蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年10月8日(木)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対シリア代表 オマーンシーブスポーツスタジアム

初戦のシンガポール戦に引き分けてしまった日本代表は1位突破のために絶対に勝ちたいグループ首位のシリア代表との一戦。でこぼこのグラウンドと暑さのためかミスが目立つものの後半の3得点で3-0と勝利を収めました。

シリア代表は守備の意識は高いものの、今までの対戦相手のように5バック、6バックと最終ラインに人を集めて守備をせず4バックを敷いてそれなりに攻め上がってくる。これなら日本代表有利。例の速い攻撃とやらで中中中とゴールへの近道を突き進めばそのうち点が取れるぞ!
と思っていたら、なぜか今までの試合の反省からかサイドからのセンタリングを軸に攻撃を組み立てる日本代表。なぜだ。監督に言われたからか?スカウティングに失敗したのか?例の速い攻撃とやらを忘れてしまったのか?
その後もいちいち遠回りして外を使って攻撃を繰り広げる日本代表。悪環境もあってミスが多くなり、ボールに目が奪われて視野が狭くなっていく。パスの出しどころはあるのだよ、ただボールが落ち着かないから走り込んだ味方まで目が届かないだけで…(たぶん)

それでも、両チーム選手のレベルの差は歴然。グラウンドコンディションの悪さは日本代表だけでなくシリア代表にも同じように降りかかってくる。蹴りたいところに飛ばないボール。フリーキック以外ならそんなに怖くはなさそう。ただロングボール放り込んでくるから事故も怖い。日本代表は早めに1点、できれば2点取っておきたいところ。

前半が終わって、4バックのシリア相手なら体力的にも持つはずないしこのまま行けば日本代表はいずれ点が取れそう。早く点が取れるための交代(中中中の例の速い攻撃とやらのため)をしていくか?しかし、万が一シリア代表が後半5~6バック作戦に挑むようならサイド攻撃を残さにゃならん。暑いからバテたり怪我したりカード貰ったりする輩も出てくるやもしれん。かといってあんまり待ちすぎて0-0のまま試合が終わったらちょっとまずいよな…
ハリルホジッチ監督は悩んだことでしょう。とりあえずはメンバー交代なく後半開始。シリア代表は前半とあんまり変わらない…?でももうちょっと様子見ようか…と思ったら、後半9分、散々本田圭佑選手が取ってもらえなかったファールを岡崎慎司選手がペナルティエリア内で獲得。やったー、日本代表待望のPKだ!
キッカーは本田選手。中中中の例のいわゆる速い攻撃はいいからちゃんとコースに、中中中じゃないぞ、でもやっぱり真ん中に蹴るのかなあ、と思ったら左!よかったー

それでもシリア代表は引き分けでいいので、5~6バックにして1点だけを取りに来たらそれはそれで日本代表も苦労したかと思うのですが、シリア代表は普通に攻撃してきた。これは例の速い攻撃で中中中でしょう。宇佐美貴史選手を投入。ドリブルとショートバスでゴールへの最短距離を突き進む。
後半25分、ペナルティエリア内でボールを持った香川真司選手が左サイドをドリブル突破。スライディングしてきたディフェンスの股を通したラストパスに岡崎選手が走り込んで日本代表2点目。マイナスでボールを待っていた吉田麻也選手も見事でした。

いよいよスペースが埋められなくなったシリア代表を攻め立てる日本代表。後半43分、武藤嘉紀選手が競り勝って清武弘嗣選手へ、清武選手は絶妙なワンタッチで前を向き走り込んだ本田選手へスルーパス。裏に出来たスペースを宇佐美選手が使って見事な追加点!試合終盤で勝ってるからサイドバックが上がってこないのもチームとして見事なゴールです。

交代で出場した選手がいずれも活躍した攻撃陣。ハリルホジッチ監督は比較的選手の好き嫌いがはっきりしているのでレギュラーが入れ替わるのは相当な苦労が必要だろうけど、長いワールドカップ予選なので切磋琢磨しあってカバーしあいながら得点を重ねていってほしい。
逆に守備陣は大幅な修正が必要。ラインが凸凹になるのが怖くて選手交代しなかったのだろうけれど、いくらグラウンドが悪いからってさすがにボールコントロールが悪すぎるしなんたって視野が狭すぎる選手が多い。アジア予選では引いて守られることが多い日本代表なので、ディフェンスのビルドアップやオーバーラップが生命線となる。もしかしたらサイドアタッカー的な選手をサイドバックに据える必要が出てくるのかもしれない。ボランチの選手を最終ラインに下げて3バックを検討した方がいいかもしれない。例の速い攻撃とやらで引いて守る相手に対して中中中で攻めたかと思えばスペースがあるのにわざわざ外から遠回りしてゴールを目指したり、チームとしての柔軟性に欠けるところがある。サッカーは相手があってやるもの。「自分たちのサッカー」よりも「目の前の相手に勝つサッカー」を心掛けて一戦必勝をこれからも期待。

監督も少しずつ選手のことがわかってくるだろうし、選手も監督の言いたいことがだんだんわかってくると思う。新しい選手が入ったときにどうやって共通認識を持つかという課題はあるが、監督の戦術は以外と柔軟性がありそうだし、チームもだんだんと監督の戦術を体現出来てきたようだから、これから少しずついいチームになってよい結果をもたらしてほしい。
シリア4バック。結構攻めてくる。日本有利。
今日みたいな試合ならわざわざ外使う必要ないのに。なんでいちいち遠回りしてゴールに向かうんだろう。まあ、ホームとは言えシリアがこんなに強気に出てくるとは思ってなかったんだろうなあ。
ゴートク余裕がないからセンタリングが合わない。体の向きがおかしいし体の動きとボールの動きがあってない。
蛍のポジショニングが中途半端。後ろ過ぎる、前過ぎる、離れすぎる。
パスが出ないのは恐らく受け手の問題じゃない。パスコースができてるのに見えてない出し手に問題がある。

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平成27年9月8日(火) 日本代表対アフガニスタン代表 メモ

・攻撃パターンが今までと大きく変更。中央からの早い攻撃はやめて丁寧につないで外から攻めた。
・最終ラインのカバーリングはセンターバック・ボランチともそれなりに修正されていた。
・アフガニスタンの攻撃は主にボールを奪ってカウンターかキーパー(もしくはフリーキック)からのロングボールの2種類しかなかったが、背の低い長友の頭を狙われていたが特に対策しないどころか背の高い酒井宏樹を代えて原口元気をサイドバックにポジションチェンジ。酒井弘樹に攻撃面でのミスが多いのは今日に限ったことではない。
・アフガニスタン代表は日本代表の中盤や最終ラインへのプレッシャーがほぼ皆無だったためフリーでボールを蹴ることができた。そのためサイドの空いたスペースへロングボール含め効果的なパスを繰り出すことができたが、日本代表の前線が意図的にスペースを作り出した場面は少なかったように思う。特に岡崎が足元へのボールを要求が多くチームとしてどのスペースを使うのか意識統一できていない。
・2次予選は実力差があるので、日本代表はあまり難しいことを考えないでシュートを打ってさえいれば勝てる。

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平成27年9月3日(木)W杯アジア2次予選 日本代表対カンボジア代表 埼玉スタジアム2002

初戦シンガポール代表戦に引き分け絶対に勝利を収めたい日本代表。

実力差から考えると物足りない点差ではありましたが、3-0と完勝。2次予選初勝利をあげました。

日本代表は中から早い攻撃を形にしているので、中央最終ラインに人を集めて9人でゴール前を固めるカンボジア代表の守備をなかなか崩すことができません。
基本的にマンツーマンで守るため、場合によっては最終ラインが6人になることも。守備が多すぎてシステムが分かりづらいカンボジア代表。

日本代表の攻撃はカンボジア代表のマンツーマンディフェンスを逆手にとって込み合っている中央ではなくサイドにスペースを作って相手に後ろ向きの守備をさせればもっと効率的に攻めることができたはずですが、監督の指示なのか選手のこだわりなのか中央でショートパスをつないで突破しようと試みる。

サイドの攻撃はサイドバックがオーバーラップしたときは形を作ることができるのですが、中盤のサイドは右が左利きの本田圭佑選手、左が右利きの武藤嘉紀選手。どうしても中へ中へ絞る攻撃となり、その分サイドにスペースが空くもののうまく使うことができずシュートを打てども打てどもゴールを決めることができません。

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平成27年8月9日(日) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対中国代表 中国武漢スポーツセンター

1敗1分で迎えた今大会最終戦。勝利で締めくくりたいところでしたが、1-1の引き分けに終わりました。

3試合目にして始めて守備のときフォワードが連動して相手にプレッシャーをかけるようになった日本代表。しかし相変わらずパスミスの多い日本代表はせっかく奪ったボールも中国代表に高い位置で渡してしまい波状攻撃を受け押し込まれて前半10分、あっさり先制を許してしまう。第1戦はボランチが下がらなくて失点。第2戦はボランチが1枚ディフェンスラインに回って失点。第3戦はボランチがディフェンスラインに吸収されてしまい失点。修正しているというかなんと言うか。
日本代表は強引に縦に進んでチャンスを作り出すいつもの作戦。やってるうちにだんだんと中国代表のプレッシャーなんてほとんど無きに等しいことに気が付き始める日本代表。落ち着いたらミスパスが驚くほど減少。ようやくリズムを作り出す。

ここで問題が発生。さて、どこから攻めようか。

中国代表はサイドのハーフェイラインあたりとトップの頭を拠点に攻めてくる。
日本代表はセンターサークルあたりを拠点に。しかし、ここは相手もたくさんいるので拠点にしづらい。
結局、センターバックがドリブルで相手を交わしてからパスを出せばフリーで拠点が作れる、という明日につながらない作戦。今日機能したからいいのかな。
ということで拠点作りに成功した日本代表はパスが回る回る。前後前後にパスが通り、ゴール前までボールが運べるように。

前半41分、槙野智章選手がドリブルで相手陣内に進入。フリーで出したスルーパスはオーバーラップした米倉恒貴選手へ。ダイレクトのセンタリングに走りこんだ武藤雄樹選手がゴール前合わせて同点!

今日トップに入った川又堅碁選手はフリーなのに受けたボールをディフェンスラインまで戻してしまう。ここで前を向いたり裏に走りこんだりすればもっとチャンスができるんじゃないか?というわけで川又選手に代えて興梠慎三選手を投入。ところが、雨が強くなったせいかディフェンスがドリブルしないで横パスをつなぐようになり、縦パスが入らなくなってしまう。これでは攻撃のリズムができない。

その後日本代表は出足の良さで中国代表を圧倒しゴール近くまでボールを運ぶもののゴールを割ることはできず、同点のまま試合終了。

槙野選手は対面ではそこそこの強さを発揮するものの相変わらず裏のスペースをカバーできず相手に走り込みを許してしまう。相手が全く見えていないのはちと困りものです。
森重真人選手はたくましくなりました。ブラジルワールドカップ前はファールされたらすごすごと引き下がっていたのに。経験が大きく成長させてくれているのだと思います。

ハリルホジッチ監督は、この大会決まった采配を繰り返していました。結果が出なかったことがはたして今後どのような変化をもたらすのでしょうか。

日本代表は守備のルールは少しずつできてきたように感じますが、攻撃についてはいまひとつ。
トップが下がってできたスペースをどう使うのか。トップにどう当てるのか。どこに基点を作るのか。どうやってどこからボールを相手ゴールに運ぶのか。
実力で中国代表を圧倒していたにもかかわらず同点に終わったのは、日本代表の展開力のなさと、両チームの戦術に対する徹底度に大きな差があったことが原因です。

少なくとも、サイドバックの役割をどうするのか、どうやってサイドチェンジを図るのか、どのスペースを使って(作って)攻めるのか、このあたりはある程度徹底させていかなくてはなりません。

シンガポール戦の前は得点が入ってしまっていたので欠点が目立ちませんでしたが、今後も得点できないことがないとは言い切れません。
監督の戦術が早く徹底されますように。

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平成27年8月5日(水) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対韓国代表 中国武漢スポーツセンター

初戦北朝鮮にまさかの逆転負けを喫した日本代表。韓国代表に勝って悪い流れを断ち切りたいところでしたが、1-1の引き分けに終わりました。

試合は完全に韓国代表ペース。日本代表もボランチの位置関係が北朝鮮代表戦から修正され、真横ではなくつるべの動きでスペースを埋めるが、ディフェンスラインが深すぎる。ディフェンスラインを上げようにも、フォワードがボールの出し手にいいプレッシャーをかけてくれない。パスコースを消さずにふらふら上がってしまうので、韓国代表に自由なスペースを与えボールをまわされてしまい韓国代表に効果的な攻撃を許してしまう。
当然日本代表ゴール前でのシーンが増え、不運なハンドからPKで韓国代表に先制されてしまう。
日本代表はフリーキックから反撃。こぼれ球を前線に蹴りこむと運良くフリー。落としたボールに山口蛍選手がミドルシュートを決めて日本代表が同点に追いつく。
なかなかボランチから有効な展開が作れない日本代表。次の展開を読めず予測して動くことのできない選手がいる中、柴崎岳選手や倉田秋選手が走り回りボールに絡むことでテンポを作り出していくが、前線の選手が裏を狙わずディフェンスの前だけでボールを受け取るため、得点しやすい形でシュートを打つことができない。それでもボールキープからディフェンスラインを押し上げるようになり、何とか互角の展開へ。韓国代表もチャンスは作るものの日本代表の体を張った守りの前に追加点を奪うことはできず。
あまりにもミスが多くリズムを作り出すことができない日本代表。コンディションのせいなのか、それとも…

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平成27年8月2日(日) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対北朝鮮代表 中国武漢スポーツセンター

国内組のみの若手主体で挑んだ日本代表でしたが、北朝鮮相手に1-2とまさかの敗戦。

開始早々先制点を挙げた日本代表でしたが、狭く小さく攻める日本の攻撃は次第に北朝鮮に読まれ、暑さの影響もあるのか選手たちの実力不足か日本代表のパスはミスだらけ。山口蛍選手だけが唯一ボールを散らしはするものの、そのほかの選手は狭いプレーに終始し、パスを出せない繋げない攻撃の遅い日本代表は守備への切り替えも遅く次第に守備の時間が増えてくる。
北朝鮮はサイドからアーリークロスを放り込んでくる単純な攻撃。日本代表はサイドバックが中に絞って対応するも、ボランチの柔軟性が乏しくディフェンスラインの前のスペースが埋められない。ピンチが多くなるが北朝鮮代表の個人技がそれほどでもないため失点までには至らない。
守備に時間を取られる日本代表は集中力をなくしてきたのかコーナーキックの守備でマークを確認しきれないなどピンチが深刻化。
守備に追われた宇佐美貴史選手が前半途中で体力が切れ、ますますピンチに。
それでも日本代表は時折見せる単純に縦へ早い攻撃が一気にチャンスを作る。しかし、シンガポール戦同様決定力に泣き得点ができない。
連携の取れないチームは守備の始まりでフォワードが自分勝手にプレッシャーをかけに行ってしまいあっさり北朝鮮代表に攻撃を許す展開。
柴崎岳選手が入ってボランチが縦の関係に。ディフェンスラインの前のスペースが埋められて功を奏するかと思われたが、前線が守備に戻らないサイドから北朝鮮代表に切り込まれてなかなか守備が安定しない。
柴崎選手が入って守備のバランスは良くなったが、山口選手がなぜか柴崎選手ばかりを見てしまい展開が小さくなり攻撃のリズムが崩れる日本代表。
牧野智章選手が対面にはそこそこ強いものの裏のスペースが全くフォローできないこともあって守備のリズムまで徐々に崩れだす。
長身選手に競り負けるのはしょうがないとしても、その後がカバーできない日本代表はトップの頭を狙った北朝鮮の単純な攻撃を防ぎきれず逆転を許してしまう。
反撃に出たい日本代表だったが、ミスが多くボールを前に運べず、ディフェンスラインを上げることもできない。
フリーキックでチャンスを作るも得点には至らず試合終了。
チャンスで得点できていれば勝てたかもしれないけど、得点できなかったから欠点が露呈。修正して次に生かしてほしい。

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平成27年6月16日(火)W杯アジア2次予選兼アジアカップ2019予選 日本代表対シンガポール代表 埼玉スタジアム2002

ハリルジャパンは今までどおりの試合をしたものの得点が奪えなかった結果、サイドからのアーリークロスに活路を見出そうとしたもののディフェンスに当ててしまう両サイドバックがどんどん自信をなくしてセンタリングできなくなってしまい、頼みのコーナーキックも単純にフィニッシャーの頭に上げるだけで今までのようなポジションチェンジからのごちゃごちゃからのファーサイドでフリーシュート作戦が機能せず、それでもシンガポール代表のカウンターの精度が低かったこともあって失点は免れ、0-0の引き分けで試合終了、ワールドカップへの第一歩を踏み出しました。

ハリルジャパンの一番の攻撃手段の一つであるボランチからの縦パスが全く機能しない。今日の試合では、シンガポール代表がボールを頂点にしたピラミッド型守備体系を敷いていて、中央にでんと居座る柴崎岳選手、長谷部誠選手は相手からのプレッシャーがないからか、W杯予選というプレッシャーがあるからか、のんびりしたプレーで縦パスを入れることができず、前線も本田圭佑選手以外はスペースを見つけ出すことができず受け手になりえず、とにかく縦パスを入れることができずボールが前に運べない。中央からでなくサイドライン際から縦パスを入れたりボールを早く横に動かしてピラミッドの横から楔を打ったりすればよかったが、あまりに中盤がフリーすぎたせいもあって単調なミスを繰り返す。

ハリルジャパンもう一つの得意とする攻撃手段としてコーナーキックを含むプレイスキックがあげられる。イラク戦ではニアサイドで高い選手がごちゃごちゃしながら競った結果ファーサイドにこぼれたボールへクロスしてフリーになった選手が押し込む形が見られたが、今日の試合ではフィニッシャーの頭に直接合わせるだけでファーサイドフリーになる選手もいなければボールもニアサイドではなくシュートが打ちやすいゴール前に直接放り込む。誰もが主役になりたがった感じ。シンガポール代表ゴールキーパーとしてはどこから打ってくるか分かるから、至近距離の止めにくいシュートの中では比較的タイミングを合わせやすくシュートを防ぎやすかったと思う。これは最後まで修正されなかった。

攻撃手段を失ったハリルジャパンだが、サイドからのアーリークロスだけはかすかに得点の匂いがする。中から攻めないので香川真司選手に代えて高さで競れる大迫勇也選手を投入。縦パスのうまい柴崎岳選手に代えてサイド攻撃ができて中央こぼれ球からの得点が期待できる原口元気選手を投入。最後はごちゃごちゃで中央勝負ができない宇佐美貴史選手に代えて空中戦も競れる武藤嘉紀選手を投入。冷静に試合を分析して勝利に近い采配を見せているなあと思ったら、原口選手はなぜかボランチの位置に下がる、アーリークロスを入れるべきサイドバックがミス連発でクロスを上げるのを躊躇、ゴール前で4人以上渋滞してるから岡崎慎司選手が飛び込むスペースがない、とすべてが悪い方向へ。

今までどおりの攻撃をしていたが、中盤でプレッシャーをかけられることなく中央低い位置からの縦パスについてしっかり守備されたことでゴールに近づきづらくなり、今までと違ってたまたま得点が奪えなかったことで今までやっていないサイドからのアーリークロスをしたものの機能しなかった。

守備は今までもそうだが、相手にスペースを与えすぎていて、トップにボールが入ったときにうまく挟み込んでボールを奪うことができない。もともとハリルジャパンは守備のとき前へのプレッシャーが乏しく押し込まれてしまうことが多かったが選手が固定されていないこともあって試合ごとの修正があまりうまくいっていない。トップに入った瞬間にセンターバックとボランチがしっかりプレッシャーをかけること、飛び出した選手の裏をしっかりカバーすること、このあたりの約束事をこれから詰めていくことになるのだろう。

今日のハリルジャパンは試合の入り方として今までと同じことをしていたがたまたま得点が奪えなかっただけに過ぎない。試合を評価するときに得点失点という結果は一番大切なことだが、プロセスを見つめないと次の結果につながらない。チームとして実力を培うために今日の試合結果を大切にしてほしい。

今後のハリルジャパンは今までやってきた早い縦パスとコーナーキックという武器に磨きをかけていくことになるのだと思う。ただ、これは「自分たちのサッカー」ではないだろうから、どこまで選手が勝ちにこだわれるか、そのあたりがチームとしての成熟度に関わっていくのではないか。

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平成27年6月11日(木)キリンチャレンジカップ2015 日本代表対イラク代表 日産スタジアム

ワールドカップ前最後の親善試合は4-0とイラクを圧倒。点が入って良かった良かった。

日本代表の攻撃は柴崎岳選手の縦&裏パスとセットプレー。
セットプレーは単純にやってるように見えてしっかりと作られていた印象。ニアに高い選手を複数飛び込ませてクロスして裏に走りこむ二人くらいの選手をゴール前でうまくフリーにしている。今後はバリエーションを増やしていくことになるだろうけれど、今の基本の形をしっかりと充実させることでセットプレーやゴール近くの守りなど様々な相乗効果を期待できる。
イラク代表の守りがかなりルーズで岡崎慎司選手が引っ張ってもディフェンダーが付いてこずゾーンなのに自分のゾーンですらマンマークできず二人同時に動き出すなど組織としての混乱が見られスペースを作り出すことができない試合展開でも冷静迅速な判断でボールを散らし縦パスを多く配給した柴崎選手は今日の試合では欠かすことのできない存在。まだまだ軽いミスが目立つがよく集中して周りを見ている。敢えて言えば、ボランチのポジションとしてはもう少しボールを奪うプレーがほしい。今はボールのコースにいるだけだが、相手のプレーをしっかり予測して線ではなく点でボールを奪いにいってほしい。

日本代表の守備はサイドの守りに課題。
通常のサッカーチームにはセンターバックをできる選手がサイドバックやボランチにいて中央を固めることができるのに対し、日本代表長年の課題としてセンターバック的人材が圧倒的に不足している。実際ボランチの選手をセンターバックに起用したり。決定力不足云々より大きな課題だと思う。サイドから攻められたとき一般的にはサイドバックが前に出てセンターバックがカバーに入り全体的にチーム全員がボールサイドに寄せていくものだが、今日の試合ではサイドバックが最終ラインに残りフォワードやボランチがその前を埋めるような守備をしていた。その結果センターバックは中央に残ることができるのだが、どうしてもサイドを侵入されてしまうし、フォワードが戻れずボランチが寄せていくとセンターバックの前のスペースが空いてしまう。後半に入りセンターバックが前に出たりサイドバックが前に出たりいろいろ試していたようだがまだまだ徹底できていないように感じた。個人的にはセンターバックを中央に残した方が良いと思うので、フォワードも守備の意識を高めてサイドを戻ったり逆サイドから中央を埋めたりしてボランチの負担を減らしてほしい。アジアでの戦いは中央ハイボールが重要になってくるので、メッシやクリスティアーノロナウドでない限り、センターバック的選手を起用できないのであればフォワードにある程度守備もしっかりできる選手を起用していくべき。

ハリルジャパンは内容よりも結果を求めているようなので、効率的に得点が奪えるセットプレーや中央を高さで守るためにセンターバックを残す作戦はさらに重視されていくのだと思う。今後は暑い中でも裏を単純に狙う走りこむサッカーが続けられるのかということと、先制されても同じサッカーが続けられるのかということと、フリーキックが取れないときにどうやって攻めるかという部分が気になる。特に両サイドのフォワードにサイドをえぐるより中に入ってシュートを打つタイプの選手を配置しているとコーナーキックの回数が減ってくるだろうから、カウンターを防ぐという意味合いよりコーナーキックを取るということで強引にシュートで終わるようなことも必要になってくるのだと思う。でもそれは日本の選手が比較的苦手としているプレー。今は勝っているからいいけど、結果が出ないときにどう精神面を維持できるかが最終的な結果に関わってくると思う。協会としても悩むことになると思うけど、全力でハリルホジッチ監督をサポートしてほしい。