感じる。遠藤選手が最終ラインに入ったときに一人でこぼれ球対応しなければならなくなったのは気の毒だった。決勝点はお見事です。

中島翔哉 6.0 ボールへの絡みは少ないもののシンプルなプレーで縦に速い日本代表の攻撃を演出。ただ、中盤で起用されているのに守備をあまりしないのでイラク代表の攻撃の基点とされてしまった。

鈴木武蔵 6.0 見事なスピードで先制点を演出。しかし、クリアミスから同点ゴールを許してしまった。チャンスが多かったのでどこかで得点してほしかった。

久保裕也 6.5 イラク代表のプレッシャーが少なかったこともありディフェンスの間でうまくボールを収める。ぎりぎりのところで決めた先制ゴールでチームに大きく貢献。後ろからのチャージでファールをもらったときにあっさり起き上がらず少し痛がったりして相手にカードを与えても良かった。

南野拓実 6.5 中に絞りディフェンスの間でボールを受けて多くのチャンスを演出。得点に絡めず残念。あまり守備をしなかったがイラク代表の攻め方からすると守備をする機会がなかったとも言える。

オナイウ阿道 6.0 自信がついたのか落ち着いたプレーでボールを収める。守備でも期待されての起用だったと思うが、勝ち越し点を上げるまであまり守備を頑張らなかった。

浅野拓磨 6.0 よくボールに絡み、無難にボールをつなぐ。もう少し思い切ったプレーをしても良かったかもしれない。

豊川雄太 - 終了間際に投入。勝利の瞬間をピッチで味わう。

手倉森誠監督 6.0 チームの課題を修正できなかった。最終ラインに対人に強いセンターバックを並べるのはある程度あたったが、加えてクリアボールを拾える戦術がほしいところ。短期決戦に必要な運を持った監督である。