平成28年1月30日(土)リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権決勝 日本代表対韓国代表 カタール・ドーハ アブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアム

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趣味の介護にかまけて本業がおろそかになってましたが、改めまして、オリンピックアジア予選決勝日本代表が韓国代表を破ってアジアチャンピオンを勝ち取りました。おめでとうございます。

試合は日本代表4-4-2に対し韓国代表4-3-3で始まりました。
システム上中盤中央で日本代表がボランチ2枚に対し韓国代表は中盤3枚。数的不利を突破される日本代表はセンターバックがつり出される場面多数。サイドハーフがプレスにあまり関与しない日本代表は最終ラインがばらばらになり、室屋成選手がカバーに回ることが返って最終ラインを一人で引き下げてしまい、中盤が縦にも横にも間延びして韓国代表に自由にプレーされてしまいます。

前半17分頃にようやく最終ラインが落ち着きだし、サイドハーフ(特に左)は相変わらずなものの縦にコンパクトな守備体系を立て直します。

ようやく盛り返せるかと思った前半20分、中島翔哉選手がボールを奪われると切り替えが遅くスペースを埋められない。大きいサイドチェンジの後、センタリングは大島僚太選手が競るもボールは韓国代表選手の前へ。植田直通選手が寄せてシュートは弱くなったものの後ろに残っていた岩波拓也選手に当たってコースが変わり、ボールは日本ゴールの中へ。今大会日本代表は初めてリードを許します。

後半に入り、日本代表はオナイウ阿道選手に代えて原川力選手を投入。システムを4-3-3に変更することで韓国代表の中盤に合わせたシステムで打開を図ります。

ところが、後半2分、中島選手がまたもパスミス。そして戻らない。空いたスペースを使われて後手後手に回った日本代表はゴール前までボールを運ばれて数的不利な中韓国代表に2点目を献上。日本代表は追い込まれ、腹をくくって戦わざるを得なくなったことで試合の流れが変わります。

後半14分、大島選手に代えて浅野拓磨選手を投入。

後半22分、中盤で久保裕也選手と矢島慎也選手が競ってこぼれたボールを矢島選手が確保。裏へのスルーパスに浅野選手がワンタッチで合わせ日本代表1点を返す。

後半23分、韓国3ハーフの弱点であるサイドのスペースで中島選手から山中亮輔選手へパス。フェイントで相手を外してあげたセンタリングに浅野選手の裏に走りこんだ矢島選手が頭で合わせて日本代表同点に追いつく。

後半36分、こぼれ球を拾った久保選手からのスルーパスはディフェンスにクリアされるも中島選手が拾って前線へフィード。浅野選手がトラップで体を入れ替えて抜け出しキーパーとの1対1を制して日本代表ついに逆転!

その後は久保選手や中島選手がディフェンスを頑張るようになり韓国代表はロングボール一辺倒の攻撃。植田選手が圧倒的な制空権で弾き返す日本代表は、足の止まりだした韓国代表を寄せ付けず、試合はそのまま終了。2失点からの3得点で見事な逆転勝利を収め日本代表がアジアの頂点に立ちました。

まあ、後半39分くらいまでの3点差なら何とかなりますけどね。

賭けに勝ったようなところがあるものの6戦全勝での見事な優勝。オリンピック本選でも存分に活躍を期待します。
櫛引政敏 6.0 時折みせるセーブはさすが。ただ、キーパーの仕事はシュートを防ぐこととシュートを打たせないことの二つある。一番グラウンドが見渡せるキーパーにはもう少し多くの仕事を期待したい。

岩波拓也 6.0 縦に入れるフィードでチームに貢献。空中戦でも強さを発揮した。システム上つり出されることが多かったが、中盤を閉じれば対応できたような気もする。

植田直通 6.5 圧倒的な制空権を見せ付ける。時折軽く入れ替わってしまうのが気にかかるが、若さゆえの過ちか。

山中亮輔 5.0 同点のセンタリングは見事だったが、その他の場面では効果的な攻撃は見せられなかった。得意のプレイスキックも不発。守備面でもたびたび突破を許し、中途半端なプレーが目立つ結果となった。

室屋成 6.0 センターバックのフォローから最前線の攻撃まで豊富な運動量で頑張った。下がりすぎてラインを崩してしまったのはしょうがないとはいえちょっと残念。2失点目の場面では岩波選手を引き止めるべきだった。

遠藤航 6.0 数的不利な中で守備に奔走。最終ラインのカバーまで頑張っていたと思う。自分の前両サイドが空いていたがボールをさばききれず攻撃面では貢献し切れなかった。

大島僚太 5.5 前線を良く見て効果的なパスを良いタイミングで繰り出していたが、守備面で抜かれることが多すぎる。インターセプトが成功することもあるが、失敗してディフェンスの足を引っ張ることが多かった。ボールを後ろに運ばれたときもっと早くプレスバックしたい。

中島翔哉 4.5 守備をしない上、攻撃でもあまりにもボールを失いすぎる。攻守の切り替えも遅く、2失点の基点を作ってしまった。得点を奪えない中島選手がこのポジションにいたことが苦戦の原因とも言えるが、得点は時の運のようなものでもあるので、勝ったことだしたまたま運が悪かったと諦めよう。

矢島慎也 6.5 攻守に貢献。やや守備に軽いプレーが見られるが、一度失敗した後は同じ失敗を繰り返さない賢さがある。2得点に絡んでチームに大きく貢献した。

久保裕也 6.0 ボールを収める技術はさすが。ただ、次のプレーにつながらないことが多い。ボールコントロールの目的をもう少しはっきりさせたい。

オナイウ阿道 5.5 今大会で大きく成長した選手の一人。自信を持ってプレーできた。残念ながらボールの収まりが悪いので貢献度はいまいちだが、この経験を次に生かしてほしい。

原川力 6.5 展開力もさることながら、豊富な運動量でも攻撃を牽引。守備でもスカスカの左サイドをフォローした後すばやくプレスバックするので遠藤選手もやりやすかったのではないか。中田英寿選手に見えることがある。

浅野拓磨 7.0 しっかりとキープができ、パスも出せる。唯一足りなかった得点も挙げた。守備も頑張りチームに貢献。これ以上望むのは難しい。

豊川雄太 5.0 交代で途中投入されるも試合に入り込めず。時間稼ぎ的プレーで献身的に頑張った。

手倉森誠監督 6.0 ちょっとゲームプランが見えなかった。チームが機能せず後手後手に回るも結果的には見事な逆転勝利。まさにラッキーボーイ的活躍を見せた監督だった。

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