2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対UAE代表 埼玉スタジアム2002

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大事な大事なワールドカップ最終予選の初戦は残念ながら1-2の敗戦。浅野拓磨選手のシュートがゴールラインを超え ていましたが残念ながらゴールは認められず。しかし、まあ、負けに不思議な負けはありません。

前半日本代表は4231システムで中盤両サイドがやや引き気味にスタート。対するUAE代表は442。ボランチが一人上が り気味にダイヤモンドっぽくなるのですが、後ろのボランチが日本代表香川真司選手をほぼマンマーク。この形だとボランチの両サイドが薄くなるはずなのですが日本代表両サイドハーフが上がらないためにUAE代表はサイドバックを上げることができて難なく対応される。ワントップ岡崎慎司選手にはセンターバック二人で対応。日本代表は中盤で大きい展開をする選手がいないこともあって試合は完全にUAE代表の想定どおりの展開だったでしょう。

この展開でも香川選手がボランチとセンターバックの間を意識してポジショニングすればまた違ったのでしょうが、 どうもボランチと一緒に動いてしまう。思い切ってサイドバックの裏まで動けばまたよかったのですが、チーム戦術もあるのでしょうが、そこまでの動きもなし。中盤では人数かけられるのでそこそこチャンスは作り出すのですが、結局最終ラインで引っかかる。

そんなわけで攻撃が作り出せない日本代表でしたが、セットプレーから見事先制。清武弘嗣選手のボールを本田圭佑選手が頭でねじ込む。UAE代表はセットプレーでのマークが苦手なようでその後もセットプレーからたびたびチャンスを作っていたので、もう1点くらい取っておきたかったのですがそううまくはいきませんでした。

日本代表は守備が明らかにおかしい。4231で両サイド高くないのに、逆サイド中盤埋めないからボランチが寄せると中が空く。攻守の切り替えも遅く簡単にカウンターを許す。中盤で中途半端にボールを失った日本代表はカウンターからのフリーキックで同点に追いつかれます。

前半はほぼUAE代表のペースといっていい展開でしたが、同点のまま後半に向かいます。

後半に入り、日本代表はポジションを微妙にいじってきました。

香川選手が少し下がり気味に位置し相手ボランチの手前でボールをさばく。中盤両サイドが前に張り出しサイドバックを押し込める。UAE代表は対応しきれず試合は日本代表のペースに傾き始めます。

しかし、悪夢が。数で圧倒する守備で守りきれたはずがボールを取りきれず不運なPK献上。UAE代表に逆転を許します。

それでも試合は日本代表ペース。圧倒的に試合を優位に進めていきます。しかし、大事なところでミスが続きシュートが入らない。そこで宇佐美貴史選手、浅野選手と立て続けに投入。宇佐美選手の抜群の個人技などでさらにチャンスを作り出します。

ここでUAE代表はディフェンスの選手を中盤右サイドで起用。最終ラインまで下がって宇佐美選手のエリアを埋めます。これで宇佐美選手はほぼ無力化。日本代表の攻撃は右サイドのみになります。

ところが、日本代表は右サイドが守備しない選手ばかり。攻めれば攻めるほどカウンターのリスクが高まります。そこで長谷部誠選手をワンボランチに下げ、原口元気選手と香川選手のインサイドハーフにして右サイドのカバーを吉田麻也選手プラス長谷部選手の形に修正。左サイドから攻められたら怖いのですが、もっと怖い右サイドを埋めたので、なんとか日本代表のペースを守ることに成功。

ここでようやく本田選手が右サイドで自由に攻撃できるようになり、日本代表の攻撃はさらに活性化。しかし、時間が足りない。浅野選手のゴールが認められない不運もありましたが、残念ながら得点を奪うに至らず1-2で日本代表はUAE代表に敗れ黒星スタートとなりました。

最も不運だったのは、後半の方がいいサッカーをしていたのに結果が伴わなかったことでしょう。監督の運というのもあるのかもしれませんが、監督を信じチームが一丸となって戦うことができるかどうかが今後の結果を大きく左右します。結果が出ていないだけにいろいろ言い出す人もいると思いますが、疑いだしたら終わりです。

攻撃に関しては、前に大きくて強いのがいるわけでないので蹴り合いしてもしょうがないと思いますし、そもそもワントップで良いのかどうかも疑問。ツートップか後半のように3トップ気味の方が選手的には機能しそうですが、とりあえず守備を立て直して、監督のもとチーム一丸となって勝利をつかんでほしいものです。

なお、審判そんなにひどくはなかったです。あの判定は誤審ですが悪意はないと思います。

 

西川周作 5.5 同点に追いつかれたフリーキックは壁の目的も良く分からなかったしあのコースはいいシュートだったけどキーパーが止めないとどうしようもない。その他はあんまり攻められなかったこともあるけど悪くはなかった。

森重真人 5.0 短めのパスでビルドアップ。守備面では裏をとられることが多くカバーリングの意識を高める必要があるだろう。

酒井宏樹 3.5 守備への切り替えが遅くたびたび狙われる。視野が狭くミスキックも多く日本代表の弱点となってしまった。幻のゴールのときだけは良いときのセンタリングを思い出させてくれた。

酒井高徳 5.5 豊富な運動量でサイドを広くカバー。でもやっぱり右の方が好きなのかな。前半からもっとオーバーラップしていれば結果は違ったかも。パス出しのタイミングはもう少し早い方が良いだろう。

吉田麻也 5.5 右サイドまで出張して忙しそうだったがそれなりに安定。カバーのない中よく弾き返していた。イエローは不運と割り切って次頑張ろう。

大島僚太 4.0 守備で全くついていけず。こうげきはそこそこ。

香川真司 5.0 前半と後半で違う役割をうまく担っていたが、ちょっとミスが多かった。もっと自由に動いても良いのではないか。

清武弘嗣 4.5 ボールを持ったときはさすがという働きをするが、それまでは外にいるだけ。決定機でのミスも多くらしくないプレーが目立つ。プレイスキックは良かった。

長谷部誠 5.5 体を張って守備を牽引。攻撃でどうしてもせまくなる。もうちょっとロングキックができる人と組ませてあげたい。

本田圭佑 5.0 得点シーン、試合終盤の右サイドでの活躍は見事だったが、守備はサボる、ボールを引き出せない、と期待はずれのプレーも散見。試合を通じての安定性に欠けていた。

岡崎慎司 4.5 足元への要求が強すぎる。トップがディフェンスラインを押し込めないとチームは機能しない。両サイドのスペースをもっと使っても良かったのではないか。コーナーキックでは活躍していた。

宇佐美貴史 4.5 少しの時間だけ大活躍したが、マンマーク気味につけられたらボールに触ることもできなくなった。オフザボールの工夫が必要。

浅野拓磨 5.5 ミスもあったが技術もそこそこ通じるし裏への飛び出しも有効。ディフェンスに囲まれている中で得点はあげられなかったがそれなりに頑張った。運もなかった。

原口元気 5.5 効果的なドリブルでチャンスを演出。あの起用法なら守備のポジショニングは一考されたい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.0 試合展開をよく分析しうまく采配していたと思うがどうにも研究し尽くされた感じでUAE代表の方が一枚上手だった。準備段階として、もう少し守備の約束を徹底してほしいし、攻撃が放り込み気味なのは戦術か選手を変えるべきだと思う。

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