2018FIFAワールドカップロシア大会 日本代表対コロンビア代表 サランスク モルドヴィアアリーナ

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1930年にワールドカップが始まって88年が経過する2018FIFAワールドカップロシア大会。2-1でグループリーグ初戦を勝利を飾った日本代表は、史上初めてのアジア勢として南米の代表チームに勝利するという歴史的偉業を達成することになりました。

 

試合は開始早々動きます。前半3分、裏をしっかりカバーしながらセンタリングに対応した昌子源選手のヘディングは香川真司選手へ。ダイレクトで裏に流すと大迫勇也選手が競り勝ってシュートチャンス。抜け出して打ったシュートは残念ながらキーパーにセーブされるもパスアンドゴーで走り込んでいた香川選手がいち早く追いつきそのままダイレクトシュート。キーパー不在のゴールマウスに向かうボールをコロンビア代表のカルロスサンチェス選手が腕でセーブ。反則を認めた審判は、ペナルティキックとレッドカードの提示。コロンビア代表から見直しの訴えがあるも判定変わらず、前半6分、香川選手がペナルティキックを冷静に沈め、日本代表先制!さらに一人多い状態で残り84分を戦えることになりました。日本代表1-0コロンビア代表

一人減ってしまったコロンビア代表はキンテロ選手がボランチに下がって441に修正。対する日本は、ハリルホジッチ監督時代の3トップ気味433ではなく、香川選手が前線大迫選手に近く位置する4411に近いシステムで対応。そして今までと大きく違うのは、ボランチに柴崎岳選手がいること。
これにより、パスセンスに優れる柴崎選手から前線にボールが渡る。大迫選手は近くにいる香川選手と連動してゴールに向かうことができる。両サイドハーフが今までより引き気味になるものの、その分空いたスペースを幅広く大迫選手が基点作りに活用。香川選手が前線にいることも大迫選手がサイドに流れやすくなった理由の一つだと思います。西野朗監督になってからの練習試合含め、今までできていなかったことがかなり修正されてきたようです。
その分今まで3人で守っていた中央を2人で守らなければならなくなる時が出てくるのですが、少しポジションが下がった両サイドからカバーできるのと、グループリーグ3戦の相手チームはそれぞれあまり中央をゴリゴリ来るタイプではないのと、守備の時は大迫選手まで戻って全員で守る徹底ぶりでそれほど問題にならず。今まで先発起用だった槙野智章選手は最近裏を取られ過ぎて逆に前に出ることもできなくなっていましたが、昌子選手と吉田麻也選手は前にも出られるタイプで両サイドハーフが今までより低い分両サイドバックも中央のカバーがしやすく、穴になりかねない中央を逆にボールの取りどころにするほどの充実ぶり。後怖いのはビルドアップにおけるボールロストからショートカウンターというところかな。

と思ったら、ボールロストではないけど、長友佑都選手のクリアがミスで自陣ゴール方向へ。長谷部誠選手が落下地点に入るも、コロンビアの選手に押されて転倒。するとなぜか日本のファール。ちょっと厳しい判定。

コロンビア代表の直接フリーキックはキンテロ選手。ゴールキーパーの川島永嗣選手は壁の選手に「飛ぶなよ、飛ぶなよ、絶対飛ぶなよ」と指示していたみたいなので、素直にジャンプする壁の選手たち。するとボールは壁の下を抜けていく。何とか川島選手の手がゴールライン上でボールに届くも掻き出すまでには至らず、コロンビア代表が同点に追いつく。その前のフリーキックにおいて日本代表の守備のマークが曖昧だったのも川島選手の反応に影響していたかもしれない。日本代表1-1コロンビア代表

もともと格上相手、相手は一人少ないわけだし、同点に追いつかれても慌てることはない。慌てることはないんだけど、慌ててしまう日本代表。ボールの動きが悪くなり、ただただ焦りだす。しかし、直前のスイス戦では縦パスの意識が見られた長谷部選手がいつものように後ろにしか蹴れなくなり、中盤がボールを捌けないので香川選手が下がってきてしまい、中盤は大混雑、前線は連動せず。攻撃の悪いリズムは守備にも響き、原口元気選手は悪い癖でボールによってしまい、外れたマークに裏を突かれてどうなるかと思ったら、なぜか今度はアディショナルタイムがわずか1分で水が入る。助かった。

ハーフタイムで修正した日本代表。人数不足もあって前からのプレッシャーがあまりないコロンビア代表に対し、プレッシャーの少ない最終ラインからのビルドアップを図る。コロンビア代表が柴崎選手をケアするのを逆手にとってマークをずらしていく日本代表。コロンビア代表が中途半端に柴崎選手を気にし過ぎていたのは日本代表を楽にしたように思います。

ディフェンスラインから中盤のビルドアップが安定してきた日本代表は香川選手が高い位置にいられるので大迫選手からの落としがスムーズに繋がる。押し込む日本代表。しかし得点には至らず。増えだすコーナー。しかし、柴崎選手のプレイスキックは正確過ぎて大体同じ位置に飛ぶのでキーパーに読まれだす。相変わらずコロンビア代表のコーナーキックでマークがつききれてないディフェンス。どちらに得点が入ってもおかしくない展開で日本ベンチが動く。後半25分、トップ下の香川選手に代えて本田圭佑選手を投入。これが副産物を生み出す。

後半29分、怒涛の攻撃から得たコーナーキックを蹴るのは柴崎選手ではなく本田選手。この試合で本田選手が初めて蹴ったコーナーキックにコロンビア代表ゴールキーパーが予測を外す。キーパーの守備範囲のはるか手前で落ちたボールに対し大迫選手がディフェンダーにうまく体を当てて競り勝ち、放たれたヘディングシュートはポジショニングを修正できないキーパーを交わしてポストを弾きゴールに吸い込まれる。日本勝ち越し!日本代表2-1コロンビア代表

その後本田選手や長谷部選手の中途半端なプレーからピンチの連続も大迫選手や原口選手が体を張ってブロック。今大会の特徴としてフォワードの選手がゴール前で体を張って守ると勝つ傾向があります。いい感じです。

本田選手も香川選手のようにトップに張ればよかったと思うのですが、引いたりなぜか右サイドに張り出したりして、原口選手が渋滞起こしてバランスの悪い攻撃になる。攻撃でリズムが作れないと守備が悪くなる原口選手。ボールロストしても切り替えの遅い本田選手。この辺りは修正が必要なようです。

交代で入った本田選手や山口蛍選手、前への意識が低い長谷部選手がリズムに乗れないけれど、柴崎選手や乾貴士選手の守備のうまさが際立って互角に持ち込める展開。岡崎慎司選手もあまりボールが収まらずボールが回って来ずでフォワードとしてはいまいちな感じだったけど、前線でプレッシャーに走り回り持ち味をある程度発揮。

やるべきことをやる選手が多かった日本代表はそのまま歴史的な勝利を獲得しました。日本代表2-1コロンビア代表

ハリルホジッチ監督時代のサッカーを継承しつつ、わずか3試合の調整の中で見事に修正してきた日本代表。攻撃は大迫選手頼みだったのがトップ下香川選手を高めに位置することで連動性を担保。攻守に忙しかった両サイドハーフ(フォワード)はより守備からスタートできるポジショニング。中盤の構成をある程度諦めて守備第一、そしてロングキックできる選手を配置していたインサイドに効果的なパスを得意とする柴崎選手を置くことで攻撃のリズムを作り、守備、特に相手のショートカウンターの回数を減らす。中盤の守備はデュエルというよりパスコースのカットをメインに。サイドハーフの位置が下がったことでセンターバックのフォローに回れるサイドバック。見事としか言いようがありません。

今後、チームの選手層を厚くすることを考えるのか、グループリーグの3試合だけを考えてチーム編成していくのかは議論の分かれるところかと思いますが、長谷部選手に前への意識が戻れば他国にとってかなりの脅威となれる日本代表だと思います。状況限定であれば発揮できる能力を存分に持つ選手もいるので、足りない部分を補い、有利な展開に持ち込むことで勝利を目指して戦っていってほしいところです。

 

川島 永嗣 6.5 前方向の守備に不安はあるがビッグセーブを連発。壁の構成含め、プレイスキックに対する守りでマークやポジショニングがずれていることがあり、ここは川島選手のコーチングに期待したい。

昌子 源 7.5 相手の攻撃をシャットアウト。カバー、ラインコントロール、空中戦、ビルドアップと余すことなく能力を証明した。

長友 佑都 7.5 あのクリアミスは痛かったが、あの身長で驚異的な空中戦を見せた。対戦経験があり慣れていたのかクアドラード選手を完封して早期の交代に持ち込めたのもよかった。

酒井 宏樹 7.0 原口選手が不安定な中攻守に貢献。空中戦でも抜群の強さを見せた。攻撃時にゴールに向かう斜めのグラウンダーパスが多かったのは作戦かな。

吉田 麻也 7.0 ややファールが多かったが、積極的な守備は大きな脅威となった。ビルドアップも正確でセットプレーも抜群の空中戦を見せつけ攻撃面でも貢献。

柴崎 岳 7.5 絶妙なポジショニングからの絶妙なパス供給。守備面でも相手のカウンターを許さない見事なポジショニングとインターセプトを見せた。途中で交代してしまったのが残念。

原口 元気 6.5 驚異の運動量。守備の時今までよりも相手に一歩近づけるようになったようで、ファーストディフェンダーとしてもチームに貢献。ややボールを追ってしまいマークを外す癖を修正してほしい。本田選手に遠慮しなくてよい。

香川 真司 6.5 高い位置にいたおかげで大迫選手と連動して多くのチャンスを創出。役割が明確化されたのでシンプルな普段のプレーを見せてくれた。守備面でもパスコースを限定してコロンビア代表を苦しめた。パラグアイ戦で右サイドに入ったら消えてしまったけど、右ハーフでも機能するのであれば日本代表にとって大きな武器になると思う。

乾 貴士 6.0 ややミスが目立ったが、得意のドリブルでコロンビア代表ディフェンスラインを切り裂く。得点が欲しかった。守備での貢献も目立つ。守備で勝つにもデュエルにこだわる必要はないのだ。

長谷部 誠 5.5 パスが前に出ないのでどうしても狙われてしまう。今日はコロンビア代表が一人少なかったのでよかったが、相手フォワードが2人のとき対応できるのか心配だ。守備面ではインターセプトでカウンターをうまく封じていた。

大迫 勇也 6.5 確実なテクニックでフォワードとしての役割を果たす。選手間の距離感がいいので今までよりもやりやすくなったのではないか。日本代表に欠かせない存在。

本田 圭佑 5.0 ポジショニングが中途半端でミスやボールロストが多く、攻守の切り替えも遅いので中盤ではリスクが高すぎて見ていて怖い。体の強さが特徴の一つなのだから、香川選手のように前線で大迫選手の近くにポジショニングし、得点にこだわった方がチームに貢献できると思う。

山口 蛍 5.0 いつものプレーなのでしょうがないのだが、ボールを持った時出しどころを見つけるのに難儀するように見受けられる。技術や判断力は急には上がらないので、ボールを持ったら前線に出すことだけは決め込んでしまって、後はどこに蹴るかだけを悩むようにした方がこれから成長できると思う。蹴るところさえ決まればキックはかなり正確。

岡崎 慎司 5.5 ボールがあまり回って来ず不運な面もあったがどうにもボールが収まらなかった。とにかく追っかけてくれるので、いつかチャンスをつかめると思う。

西野 朗 監督 8.0 悪い部分を修正し、良い部分を増やし、相手に合った戦術を選択した。運にも恵まれ、ラッキーボーイ的な存在は監督自身なのかもしれない。

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