政治 \ 多摩市議会

平成30年12月議会一般質問通告書

12/3から始まる平成30年12月多摩市議会に向けて、質問通告しました。

きりきの一般質問登壇は、12/6(木)11時頃(2番目)の予定です。

 

  • 多摩市の障害福祉と介護について

障害福祉制度における「障害」及び「障がい者」に関する対象規定は、個々人に応じて必要となる様々なサービスを提供するために対象者を特別視するという側面があり、一方でそれが障がい者に対する「差別」「偏見」「スティグマ」といったマイナスイメージを生み出している部分もあります。そこで近年では障害を「個性」「文化」として障がい者福祉の価値観を見直し、障害のある者と障害のない者といった対立概念ではなく、単なる文化やコミュニティの違いであると考える動きもあります。障害を「個性」や「文化」として捉える見方は国際障害分類から国際生活機能分類へと概念が変わったことと同じく、これまでの自己否定的なイメージを変化させ、障がい者自身の前向きな姿勢や肯定的な生き方を生み出し、生きる意欲、自立への動機づけを強化する可能性を生み出してきた点で重要なものであり、さらに、障がい者に関する課題を一般市民の生活とは別の特別な課題として捉えるのではなく、一般市民が通常関心を持つ生活の課題の中に位置づけることの必要性を強調した点で、それらの課題に取り組もうとする市民の意識を大いに高めることも期待されるものです。

このように障害を「個性」や「文化」として捉える視点は大変意義深いものですが、現実には、いくら「個性」を強調しても、障害から生じる日常生活の困難さは頑として存在しています。「個性」や「文化」を強調することによって、逆に必要な支援を見えにくくするという問題も大きくなることが懸念されるところです。

障がい者の社会参加を乏しくしている原因を社会的環境に捉え社会を変えていくアプローチとともに、障がい者個人個人に応じた特別な支援を提供することで社会参加を容易にするためのアプローチもまた充実させていくために、以下質問します。

  • 障がい者に関する必要な支援は個人差が大きく、また技術の進歩による新たな支援が創出されることもあり、障害福祉は幅広い分野を柔軟に対応する必要があります。また、こうした援助活動は「唯一の正解」が見出しにくいもので、様々な形で倫理的ジレンマを引き起こしやすいものです。障がい者自身の生活のためにも、それを支援する介護福祉の現場にいるものを支援する意味においても、より広範囲をフォローできる支援体制を多摩市として築いていく必要があると思います。制度による違いもあり対応に悩むことも多いかと思いますが、多摩市においては、それらの課題をどのように分析し対応をお考えでしょうか。
  • 障がい者も65歳を過ぎると介護保険制度の対象となり、それまでとは異なる制度による支援を受けることになります。障害者総合支援法など障がい者福祉の法制度と介護保険制度の切り替えによって、どのような変化が想定され、その対策をお考えでしょうか。
  • 地域で福祉を充実させていくためには地域包括支援センターの役割を欠かすことはできないものですが、これからは地域包括支援センターにおいても障害分野の支援が求められるようになるのでしょうか。またその場合、地域包括支援センターの位置づけやその役割における課題をどのように分析されていらっしゃいますか。

 

2、子どもたちのスポーツ環境の整備について

少子化が進む現代ですが、少子化だからこそ多くの大人たちが関与して子どもたちの健全育成を見守っていくことができる時代です。一方で、少子化・核家族化という変化の中で「子育てに正解があるはずだ」「子育てで失敗は許されない」と悩む親の思いもあり、支援を欠かすことはできません。子どもたちが自己肯定感と共にのびのびと成長するために、失敗から学び、また仲間集団の形成を経験することができるスポーツという要素を子育て支援環境に有効活用していくことはこれからの社会において重要なものであると考え、以下質問します。

  • 子どもは小さな大人ではありません。人間が成長する過程は、単に小さいものが大きくなっていくといった単純なものではなく、また、人間の器官や機能の発達速度はアンバランスであり20歳前後でようやくバランスのとれた状態になるとされています。したがって、それぞれの子どもたちのそれぞれの発育発達段階に応じた経験や刺激が必要であり、それらを適切に支援することで健全な成長を促すことができます。また、ある課題に対して吸収しやすい時期としにくい時期があり、もっとも吸収しやすい時期にその課題を与えていくことも大切です。適切な支援を連続的に受けられる体制作りが求められるところですが、市のお考えを伺います。
  • 今年の夏は猛暑による被害を多く聞かれた夏でしたが、これから寒い冬を迎えるにあたり、どのようなリスクを想定し対策をお考えでしょうか。
政治 \ 多摩市議会

平成30年9月議会一般質問通告書

9/3から始まる平成30年9月多摩市議会に向けて、2問の質問を通告しました。質問日は未だ確定しておりません。

1、 介護保険制度について
地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律により介護保険法が改正され、介護保険制度は今でも走りながら考えています。少子高齢化が進む現代において高齢者が要介護状態になっても可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるようにするためには、国民全体で支え合い、考えることが必要です。共同連帯の精神に立ち返り、年をとっても今まで通り住み慣れた景色、慣れ親しんだ友人知人とともに、この地域で暮らし続けたいという決してわがままではない望みを実現すべく、以下質問します。
① 地域包括ケアシステムの推進に向けて保険者としての市の機能が強化されていくことになります。新たな取り組みに向けて、現状の課題をどのように分析され、どのように進めていくのでしょうか。
② 地域共生社会の実現に向けて市はどのような取り組みを行うのでしょうか。
③ 介護保険制度の持続可能性を維持するために自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現に向けて財政的インセンティブを含め様々な支援が用意されていますが、地域保険である介護保険制度においては多摩市においても必要な支援を自ら分析し検討することが必要だと思います。一方高齢者に限らず人間は必ず衰え老いて死に向かう定めがあります。アウトカム指標を分析するうえでは要介護状態の維持や改善だけではなく、悪化の速度を緩めることも評価に値するのではないでしょうか。市はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
④ 多様な人材確保と生産性の向上に向けてロボットの活用のほか、担い手の拡大が検討されることになろうかと思いますが、現に働いている介護職員の処遇改善や潜在的有資格者への働きかけも欠かすことはできません。市のお考えと今後の取り組みを伺います。
⑤ ただでさえ業務過多と思われるケアマネジャーですが、質の高いケアマネジメントの推進や公正中立なケアマネジメントの確保に向けて、更なる負担も懸念されるところです。市はどのようにお考えになりますでしょうか。また、居宅介護支援事業所の管理者要件が見直され、今後はさらにお金と時間をかけなければ業務を続けることもままならなくなります。地域資源確保に向けた市の支援体制を伺います。
⑥ 世界保健機関(WHO)から28年ぶりに改定された国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました。新たな項目も網羅され、更なる人類の可能性に期待されるところです。その人が最期まで自分らしく生活していくために活用すべきかと思いますが、市のお考えを伺います。

2、 健康増進について
健康増進、介護予防、予防医学は高齢者だけでなく、すべての人に欠かせない分野です。人間は口から栄養を摂取する生き物ですが、消化した栄養を体の隅々まで運ぶのは血液であり、また血液は体の老廃物を運搬し体外に排出する働きも持っています。人の体の健康は正常な血液の働きと循環なくして語れないものです。そのためには医学的ケアの充実とともに、日常的な生活習慣の影響があってこその健康であると思います。市民がその人生を全うするため、また持続可能な街づくりを進めていくために、以下質問します。
① 健康増進のためにはスポーツの推進が欠かせないところかと思います。スポーツの楽しみ方には「する」「見る」「支える」といった様々な形が想定されます。市では今後どのような支援を検討されていらっしゃいますでしょうか。
② 今年の夏は異常気象とも言われる暑さを記録しましたが、夏のスポーツにとって熱中症のケアを欠かすことはできません。熱中症だけでなくスポーツには怪我や心停止などの事故も懸念されるところです。市ではどのような対策をお考えでしょうか。
③ 公共交通機関が発達している街ほど人は歩く、という研究結果があります。公共交通機関が不十分だと車社会の割合が高まり、歩く機会が減ることが推測されます。歩行は健康増進の基本であり、足を動かすことで全身の血行改善が図られ、第二の心臓と呼ばれる足の筋肉がつくことで下肢静脈の血行改善や生活習慣病予防が期待されます。更なる公共交通機関の整備は健康で持続可能な街づくりに向けて欠かせないと思いますが、今後の市の取り組みについて伺います。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

2018明治安田生命J2リーグ第29節 東京ヴェルディ対大分トリニータ 明治安田生命DAY 練馬区サンクスマッチ 味の素スタジアム

現在6位とプレーオフ圏内につける東京ヴェルディ。今日の相手は2位の大分トリニータ。ホームの上位対決で弾みをつけたいところでしたが、0-0の引き分けに終わりました。

 

試合は大分ペースで展開。3バック、1アンカー、2トップの大分に対しヴェルディのディフェンスラインが大混乱。両ワイドに選手がいるのでサイドバックが対応しようとすると、中がセンターバック2枚とフォワード2枚になり余裕がなくなってしまうのです。

仕方がないのでフォワードのはずの藤本寛也選手を最終ラインまで下げて数で対応するヴェルディディフェンス。しかし中盤はアンカーシステムの3枚のままだしそれでも佐藤優平選手は右に流れてるしドウグラスヴィエイラ選手は真ん中に残ったままだし泉澤仁選手は左サイドを主戦場にしているし、誰かが間違ってるんだけど誰が間違ってて誰が合ってるのか外から見ててもわからないほどの混乱ぶり。

そうすると、本来藤本選手が守っているはずの場所にいる大分の左センターバックがいつでもフリーに。ヴェルディが慌ててスライドすると今度は右サイドに歪が。前半の大分の狙いは、フォワードの走り込みとこれ。ギャップのできた右サイドに右センターバック、右ワイド、右ハーフ、フォワード、時にはアンカーまで絡んで4人(もしくは5人)で突破を試みる。ヴェルディは泉澤選手が引っ張られてしまっているので左サイドバックの奈良輪雄太選手と左ハーフの梶川諒太選手と左センターバックの平智広選手の3人しか人が割けない。サイドが突破されるも最後の最後で中央のマークを外さなかったヴェルディは何とか大分の攻撃を耐え忍んでいく。

大分が攻め込んでいるのでカウンターが効果的なのですが、ヴェルディはカウンターというと一気にフォワードに繋ぐことばかりが優先されてしまっていて、そこが完全に大分に対応されてしまっていたのでカウンターを発動することもかないませんでした。大分のディフェンスはボールのところと最終ラインのところの2か所だけだったので、ベルギー代表とかフランス代表みたいに中盤で一旦起点を作るカウンターだったらうまくいくと思うんだけど、残念ながらこれはワールドカップじゃなくてJ2リーグだった。

そういうわけで、前半終了間際にヴェルディが少し攻め返すところはあったけどだいたい大分が攻め込む展開が続いて前半はスコアレスドローのまま終了。東京ヴェルディ0-0大分トリニータ

後半に入り、ヴェルディは混乱していたシステムを修正。右サイドの藤本選手をはっきりと右サイドバックに落とし5バックシステム。中盤はアンカーシステムの3枚。フォワードに2枚。これでとりあえず最終ラインはマークが明確化し、落ち着きを取り戻しました。

個人的には、大分の2トップに対し井林章選手と平智広選手の両センターバックとアンカーの内田達也選手が対応して、藤本選手を前に出すのがセオリーだと思います。特に藤本選手のドリブルは前半から大きな武器になっていたため、できることなら藤本選手を前線近くに残したかったはず。また、大分の3バックに対し2トップで追いかけるのは無理があるため、大分の攻撃の起点となっていたパスの出しどころが止めきれない可能性も拭い切れません。ダブルボランチにすれば大分のインサイドハーフにもピッタリはまり対応できます。しかし、ヴェルディの狙いは違いました。内田選手を中盤に残すことで前半に何度か使われていたデイフェンスラインと中盤のスペースを埋めることと、あえて大分のセンターバック、更にいうなら左センターバックの選手にボールを持たせる選択をしたのです。

大分の左センターバックの選手が、例えば逆サイドに展開できたり、ドリブルで持ち出したりできていたら全然違った展開になったと思いますが、基本的にはプレッシャーがあまりなくても近くの味方へパスを渡したがる選手。しかし、周りはマークでびっちり。ボールを持っている本人がフリーという事は、逆に言うと、自分以外のチームメイトは数的不利な状況になっているということ。そこにパスを打ち込もうというのですから、結構難儀な話です。そういうわけで、大分の攻撃はことごとくヴェルディのインターセプトにあい、形にならなくなりました。

また、ヴェルディの攻撃も、単にドウグラスヴィエイラ選手に慌てて繋ぐのではなく、一旦中盤でパスをつなぐようにしました。大分の守りも中盤は基本的に3枚だけなので、中盤のスペースはあります。梶川選手が効果的に飛び出すことで三角形のパスコースが生まれ、後半のヴェルディは守備でも攻撃でもリズムを作り出すことに成功。試合はヴェルディのものです。

しかし、サッカーと言うのは自分たちと相手のゴール数を競うスポーツ。得点を挙げることができなければどれだけいい試合をしても勝つことはできません。キーパーのビッグセーブもありましたが、もう少し早いタイミングでシュートを打った方がよかったかな。

アランピニェイロ選手が入って541にシステム変更、最後は李栄直選手を入れてパワープレーに持ち込もうとするも不発。

結局スコアレスドローのまま試合終了。東京ヴェルディ0-0大分トリニータ

ヴェルディは後半の建て直し策がズバリはまって相手の弱点をつきながら試合を優位に進められたので、なんとか勝ちたかった試合。ただ、大分のフォワードが中盤の守備を助けに来てたらどうなってたかわからなかったし、左センターバックからのパスが供給されていたら負け試合だったと思う。そういう意味でも賭けに勝ったのだからやはり勝ち切りたかった。

大分は丁寧に外から攻めようとし過ぎ。そういうときも必要だけど、ゴール前でフリーのフォワードがいるときはさっさとシュートまで持ち込んだ方がいいと思う。チャンスの神様はいつまでも待っていてはくれないらしいから。

 

上福元 直人 8.0 クロスにことごとく反応。シュートに対しても抜群のキャッチング力で相手の連続攻撃を未然に防いだ。

井林 章 7.0 かなり攻め込まれていたが、最後の最後ゴール前マークを外さなかった。ライン統率にもかなり気を使っていた様子。

平 智広 6.0 中途半端な戦術の中体を張って対応。ただ、センターバックとしてサイドに出ていくなら確実に止めたいところ。チームがパワープレーに出たときキックがキーパーに直接キャッチされてしまったのは残念だった。

田村 直也 5.0 守備面では確実なカバーで貢献。藤本選手のポジションを下げたのは田村選手の指示なのかな(チーム戦術っぽくなかった)。ビルドアップのパスミスが多かったのは課題。

奈良輪 雄太 5.5 攻守に貢献し、終盤には得点のチャンスも。数的不利の中攻められ続けて大変だったと思うけど、少し簡単に裏を取られ過ぎたきらいがある。あと、ファーストタッチが悪すぎるのは何としても改善してほしい。

内田 達也 6.0 前に出るのか下がるのかはっきりしないことがあるけど、全体的にはよくスペースを埋めていた。後半の左サイドへのロングパスは見事だった。

佐藤 優平 5.5 前半右サイドに引っ張られ過ぎていてどうなるかと思っていたけど、後半に入り徐々にボールに絡みだした。ヴェルディのあのポジションにはシュートも期待したい。個人的にはあのフリーキックはゴールしづらいと思う。もう少し回転数を落とした方がいい結果が出る気がする。

梶川 諒太 7.5 攻撃はかならず梶川選手を経由していく。動きながらの攻撃なのでなかなか相手も止めきれないだろう。技術があるのでもうワンテンポ早くシュートできれば簡単にゴールできそうな気がする。

泉澤 仁 6.5 よく裏を狙って走っていた。ボールが出てこなかったが、続ければ必ず得点に繋がるはず。ヴェルディは1トップなので、自分が生きるだけでなく1トップと絡む動きも増やしてほしい。

ドウグラス ヴィエイラ 6.0 前半は孤立し過ぎていてボールも収まらなかったが、徐々に力を発揮し始める。うまくスペースを作っているから、空いたスペースを使える選手を同時に起用してあげたい。

藤本 寛也 5.5 役割がよくわからなかった。あれだけドリブルが効果的だったのだから、もっとチームのために自分のドリブルができる環境を試合の中で作っていっていいと思う。

アラン ピニェイロ 6.5 ポジションは右ハーフだったと思うが、攻撃時素早く攻め上がり前線でドウグラス選手と連携してチャンスを演出。

李 栄直 5.0 パワープレー要員だったと思うが機能しなかった。時間も短かったからしょうがない。

ミゲル アンヘル ロティーナ監督 7.0 大混乱だった前半から見事にチームを立て直した。ただ、攻撃に関してはアイデアが少なかったと思う。ドウグラス選手が動いてできたスペースをどう使うか、ここにもっと重点を置いた方がよかったような気がする。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシア大会 日本代表対ベルギー代表 ロストフアリーナ

ワールドカップもいよいよ決勝トーナメント(ノックアウトステージというらしい)
史上初のベスト8を目指して戦った日本代表は世界ランク3位の強豪ベルギー相手に2点先行するも、その後3点取られてまさかの逆転負け。日本代表のワールドカップはベスト16で幕を閉じました。

 

試合は開始早々日本代表香川真司選手が相手のクリアボールを拾って見事なコントロールからシュート!惜しくも右に外れますが、ベルギー代表は守備意識の低い中盤がスカスカでクリアボール拾われることをビビったのか、フォワードがしっかり下がり541で守るようになります。

さすがに最終ラインに5枚も並ばれると、日本代表も今までのように逆サイドへのロングパスでチャンスを作ろうにもスペースがありません。しかし、ベルギー代表も皆が守備に戻る分ルカク選手がトップで孤立してしまい攻撃力が半減。アザール選手のドリブルは怖いもののその後ろはあまりついて来ず、2人がかりでドリブルさえ封じてしまえば何とかなる。試合開始早々のベルギー代表の弱点を突いた日本代表のシュートがベルギー代表にいつもと違う守備意識を植え付けたようで、プレイスキックは怖いものの両チーム得点を挙げることなく試合が進んでいく。

前半残り10分となり、ベルギー代表は徐々にエンジンがかかってきたのか、フォワードがあまり下がらず攻め残りをするように。しかしなぜかベルギー代表が外から丁寧に攻めてくれるので対応できる日本代表。ベルギー代表が3バック+2ボランチの5人でビルドアップするのに対し日本代表は前線4枚(+時々柴崎岳選手)のプレッシャーと数的不利なおかつ中盤スカスカ守備なのに、中央をボールが通らなかったので助かりました。前半終了。後半へ続く。

ベルギー代表のフォワードが守備に下がらないので、その穴をつきたい日本代表。ベルギー代表の両ワイドが攻撃参加し、なおかつベルギー代表右ワイドのムニエ選手がボールを奪われて取り返しに行かずあっさり入れ替わってくれたので、日本代表がベルギー代表ディフェンス3枚に対しカウンターを発動します。

後半3分、乾貴士選手の奪ったボールは柴崎選手へ。得意の逆サイドスルーパスがこの試合不発の柴崎選手でしたが、相手が3枚しかいなければ疲れていても話は別。同サイド駆け上がった原口元気選手に絶妙のタイミングでスルーパス。一瞬間を空けて放った原口選手のシュートがゴールに突き刺さる。日本代表先制です。日本代表1-0ベルギー代表

1分後のベルギー代表のビッグチャンスをバーに助けてもらった日本代表は柴崎選手が長谷部誠選手と縦並びになり、柴崎選手は疲労の見える中でも抜群のセンスを見せつけます。攻守に安定した日本代表はセンターバックが前に出て守備できるようになり、ベルギー代表のカウンター封じ&日本代表のショートカウンターで日本代表が試合のペースを握ります。

そして後半7分、吉田麻也選手が奪ったボールは左サイドフリーの乾選手へ。ドリブルから大迫勇也選手へのセンタリングはクリアされるもののスカスカの中盤でクリアボールを拾ったのは香川選手。抜群のテクニックからボールを受け取ったまだフリーのままの乾選手が無回転シュートをベルギー代表のゴールマウスに叩き込む!日本代表追加点!日本代表2-0ベルギー代表

このまま負けるわけにはいかないベルギー代表は長身のフェライニ選手とシャドリ選手を投入。攻撃時ルカク選手とフェライニ選手が前線に並ぶので日本代表のセンターバックが前に出づらくなり、長谷部選手もフェライニ選手について下がらざるを得なくなってきてしまい、今まで効果的だったカウンター封じが機能しなくなってしまう。中盤が使えるようになったベルギー代表は前7枚がくるくるポジションチェンジを繰り返し、日本代表は後手に回る展開。中盤3枚だけなら日本代表も同じようなサッカーしてましたが、全員でできちゃうところらへんが世界ランキング3位たる所以か。

押し込まれた日本代表。後半24分、コーナーキックからクリアしきれず押し込まれたところ、ベルギー代表左サイドからのヘディングがそのままゴールインし、1点差。ここは川島永嗣選手に止めてほしかったところかな。体の向きというか足の位置がおかしかった。残念。日本代表2-1ベルギー代表

くるくるポジションチェンジから中央を使われ、空いた外を使われ、特に長友佑都選手と昌子源選手の間を使われてさらに押し込まれる日本代表。スタミナも切れてきたのか、ファールでも止めることができずに押し込まれ、ギリギリのところで体を張ってゴールを守る日本代表。しかし、さすがに最後まで守りきれるものではありませんでした。

後半29分、ベルギー代表左コーナーキックのこぼれ球が再び左サイドのアザール選手へ。ドリブルで大迫選手を交わしたアザール選手はまさかの左足で絶妙クロス。長身フェライニ選手が頭で押し込みついに同点。アザール選手に左足で上げられちゃあしょうがない。日本代表2-2ベルギー代表

体力的にも精神的にも追い込まれた日本代表は山口蛍選手と本田圭佑選手を投入。ベルギー代表の中盤プレッシャーが少ないこともあってボールはキープできるようになるものの前に運ぶことはできない日本代表。これではカウンターを食らってしまう。しかし守備のできるサイドハーフは今の日本代表にはいない。なんとかフリーキックでももらえないものだろうか…

そんな願いがかなったのか、大迫選手が遠目ではあるものの正面からのフリーキック獲得。これは南アフリカ大会の時のデンマーク代表戦の本田選手か…と思ったけど、クルトワ選手がセーブ。日本代表コーナーキックから最後のチャンスです。

南アフリカ大会デンマーク代表戦のときは、本田選手が決めて、そのイメージが相手にある中で裏をかいて遠藤保仁が決めたんだよな。しかし今回は、初戦のコロンビア代表戦のコーナーキックのイメージが相手ではなく日本代表に残ってしまったのか。そっくり同じボールを蹴り込んだ本田選手のキックはクルトワ選手が難なくキャッチ。走り出すデブルイネ選手。ついていけない日本代表。山口選手は今までの日本代表がしてきたように前に出ることができない。香川選手が自分のマークを放ってデブルイネ選手に寄ってしまう。右サイドでフリーになったフェルトゲン選手に絶妙なスルーパスが供給。前を走るのはエースルカク選手。なんでルカク選手はコーナーキックのピンチなのに最前線にいて今までカウンターの場面でも降りてくるだけだったのになんで今回だけはちゃんと裏に走り込むのか。振り回された長友選手がボールに寄ってしまい、ルカク選手へのパスコースを閉めることができず。結果論だけど相手はディフェンスの選手なんだしシュートコース空けてでも中へのパスコース切りながら寄せた方がよかったと思う。ラストパスをルカク選手がスルーするとフリーのシャドリ選手がそのまま押し込み、試合終了直前にまさかの逆転ゴール。日本代表2-3ベルギー代表

ここで日本代表は戻りきれなかった選手もすごい勢いで戻ってきた昌子選手もドーハの悲劇よろしく立てなくなってしまう。まだ試合は終わってないよ!しかし、ようやく立ち上がってキックオフと同時に試合終了のホイッスル。ベスト8の壁は厚かった。試合終了。日本代表2-3ベルギー代表

体力面、選手層、個人能力、どれをとっても大きな差のあるベルギー代表相手によく戦った日本代表でしたが残念な敗戦となりました。長友選手と昌子選手の間を狙われているときに左サイドハーフに守備のできる選手を、せめて原口選手を左に回すという方法もあったかもしれませんが、その場合長友選手がセンターバック的なプレーもすることになってしまうので、長身ぞろいのベルギー代表相手には難しい選択。だったら植田直通選手を左サイドバック、長友選手をひとつ前に上げることはできなかったのかな。柴崎選手に代えて同じくパスが出せて疲労の溜まっていない大島遼太選手を使ってスペースを埋めることはできなったのかな。先に2点取っていただけに悔しい敗戦です。

1993年ドーハの悲劇のときはアジア予選でしたが同点に追いつかれて立ち上がる気力を失いました。今大会はワールドカップ本戦の決勝トーナメントでしたが、最後の失点で気力を失いました。日本サッカーの進歩と停滞の両方が同時に現れた場面。本気の戦いから得た貴重な経験が次の成長を促してくれるものだと信じています。

 

川島 永嗣 5.0 失点の質が悪すぎた。いいセーブもあったが試合の流れを大きく変えてしまった。

昌子 源 6.0 世界最強の攻撃陣相手に互角に渡り合った。長友選手との間のスペースをケアできなかったのはルカク選手を気にし過ぎてのことか。

長友 佑都 6.5 豊富な運動量で攻守にチームを牽引。数的不利な場面も多かったが判断よくマークを置いてボールに向かうことができた。最後のカウンターはボールを追いかけすぎてしまったと思う。

酒井 宏樹 6.5 空中戦に強く攻撃でも起点になることができた。日本代表のビルドアップは大迫選手か酒井選手のどちらかを経由しなければなりたたないものだった。攻守で日本代表のポイントだった。

吉田 麻也 6.0 勇気をもって前に出ることでベルギー代表にカウンターを許さなかった。ショートカウンターの起点としても機能。

柴崎 岳 5.5 さすがに疲れがたまっているのか、キックに勢いが欠けていた気がする。どこかで休ませてあげたかった。

原口 元気 5.0 走り出せば頑張るしチャンスは必ずゴール前に入り込むし、だから得点も挙げられるわけで、いいところもたくさんある選手なのは言うまでもないのだけれど、このレベルでは少し厳しいのかもしれない。パス出しが一番近くの味方の足元にしか出ない。攻撃の選手としてあまり効果的な繋ぎができなかった。

香川 真司 6.5 抜群のテクニックでベルギー代表ディフェンス陣を翻弄。開始早々のベルギー代表守備陣の弱点を突いたシュートがなかったらもっとベルギー代表に攻め込まれて全く違う試合展開になっていたと思う。最後のカウンターでボールに寄ってしまったのは気力が尽きたのかもしれない。

乾 貴士 5.5 あのゴールはスーパーだったが、疲れが残っているのか判断の悪さが目立った。守備で最後までついていけないことも多かった。

長谷部 誠 6.0 試合展開に合わせてポジションを上下左右に柔軟に変更。怖いボールロストもあったが、攻守でチームの中心を担った。

大迫 勇也 6.5 よくボールが収まった。途中ベルギー代表のセンターバックとボランチに挟まれるようになり苦戦していたが、ベルギー代表の中盤がスカスカなところをうまくついてボールを次につないでいた。

山口 蛍 4.5 ほとんど何もできなかった。最後のカウンターでは下がるべきという見方もあるかもしれないが、日本代表(西野監督)の今までのやり方からすればもっと早いタイミングで前に出るべきだったと思うし、下がろうと上がろうとあの場面では絶対に入れ替わってはいけなかった。ベルギー代表相手に酷な話かもしれないが、期待されている役割を果たすことはできなかった。

本田 圭佑 5.0 プレッシャーの少ない中でそれなりにボールはキープできるもののあまり前にボールを運べないのでいつボールを奪われてカウンターを受けるかヒヤヒヤ。最後のコーナーキックはコロンビア代表戦の自らの亡霊にやられた感じ。過去にとらわれず前を向いてこの経験を活かしてほしい。

西野 朗 監督 5.5 実力差が明白とはいえ2点差からの逆転負けはいただけない。守備で明らかに機能していない左サイドを放置したのはいかがなものか。乾選手のスーパーゴールの亡霊でも見たのだろうか。サイドハーフとしての交代要員を考えると迷うところだが、例えば長友選手を一つ上げて左サイドバックにセンターバックの選手をいれる手はあったと思う。ただ、短い期間ながらハリルホジッチ監督時代から大きな変化として、中盤からの攻撃を復活させ、3トップ気味だった前線を2トップ気味にして両サイドハーフとトップ下の役割を明確にして、原口選手を右サイドに移動させることで乾選手の起用と長友選手ではなく酒井選手が中に絞れるディフェンスラインを作り上げ、センターバックが前に出ることでカウンター封じに成功させたことは大きな成果だと思う。これだけカウンターをさせなかった日本代表は初めてなのではないか。最後にそのカウンターにやられて負けるというのはこれがサッカーと言うものか。勝負事なので致し方ないが、賭けに負けたということだろう。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシア大会 日本代表対ポーランド代表 ヴォルゴグラードアリーナ

引き分け以上、負けても他会場の結果次第でグループリーグ突破が決まる日本代表。残念ながらこの試合には0-1で敗れてしまいましたが、同時に他会場で行われていた試合でコロンビア代表がセネガル代表に1-0で勝利。日本代表とセネガル代表は、勝ち点、得失点差、総得点、当該チーム同士の対戦成績まですべて同じ数字となりましたが、反則ポイントの差でセネガル代表を上回った日本代表がグループ2位に滑り込み、見事決勝トーナメント進出を決めました。

 

緊張のせいか、はたまた先発6名を入れ替えたせいか、ミス連発で試合にならない立ち上がりの日本代表。ボールを奪われ、縦パスを許し、追い込まれてロングボールしか活路を見いだせなくなってきます。とりあえずカウンターだけは許すな。反則ポイントの関係でイエローカードも怖い。

一方のポーランド代表はこれまでの2戦と変わらぬショートパス攻撃。しかもパズダン選手もいないし、リブス選手もいないし、攻撃の核となりそうな選手をベンチに置いてしまい、コンディションの問題かもしれませんがもしかしたらこれはもう出場機会のための試合なのかもしれません。ジェリンスキ選手をトップにおいてもそこにボールを回す選手が不足しているので、日本代表はちょっとチャンスかもしれません。

それにしてもカメラアングルが悪く試合が見づらいことこの上ない。前線の動き出しやディフェンスラインのバランスが全く見えないしすぐに選手のアップ画像に切り替わってしまうので試合の様子がわかりづらい。コロンビア代表戦もそうでしたが、本当にこの辺り、何とかしたほうがいいと思います。

そういうわけでここから先の戦評には想像の要素がいつもより多くなりがちですが、たぶん間違っていないと思うのでよろしくお願いします。

ポーランド代表はショートパス作戦の他、フォワードがサイドに開きサイドバックとの1対1の局面を作り出して、そこから起点を作ろうとしたように思います。サイドバックの頭めがけてボールが飛んでくるので、日本代表のセンターバックはあまり競ることすらできませんでした。センターバックと争うよりサイドバックの方が弱いことが多く、万が一競り合いに負けてもサイドでボールを失うのでカウンターにはつながりづらい。当たり前のことが徹底できている辺りはさすが世界の強豪だなと思います。

日本代表はいつものように中盤からの展開でスルーパスなどを狙っていきたいところでしたが、せっかく相手がショートパス作戦できているのにこちらの守備のバランスが悪くてインターセプトにつながらず。ビルドアップでは雑なプレーが目立ち、ボールを蹴りやすい体勢を作ることができません。前線にボールが収まらないこともあり、引き分けでもいいという状況も後押ししたのか、ポーランド代表の前線のプレスがほとんどないにもかかわらず攻撃の形を作ることができず、前半は互いにスコアレスで試合を折り返します。

後半に入り、怪我の岡崎慎司選手に代わり大迫勇也選手がピッチに。ちょっと得点も狙っておきたい日本代表はサイドバックも少し上がり気味になるのですが、後ろの方で少し困った状況に陥ります。

後半8分、宇佐美貴史選手のシュートは仕掛けが遅くポーランド代表DFがブロック。ボールを拾ったポーランド代表は楔のパスを入れる。対応に行く槙野智章選手でしたが、あっさり裏を取られ、ポーランド代表のカウンター発動。幸いゴールキーパー川島永嗣選手が前に出て難を逃れるのですが、今シーズンアジアチャンピオンズリーグ含め、裏を取られてスピードで負けることの多かった槙野選手にとってありがたくない展開。以後槙野選手のプレーに迷いが生じ、サイドバックが高い位置を取り始めたこともあって、日本代表のボランチとセンターバックの間にスペースが生まれ始めます。

後半14分、ポーランド代表はショートパスの展開で左サイドへ。山口蛍選手がマークを外して下がってしまい、慌ててプレッシャーをかけるもファールの判定。まだフリーキックからしか今大会で得点していないポーランド代表でしたが、ここもフリーキックからベドナレク選手が右足で合わせてゴール。ポーランド代表が先制します。日本代表0-1ポーランド代表

得点の欲しい日本代表は宇佐美選手に代えて乾貴士選手を投入。しかしここでプレーに迷いがある槙野選手がイエローカードを貰ってしまう。どうしても下がってしまいマークを外しクリアもままならない槙野選手。2枚目のイエローカードが出たら反則ポイントでもセネガル代表に抜かれてしまう。しかし、攻めなければグループリーグ突破できない。しかし、攻めれば食らうであろうカウンターを防ぎきれそうにない。八方ふさがりの日本代表。ここで他会場に動きがあります。

なんと、コロンビア代表が先制したのです。日本代表は、得点をあげなくてもグループリーグ突破の目が出てきたのです。もうこれにかけるしかない。0-1で負けることが今できる最善の手なのです。

そこで日本代表は武藤嘉紀選手に代えて長谷部誠選手を投入。とにかく失点を防ぎ、カウンターを防ぎ、イエローカードを防ぎ、グループリーグ突破を目指します。一方のポーランド代表は、この試合が始まる前からグループリーグ敗退が決まってしまっており、リードしているので無理に攻める必要はありません。日本代表が前線から追わなくなったこともあり、ポーランド代表は日本代表以上にのんびりとしたパス回しを始めます。

もともと前線からのプレスが乏しいポーランド代表がさらにのんびりに。プレッシャーから解放された日本代表のキープするボールは回り続け、そのまま試合終了。遅れて他会場ではコロンビア代表がセネガル代表に1-0で勝利し、日本代表のグループリーグ突破が決定しました。

コロンビア代表対セネガル代表の試合は、2戦目を見た感じではコロンビア代表の勝機は大きいと思っていましたが、実際にはセネガル代表ペースで進んでいたため、交代の隙間を突いたコロンビア代表の得点をそのままセネガル代表が返せずに試合が終わるとは想像しづらい展開でした。日本代表が他会場の試合展開まで確認したうえでの0-1敗戦を選択したのかどうかは疑問の残るところですが、日本代表の状況からはその選択肢しかなかったように思います。

大きな博打でしたが、おかげで選手を休ませ、また経験を積ませることができました。決勝トーナメントでも日本代表の健闘を期待するところです。

 

川島 永嗣 7.0 ミスの少ない安定したプレイ。守備機会はそれほど多くなかったが、ピンチにはビッグセーブでチームを救う。

長友 佑都 6.5 素早い攻守の切り替えからピンチを未然に防いだ。失点したくない試合でも効果的なオーバーラップで攻撃にも貢献。槙野選手との息があまりあっていなかったように思う。

酒井 宏樹 7.0 ロングボールがたびたび飛んできたが、空中戦でも負けなかった。体を張って最後までゴールを守った。

槙野 智章 5.0 相手を振り向かせないところまではよかったが、インターセプトまでは到達できず、裏を取られだすとマークを外して引いてしまいピンチを招いてしまった。クリアボールがほとんど相手につながってしまう。ビルドアップでファーストタッチが良くなく、効果的なフィードができなかった。

酒井 高徳 3.5 リブス選手対策で起用されたのかもしれないが、肝心の相手がベンチ。役割が中途半端になったのか、ほとんどのプレーでミスし、攻守の切り替えも遅く、失点シーンでもマークを外し、酒井高徳選手の特徴である運動量や縦への意識などいいところをほとんど見せることができなかった。守備もできるサイドハーフとしての起用は少し難しそう。

吉田 麻也 7.0 判断良くプレーできた。意外とスピードがあるので思い切ったプレーができる。ファールもいつもより少なめだった。セットプレーでは攻撃でも抜群の制空権を見せた。

柴崎 岳 6.5 いつもよりミスが多かったが、すぐに切り替えて対処しカウンターを許さなかった。勘がいいのか守備での予測も驚異的。

宇佐美 貴史 5.0 ボールタッチは非凡なものを見せるものの、判断が遅く仕掛けに時間がかかり効果的なプレーができなかった。判断の悪さは守備面でも。もっと相手に寄せられるといいと思う。

山口 蛍 4.5 守備の時視野があまり広くないので後ろの状況が把握できず縦パスを通してしまう。うっかりボールに寄ってしまい裏を取られる悪癖も露呈。空中戦ではほとんど勝てなかった。なんでプレイスキックでグリク選手につけさせたのだろう。他にいなかったのかな。挙句の果てにファールで失点にも絡んでしまう。ビルドアップでは雑なプレーで味方を慌てさせる一幕も。

岡崎 慎司 5.5 あまりボールが収まらなかったが、チャンスでゴール前にいる嗅覚はさすが。さぼる時間も長いが頑張る時間は本当によく頑張って走り回る。

武藤 嘉紀 4.5 ボールが全く収まらない。判断が悪くチャンスをふいにしてしまう。乾選手が入って守備が安定したが、せっかく思い通りにボールを追い込んでも武藤選手がさぼっていることでチャンスがピンチになってしまった。

大迫 勇也 6.5 本当にボールがよく収まる。攻守の切り替えも早いのでディフェンスも助かる。いつもと違うメンバー構成でも抜きんでた才能と意識の高さを見せつける。

乾 貴士 6.0 技術にも戦術眼にも優れた才能を発揮。今日はボールがなかなか出てこないのでやりにくかったと思う。中に入ってボールを取られると危険なので、中と外でプレーを少し変える工夫が欲しかった。

長谷部 誠 6.0 ポーランド代表がまだプレッシャーをかけてきていた時は危なっかしいプレーが見受けられたが、統率力でチームをまとめ試合を閉めた。センターバックのできるボランチは日本代表では貴重な存在。

西野 朗 監督 7.0 先発メンバーの選考については議論を呼ぶところであろうが、結果的には一つしか見えなかった選択肢にもかかわらず、その可能性を大きくできたと思う。ただ一つ、大島僚太選手はどうだったのだろうか。起用できない特別な理由があったのだろうか。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシア大会 日本代表対セネガル代表 エカテリンブルクアリーナ

運にも恵まれコロンビア代表との初戦を勝利で飾った日本代表。2戦目のセネガル代表戦は2度リードを許す苦しい展開も2度とも追いつくという底力を見せ、2-2の引き分けでグループリーグ突破に一歩近づきました。2戦目のアフリカ勢相手に0-2敗戦のアトランタからの成長です!

 

それにしても、テレビ中継の仕方というか、選手がアップされる場面が多すぎて試合が見づらい。普段からディフェンスラインのビルドアップ時に前線の状況がわからなくてストレスだけど、今日は特にひどい。よくわからないうちにボールがゴール前に移動している。もうちょっと俯瞰して試合を映してはくれないものだろうか。日本のサッカー文化の醸成のためにひとつお願いしたいものです。

さて、試合はセネガル代表の選手たちが昌子源選手に襲い掛かる形で始まります。いやー、こんなに露骨なことされるとは。勝負の世界とは恐ろしいものです。

もともと体格差もあってボールが入ったら何されるかわからない相手。日本代表はボールをディフェンスラインまで運ばれないようにラインを高く設定して前線からプレッシャーをかけていきます。しかし、セネガル代表もアンカーのA.エンディアイエ選手が最終ラインまで落ちてボールを展開。圧をかけきれない日本代表はボールの出どころもボールの行き先も十分に抑えることができず、次第に劣勢となります。さらに押し込まれて中盤が最終ラインまで下がってしまい、セネガル代表の連続攻撃を許す形に。

すると前半11分、セネガル代表の右サイドからのセンタリングに原口元気選手がクリアミス。セネガル代表左サイドバックのサバリ選手にボールが渡るとクロス性のシュート。ゴールキーパー川島永嗣選手が弾いたボールはゴール前に詰めていたマネ選手に当たってゴール。日本代表不運な形で先制を許します。日本代表0-1セネガル代表

その後も暫く3枚で攻めてくるセネガル代表に対し、7~8枚で守る日本代表。クリアしてもその先に味方がいないので、ボールはセネガル代表に拾われてまた攻められる。辛く耐え忍ぶ時間が続きます。

すると、どうやらたくさん経験値を積んだ昌子選手のレベルが試合中に上がったようで、セネガル代表のニアン選手を抑えだします。安心した日本代表は中盤が下がり過ぎず厚みのある守備体制を構築。セネガル代表も疲れてきたのか前線へのプレスが減りだします。ようやく試合になってきました。

ここから日本代表は攻めに入りたいところでしたが、ワールドカップともなるとサッカー弱小国と目されるであろう日本代表でも容赦なくスカウティングされるようで、日本代表のダブルボランチ+トップ下に対し、セネガル代表はアンカーシステムの逆三角形でマンツーマンディフェンス。日本代表の誇る中盤は抜群のパスセンスを誇る柴崎岳選手、技術と経験を兼ね備えた香川真司選手、コロンビア代表戦よりも格段に前への意識が感じられた長谷部誠選手ですが、さすがにフィジカルに優れた相手にマンツーマンで付かれると辛いものがあります。そこで日本代表は、主に長谷部選手が最終ラインまで下がってプレッシャーの少ないところからパスを出す作戦に移行します。

セネガル代表はポーランド代表戦でも442ゾーンを見せていたようにおそらく普段はブロックを敷いてゾーンディフェンスを基本とするのでしょう。中盤はマンツーマンで日本代表をケアしているものの、ディフェンスラインは4枚のゾーンディフェンス。日本代表の中盤がポジションの形を変更するとどうしてもセネガル代表のアンカー脇にスペースが出来上がる。その空いたスペースを乾貴士選手や大迫勇也選手が使い、彼らが動いてできた新しい空きスペースを今度は原口選手や長友佑都選手が活用。セネガル代表は日本代表の中盤をマンツーマンでつぶすと同時に日本代表のキープレイヤーの一人である乾選手をワゲ選手とB.エンディアイエ選手で挟んでつぶし、大迫選手をクリバリ選手とサネ選手でつぶす作戦だったと思うのですが、セネガル代表の守備の弱点を巧妙についた戦術と、日本代表の連動したポジションチェンジについていくことができず、試合は徐々に日本代表が盛り返し始めます。

そして前半34分、前を向いた柴崎選手から大きく左サイドの裏へフィード。乾選手が(おそらく)空けたスペースに長友選手が走り込む。見事なボールコントロールからボールは乾選手へ。得意の角度から放ったシュートはゴール右隅に収まって同点!日本代表1-1セネガル代表

その後は攻撃面だけでなく、守備面においても柴崎選手が右サイドに流れたことは好影響を及ぼしていて、セネガル代表のストロングポイントであるマネ選手とサバリ選手の二人を酒井宏樹選手と原口選手と柴崎選手の三人で対応することができ、セネガル代表にカウンターを許さず、オフサイドのルール改正で何年も見ていなかったフリーキックからのオフサイドトラップも飛び出し、同点のまま前半を終了します。

後半に入り中盤での無理な構成にこだわることをやめた日本代表。長谷部選手はアンカーに下がり、柴崎選手は右サイドでサバリ選手対策アンドカウンター対処、香川選手は左サイドに低いポジション。セネガル代表の最終ラインはマークの受け渡しがいまいちで裏が空きやすいので、前を向けるようになった日本代表の誇る中盤からはシンプルに大きな展開で決定的なパスが多く供給されるようになります。

そこでセネガル代表は中盤をダブルボランチに変更。日本代表の中盤の形に合わせマークの明確化を図り日本代表のパスの供給を滞らせ、フィジカルに勝るセネガル代表が次第にペースを掴んでいく、はずでした。

しかしここで、ありえないことが起こります。なんと、香川選手が下がることで孤立している大迫選手が屈強なセネガル代表センターバック相手に競り勝つのです。これは予想外でした。こんなことってあるんですね。

おかげで攻められる回数が減り、中盤の頑張りもあってカウンターを受けることは少なく、シュートチャンスまで得ることができた日本代表。早いとこ勝ち越し点が欲しかったところですが、残念ながら得点には至らず。すると中盤のエネルギーが切れてきたこともあって、試合の流れ的にセネガル代表の順番になってしまいます。

後半26分、抑え続けていた日本代表の右サイドが突破されてしまい、低いセンタリング。ボールはゴール前を横切って走り込んだセネガル代表ワゲ選手がシュート。懸命に戻る乾選手も届かず、セネガル代表に勝ち越しを許してしまいます。日本代表1-2セネガル代表

日本代表のペースの時に得点があげられなかったこと、直前に乾選手が自らのミスとはいえイエローカードを受けてしまったこと、柴崎選手が突破されてしまったこと、センタリングをあげさせてしまったこと、ゴール前でクリアできなかったこと、フリーでシュートを打たせてしまったこと、どれか一つでも防げていたら、というところですが、これがサッカーと言うべきか。

リードを許した日本代表は、香川選手に代えて本田圭佑選手、原口選手に代えて岡崎慎司選手を投入。システムを442に変更して得点を狙います。

本田選手はすぐに後ろにボールを返すし攻守の切り替えも遅く、岡崎選手はボールが収まりきらず、セネガル代表のカウンターを発動させかねないなあと思っていたのですが、2トップになったことで前線へのボールの供給もしやすくなった様子。さすがに岡崎選手は普段プレミアリーグでやっているだけあって肉弾戦には慣れているようでした。

後半33分、時間的にもスカスカになってきた中盤をすんなりすり抜けた昌子選手の縦パスは岡崎選手に入って大迫選手に。センタリングに岡崎選手が飛び込むと、なぜかセネガル代表のゴールキーパーがボールに触れずに岡崎選手に激突。流れたボールを乾選手が折り返すとセネガル代表のゴールキーパーはもう一回岡崎選手に激突。岡崎選手はキーパーに何か面白いことでも言ったのかなあ。そのまま転がっていくボールをゴール前フリーで待ち構えていた本田選手がシュート。日本代表再び同点に追いつきます。日本代表2-2セネガル代表

その後はミスが増えた日本代表でしたが、柴崎選手の読みの良さでカウンターを封じ、大迫選手がゴール前で体を張ってシュートを防ぎ、同点のまま試合終了。日本代表2-2セネガル代表

決定機の多さから勝てた試合ともいえるし、全体的には押されていたともいえる試合。押し込まれたときにディフェンスラインが1列になってしまうのは守り切るのにはいいかもしれないけど連続攻撃を許してしまうので、少なくともペナルティアークの辺りくらいはちゃんと抑えておいた方がいいと思います。

あと感じたのは、守備のできるサイドハーフが今の日本代表には意外と見当たらないなあということ。もちろん主には攻撃が役割になるのではありますが。原口選手も頑張れるいい選手なのですが、守備ができるとなると少し違うかなと。柴崎選手をサイドに、というのも一つかと思いますが、それもまた守備というのとは少し違うような。昔はサイドでしか生きられないワイドアタッカー的な選手がいたものですが、ポリバレントが進み過ぎたのかどうも絶滅危惧種となってしまったのかもしれません。中島翔哉選手に気を取られていましたが、もう少し選択肢を広げるやり方もあったのではないかと思いました。

 

川島 永嗣 6.0 1失点目は結果的に良くない判断ではあったものの、目の前にマネ選手がいたことを考えるとまあしょうがないところもある。その後しっかり立て直して勝ち点獲得に貢献。

昌子 源 6.0 パスが回ってくるとセネガル代表選手が一斉に群がる恐ろしい環境。ちょっと心配だったけど取られても取り返す強さがあった。思ったより制空権も取れていて、勝ち点に大きく貢献した。

長友 佑都 6.5 やたら足の速い選手を相手にしていたが、堅実に対応していた。運動量豊富で攻撃でも大きく貢献。

酒井 宏樹 6.5 速くてうまい選手を二人も相手にして大変そうだったが負けていなかった。空中戦でも期待できるので困ったときは助かる。

吉田 麻也 6.5 相変わらずファールは多いが、迫力満点。怖がらずにディフェンスラインを高く保てたのはよかった。

柴崎 岳 7.5 魅力的なパスでチャンスを演出。守備面でもポイントへのパスコースを遮断することで幾度となくカウンターを未然に防いだ。セネガル代表のプレイスキックでトリックプレーを読み切っていたので、ちょっと未来が見えるタイプなんだと思う。

原口 元気 5.5 豊富な運動量で右サイドを駆け巡るが、判断があまりよくなく球離れが遅かったり守備をやりきれなかったりするところがある。本田選手との相性があまりよくなさそう。

香川 真司 6.5 持ち味であるシンプルなプレーでリズムを作る。マンツーマンでついてきたA.エンディアイエ選手を交代に追いやった。味方のためにスペースを作る動きも欠かさずチームプレーを徹底。

乾 貴士 6.5 得点が期待される存在だが、守備面でも絶妙なポジショニングでパスを出させない守り方ができる。やや疲労があるのかミスが多かった。次が心配。

長谷部 誠 7.0 ボランチとして、最終ラインとして、チームを引き締めた。この試合のように前方にボールを運べる時と後ろにしか蹴らない時の差が激しい。意識を高めてチャンスにも多く絡んでほしい。

大迫 勇也 7.5 前線で孤立気味だったのに普通にボールが収まる。彼がいなかったら勝ち点はあり得なかった。変態。

本田 圭佑 5.5 得点できるポジショニングはさすが。ボールロストがあるのはしょうがないけど、攻守の切り替えをもっと早くした方がいいと思う。

岡崎 慎司 6.5 今日はいつもよりボールがよく収まった。新喜劇かなと思わせるようなドタバタ同点劇を生み出した主役。相手に強く当たられた方が得意なのかもしれない。

宇佐美 貴史 5.0 戻らない、カバーしない、遅い、ボールを奪われる、とあまりいいところがなかった。いざボールタッチすると非凡なものを感じさせるだけにもったいない。

西野 朗 監督 7.5 システム変更は博打だったと思うけど、見事に勝ち切った印象。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシア大会 日本代表対コロンビア代表 サランスク モルドヴィアアリーナ

1930年にワールドカップが始まって88年が経過する2018FIFAワールドカップロシア大会。2-1でグループリーグ初戦を勝利を飾った日本代表は、史上初めてのアジア勢として南米の代表チームに勝利するという歴史的偉業を達成することになりました。

 

試合は開始早々動きます。前半3分、裏をしっかりカバーしながらセンタリングに対応した昌子源選手のヘディングは香川真司選手へ。ダイレクトで裏に流すと大迫勇也選手が競り勝ってシュートチャンス。抜け出して打ったシュートは残念ながらキーパーにセーブされるもパスアンドゴーで走り込んでいた香川選手がいち早く追いつきそのままダイレクトシュート。キーパー不在のゴールマウスに向かうボールをコロンビア代表のカルロスサンチェス選手が腕でセーブ。反則を認めた審判は、ペナルティキックとレッドカードの提示。コロンビア代表から見直しの訴えがあるも判定変わらず、前半6分、香川選手がペナルティキックを冷静に沈め、日本代表先制!さらに一人多い状態で残り84分を戦えることになりました。日本代表1-0コロンビア代表

一人減ってしまったコロンビア代表はキンテロ選手がボランチに下がって441に修正。対する日本は、ハリルホジッチ監督時代の3トップ気味433ではなく、香川選手が前線大迫選手に近く位置する4411に近いシステムで対応。そして今までと大きく違うのは、ボランチに柴崎岳選手がいること。
これにより、パスセンスに優れる柴崎選手から前線にボールが渡る。大迫選手は近くにいる香川選手と連動してゴールに向かうことができる。両サイドハーフが今までより引き気味になるものの、その分空いたスペースを幅広く大迫選手が基点作りに活用。香川選手が前線にいることも大迫選手がサイドに流れやすくなった理由の一つだと思います。西野朗監督になってからの練習試合含め、今までできていなかったことがかなり修正されてきたようです。
その分今まで3人で守っていた中央を2人で守らなければならなくなる時が出てくるのですが、少しポジションが下がった両サイドからカバーできるのと、グループリーグ3戦の相手チームはそれぞれあまり中央をゴリゴリ来るタイプではないのと、守備の時は大迫選手まで戻って全員で守る徹底ぶりでそれほど問題にならず。今まで先発起用だった槙野智章選手は最近裏を取られ過ぎて逆に前に出ることもできなくなっていましたが、昌子選手と吉田麻也選手は前にも出られるタイプで両サイドハーフが今までより低い分両サイドバックも中央のカバーがしやすく、穴になりかねない中央を逆にボールの取りどころにするほどの充実ぶり。後怖いのはビルドアップにおけるボールロストからショートカウンターというところかな。

と思ったら、ボールロストではないけど、長友佑都選手のクリアがミスで自陣ゴール方向へ。長谷部誠選手が落下地点に入るも、コロンビアの選手に押されて転倒。するとなぜか日本のファール。ちょっと厳しい判定。

コロンビア代表の直接フリーキックはキンテロ選手。ゴールキーパーの川島永嗣選手は壁の選手に「飛ぶなよ、飛ぶなよ、絶対飛ぶなよ」と指示していたみたいなので、素直にジャンプする壁の選手たち。するとボールは壁の下を抜けていく。何とか川島選手の手がゴールライン上でボールに届くも掻き出すまでには至らず、コロンビア代表が同点に追いつく。その前のフリーキックにおいて日本代表の守備のマークが曖昧だったのも川島選手の反応に影響していたかもしれない。日本代表1-1コロンビア代表

もともと格上相手、相手は一人少ないわけだし、同点に追いつかれても慌てることはない。慌てることはないんだけど、慌ててしまう日本代表。ボールの動きが悪くなり、ただただ焦りだす。しかし、直前のスイス戦では縦パスの意識が見られた長谷部選手がいつものように後ろにしか蹴れなくなり、中盤がボールを捌けないので香川選手が下がってきてしまい、中盤は大混雑、前線は連動せず。攻撃の悪いリズムは守備にも響き、原口元気選手は悪い癖でボールによってしまい、外れたマークに裏を突かれてどうなるかと思ったら、なぜか今度はアディショナルタイムがわずか1分で水が入る。助かった。

ハーフタイムで修正した日本代表。人数不足もあって前からのプレッシャーがあまりないコロンビア代表に対し、プレッシャーの少ない最終ラインからのビルドアップを図る。コロンビア代表が柴崎選手をケアするのを逆手にとってマークをずらしていく日本代表。コロンビア代表が中途半端に柴崎選手を気にし過ぎていたのは日本代表を楽にしたように思います。

ディフェンスラインから中盤のビルドアップが安定してきた日本代表は香川選手が高い位置にいられるので大迫選手からの落としがスムーズに繋がる。押し込む日本代表。しかし得点には至らず。増えだすコーナー。しかし、柴崎選手のプレイスキックは正確過ぎて大体同じ位置に飛ぶのでキーパーに読まれだす。相変わらずコロンビア代表のコーナーキックでマークがつききれてないディフェンス。どちらに得点が入ってもおかしくない展開で日本ベンチが動く。後半25分、トップ下の香川選手に代えて本田圭佑選手を投入。これが副産物を生み出す。

後半29分、怒涛の攻撃から得たコーナーキックを蹴るのは柴崎選手ではなく本田選手。この試合で本田選手が初めて蹴ったコーナーキックにコロンビア代表ゴールキーパーが予測を外す。キーパーの守備範囲のはるか手前で落ちたボールに対し大迫選手がディフェンダーにうまく体を当てて競り勝ち、放たれたヘディングシュートはポジショニングを修正できないキーパーを交わしてポストを弾きゴールに吸い込まれる。日本勝ち越し!日本代表2-1コロンビア代表

その後本田選手や長谷部選手の中途半端なプレーからピンチの連続も大迫選手や原口選手が体を張ってブロック。今大会の特徴としてフォワードの選手がゴール前で体を張って守ると勝つ傾向があります。いい感じです。

本田選手も香川選手のようにトップに張ればよかったと思うのですが、引いたりなぜか右サイドに張り出したりして、原口選手が渋滞起こしてバランスの悪い攻撃になる。攻撃でリズムが作れないと守備が悪くなる原口選手。ボールロストしても切り替えの遅い本田選手。この辺りは修正が必要なようです。

交代で入った本田選手や山口蛍選手、前への意識が低い長谷部選手がリズムに乗れないけれど、柴崎選手や乾貴士選手の守備のうまさが際立って互角に持ち込める展開。岡崎慎司選手もあまりボールが収まらずボールが回って来ずでフォワードとしてはいまいちな感じだったけど、前線でプレッシャーに走り回り持ち味をある程度発揮。

やるべきことをやる選手が多かった日本代表はそのまま歴史的な勝利を獲得しました。日本代表2-1コロンビア代表

ハリルホジッチ監督時代のサッカーを継承しつつ、わずか3試合の調整の中で見事に修正してきた日本代表。攻撃は大迫選手頼みだったのがトップ下香川選手を高めに位置することで連動性を担保。攻守に忙しかった両サイドハーフ(フォワード)はより守備からスタートできるポジショニング。中盤の構成をある程度諦めて守備第一、そしてロングキックできる選手を配置していたインサイドに効果的なパスを得意とする柴崎選手を置くことで攻撃のリズムを作り、守備、特に相手のショートカウンターの回数を減らす。中盤の守備はデュエルというよりパスコースのカットをメインに。サイドハーフの位置が下がったことでセンターバックのフォローに回れるサイドバック。見事としか言いようがありません。

今後、チームの選手層を厚くすることを考えるのか、グループリーグの3試合だけを考えてチーム編成していくのかは議論の分かれるところかと思いますが、長谷部選手に前への意識が戻れば他国にとってかなりの脅威となれる日本代表だと思います。状況限定であれば発揮できる能力を存分に持つ選手もいるので、足りない部分を補い、有利な展開に持ち込むことで勝利を目指して戦っていってほしいところです。

 

川島 永嗣 6.5 前方向の守備に不安はあるがビッグセーブを連発。壁の構成含め、プレイスキックに対する守りでマークやポジショニングがずれていることがあり、ここは川島選手のコーチングに期待したい。

昌子 源 7.5 相手の攻撃をシャットアウト。カバー、ラインコントロール、空中戦、ビルドアップと余すことなく能力を証明した。

長友 佑都 7.5 あのクリアミスは痛かったが、あの身長で驚異的な空中戦を見せた。対戦経験があり慣れていたのかクアドラード選手を完封して早期の交代に持ち込めたのもよかった。

酒井 宏樹 7.0 原口選手が不安定な中攻守に貢献。空中戦でも抜群の強さを見せた。攻撃時にゴールに向かう斜めのグラウンダーパスが多かったのは作戦かな。

吉田 麻也 7.0 ややファールが多かったが、積極的な守備は大きな脅威となった。ビルドアップも正確でセットプレーも抜群の空中戦を見せつけ攻撃面でも貢献。

柴崎 岳 7.5 絶妙なポジショニングからの絶妙なパス供給。守備面でも相手のカウンターを許さない見事なポジショニングとインターセプトを見せた。途中で交代してしまったのが残念。

原口 元気 6.5 驚異の運動量。守備の時今までよりも相手に一歩近づけるようになったようで、ファーストディフェンダーとしてもチームに貢献。ややボールを追ってしまいマークを外す癖を修正してほしい。本田選手に遠慮しなくてよい。

香川 真司 6.5 高い位置にいたおかげで大迫選手と連動して多くのチャンスを創出。役割が明確化されたのでシンプルな普段のプレーを見せてくれた。守備面でもパスコースを限定してコロンビア代表を苦しめた。パラグアイ戦で右サイドに入ったら消えてしまったけど、右ハーフでも機能するのであれば日本代表にとって大きな武器になると思う。

乾 貴士 6.0 ややミスが目立ったが、得意のドリブルでコロンビア代表ディフェンスラインを切り裂く。得点が欲しかった。守備での貢献も目立つ。守備で勝つにもデュエルにこだわる必要はないのだ。

長谷部 誠 5.5 パスが前に出ないのでどうしても狙われてしまう。今日はコロンビア代表が一人少なかったのでよかったが、相手フォワードが2人のとき対応できるのか心配だ。守備面ではインターセプトでカウンターをうまく封じていた。

大迫 勇也 6.5 確実なテクニックでフォワードとしての役割を果たす。選手間の距離感がいいので今までよりもやりやすくなったのではないか。日本代表に欠かせない存在。

本田 圭佑 5.0 ポジショニングが中途半端でミスやボールロストが多く、攻守の切り替えも遅いので中盤ではリスクが高すぎて見ていて怖い。体の強さが特徴の一つなのだから、香川選手のように前線で大迫選手の近くにポジショニングし、得点にこだわった方がチームに貢献できると思う。

山口 蛍 5.0 いつものプレーなのでしょうがないのだが、ボールを持った時出しどころを見つけるのに難儀するように見受けられる。技術や判断力は急には上がらないので、ボールを持ったら前線に出すことだけは決め込んでしまって、後はどこに蹴るかだけを悩むようにした方がこれから成長できると思う。蹴るところさえ決まればキックはかなり正確。

岡崎 慎司 5.5 ボールがあまり回って来ず不運な面もあったがどうにもボールが収まらなかった。とにかく追っかけてくれるので、いつかチャンスをつかめると思う。

西野 朗 監督 8.0 悪い部分を修正し、良い部分を増やし、相手に合った戦術を選択した。運にも恵まれ、ラッキーボーイ的な存在は監督自身なのかもしれない。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

2017明治安田生命J2リーグ第42節 東京ヴェルディ対徳島ヴォルティス 味の素スタジアム

※閲覧注意!福岡の人は絶対に見ないでね!

長かったJ2リーグもいよいよ最終戦。6位までが出場できるプレーオフ圏内ぎりぎりの6位東京ヴェルディがホームに迎えるは5位徳島ヴォルティス。得失点差の関係で引き分けてもプレーオフ出場がほぼ間違いない徳島に対し、引き分け以下だと他会場の結果次第で出場を逃す状況のため10年ぶりのJ1復帰を目指して勝って確実にプレーオフ進出を決めたい東京ヴェルディ。スペイン人監督同士の決戦はまさかのBS生中継。コイントスによりエンドを入れ替え、いざキックオフ!

聞き慣れたチャントがテレビから聞こえてくるのってなんか不思議な気分だなあ。

さて、3バックの徳島に合わせいつもの4バックではなく3バックで臨むヴェルディ。しかし、中盤がバラバラで守備が全く機能しない。挙句の果てにドウグラスヴィエイラ選手まで下がってしまい徳島に押し込まれたまま耐え忍び続ける展開。徳島は攻撃時サイドに偏らせて逆サイドにスペースを作る作戦だったと思うけど、サイドチェンジしなくても前に進めてしまうので、そのうち点が入るんだろうなという感じで進むも、ヴェルディのGK柴崎貴広選手が最後の最後で踏ん張って失点は許さない。

ミゲルアンヘルロティーナ監督は早々に3バックを諦めて4バックに変更。ただ、ちょっと変則的な配置。というのは、基本的な配置は右から安在和樹選手、田村直也選手、畠中槙之輔選手、平智広選手の4バックなんだけど、攻撃時はディフェンスライン右に田村選手、中央に畠中選手、左に平選手を配置して右サイドバックの安在選手を1列前進させる3バックに変化。守備の時は徳島のサイド攻撃に対し、左サイドは安西幸輝選手と平選手(+畠中選手もしくは梶川諒太選手)、右サイドはアランピニェイロ選手はそれほど下がらず安在選手と田村選手(+井上潮音選手)で守る。このアシンメトリーな戦術の肝はアンカーの内田達也選手。通常はアンカーの選手が最終ラインに入ることが多くなるけど、このシステムなら中盤の真ん中でどっしり構えられる。危険なエリアを閉じられるしこぼれ玉にも反応できる。なかなか奥の深いシステムだがや。そういうことでヴェルディは4バックに移行してから攻守の役割分担がはっきりして徳島のサイド攻撃をつぶすことに成功。試合開始直後思いのほか上手く攻めれちゃって戸惑ったはずの徳島は、今度は思いのほか攻められなくなって戸惑っちゃって、ヴェルディの前線からのプレスの餌食となり、試合は一気にヴェルディペースに。

ただ、ヴェルディの攻撃もそれほど多彩というわけではなくて、今日はドウグラス選手のポストも密着マークにあってあまり冴えなかったせいもあり、基本的には左サイド安西選手を経由してセンタリングかファールやコーナー貰ってプレイスキックという感じ。それでも、徳島は背の低い選手が多く、ヴェルディとしては極めて珍しいことに背の高さで優位に立つことができ、プレイスキックも大きな脅威。そうなれば俄然得意のドリブルが威力を増してくる。そこで引かなかった徳島は偉かったけど、できたスペースを効果的に使った安西選手がさらに躍動。そして先制点につながる。

前半31分、狙い通り左サイドで得たフリーキック。安在選手の正確なボールは平選手が相手を体で制してヘディングシュート。キーパー反応するも及ばず!東京ヴェルディ1-0徳島ヴォルティス

押し込まれてどうにもビルドアップができない徳島も作戦変更。前半38分早くも選手交代で4バックに変更するとともに中盤に技術のある選手を配置してボール回しと長身フォワードによる攻撃を期待。

ところが、徳島は中盤で期待通りボールキープはできるものの前線でフォワードが余ってるのになぜか外から攻めようとしてしまう。丁寧なのはいいけどサッカーの目的はボール回しじゃなくてゴール。その為にはゴール前にボールを運ばなくてはならないしシュートを打たなくてはならない。丁寧に外から攻めようとする徳島に対し中を崩されないヴェルディは守備練習をしているかのように安定して対応。外から攻めたい徳島と外から攻めさせたいヴェルディの思惑が合致した結果、徳島は外から攻めてもシュートすら打てずじまい。ドウグラス選手が封じられてるのは気になるけど、このまま守ってればどこかでプレイスキックでもう1点くらい取れたりしてヴェルディの勝ちは固いかな、という感じで前半終了。

後半に入りさすがに修正を見せる徳島。縦パスなどで中を使いだす攻撃にヴェルディディフェンスラインが右往左往し始める。ありゃりゃ、こりゃまずいな、と思う隙もなく、後半4分縦パスが起点になって左サイドから右サイドにボールが回りセンタリングからヴェルディ失点。東京ヴェルディ1-1徳島ヴォルティス

ヴェルディは相変わらず左サイドからの攻撃が冴えを見せるが、楔が入り始めた徳島の攻撃はさらに冴えを見せる。もうハーフタイムはないからチームとしての修正は難しいヴェルディ。試合展開としては徳島のペース。

しかし、ヴェルディは、この切羽詰まった状況で2つの転機により、試合ではなく結果を支配することが可能に。

1つは、プレーオフ出場のライバル7位松本山雅FCが京都サンガF.C.に0-1で負けていること。その為、ここから松本が2点以上取って逆転しなければ、たとえヴェルディが負けても松本はヴェルディより下の順位で終わる。同じくプレーオフ出場ライバルの8位ジェフユナイテッド千葉は勝利しても得失点差の関係でヴェルディは負けさえしなければ千葉が上の順位に行く可能性は低い。つまり、このまま同点で試合が終わればプレーオフに出場できる可能性が高いということ。無理に攻めないでちゃんと守ろう。運が良ければプレイスキックから得点できるかもしれないのだ。

もう1つは、言葉は悪いけど井上選手が怪我で交代に追い込まれたこと。実は徳島の縦パスの多くは井上選手の裏のスペースを突いたもので、前半からの運動量で体力的な問題もあったのかもしれないけどこの時間少し守備の穴にもなっていたのが井上選手。しかし、守りを第一優先させるべき状況で守備の穴を埋めるための交代にも関わらず守備に特化した選手がベンチに見当たらないため、井上選手を交代させることによって(攻めろという)誤ったメッセージを他の選手たちに伝えてしまう可能性があったわけで、この穴を埋めるのはきわめて繊細な問題になっていました。井上選手の交代が負傷による交代となったことで、ヴェルディにとって守備を重視しながら自然な形でスムーズに守備の修正作業が完了できたのだと思う。

ということで、井上選手に代えて橋本英郎選手がピッチに登場。さらに守備の強化も兼ねてアランピニェイロ選手に代えてカルロスマルティネス選手を投入。すると、やや動きが減っておりバテたのかな、と思わせていた安西選手が急に元気を取り戻します。

いやいや、安西選手はもう体力切れてるはずだから、ディフェンスラインを3枚に戻して、ドウグラス選手とアランピニェイロ選手を3対2で封じよう、これで失点は防げる、ディフェンスラインの人数を減らした分前線に人を捌けるから運が良ければサイド攻撃から前線勝負で得点できるはずだ、別に得点できなくても同点で終われば良いのだ、と徳島は思っていたはず。私もそう思いました。安西選手はもう終わったのだ、ヴェルディは得点できない、徳島の引き分け以上は固いと。しかし、それはただの死んだふりでした。

守備が安定しだしたヴェルディは安西選手を起点にボールを前線へと送り始めます。安西選手の2つのロングパスからのチャンスに安在選手がきわどいシュートを放った後、ついにそのときが訪れます。

後半43分、梶川選手の絶妙な左コーナーキックに畠中選手がヘディングシュート!惜しくもポストを弾くもごちゃごちゃしたこぼれ球に内田選手が詰め、ヴェルディ勝ち越しゴール!東京ヴェルディ2-1徳島ヴォルティス

その後さらにアップダウンを繰り返す安西選手に、3バックへと移行した徳島は対応できず。というのは、左サイドを起点に3トップで攻め込むヴェルディに対し、徳島は3枚のディフェンスだけでは守りきれないため両サイドバックを下げざるを得ず、いざ攻撃時に選手が最終ラインから出て行かなくてはならなくなってしまい、徳島はどうにも攻撃にギアが切り替えられないのです。

引き分けでよかったのに攻撃に出た結果うまく得点が奪えず結果的にペース配分に失敗した感じの徳島は、他会場で千葉がアディショナルタイムで逆転してしまい暫定で7位に転落。慌てて攻めるも形にならず、余力を残したヴェルディが逃げ切って勝利。その結果、東京ヴェルディが5位、最後に逆転した千葉が6位、徳島は残り2分でまさかの7位とプレーオフ圏内から脱落。プレーオフ最後の出場権はヴェルディと千葉がもぎ取りました。

ヴェルディの試合をテレビで観るのはまた特別な感慨があるけど、テレビはどうしてもわかりづらい。サッカーはやっぱりスタジアムで観るのが最高の贅沢です。勝てばなお!

 

柴崎 貴広 7.0 安定した守備でビッグセーブを連発。シーズンフル出場は自身初とのこと。足元の不安もあまり感じさせず安定したプレーを見せた。

畠中 槙之輔 6.5 ロティーナ監督としてはセンターバックにロングキックが蹴れる選手を考えているような気がする。小型ボランチが多いチーム事情もあってロングボールも蹴れてセンターバックの専門性も兼ね備えた畠中選手には期待が大きい。

平 智広 6.0 強さを見せて先制点を挙げる。守備は安定しているがキックがやや不安定。

田村 直也 5.0 気合が空回り。一人でラインを下げたり前に出られずプレッシャーを掛け切れなかったり最終ラインでボールロストしたり。ディフェンダーとしていつものように冷静なプレーを見せてほしい。

安西 幸輝 7.0 フリーキックでボールを掴もうとするトリックプレーを試みるも誰もひっかからなかった悲しい過去を持つ。途中でおとなしくなったのでさすがにバテたのかと思ったら、最後に復活して再び縦横無尽の働きを見せた。

安在 和樹 6.5 プレイスキックが大きな脅威となっていた。右足も正確。でもやっぱり攻撃の幅を考えると左サイドの方が良いような気がする。

内田 達也 6.5 後方だけでなく前線へも飛び出しチームの中心を担った。対戦相手としては内田選手をどかすことが勝利へのポイントとなるだろう。

井上 潮音 5.5 豊富な運動量と正確なテクニックでチームに貢献。やや反応がよくないのと動きが淡白なところがある。アンカーシステムはどうしてもアンカー脇が弱点になるので、縦パスに対する蓋になってほしい。

アラン ピニェイロ 5.0 攻守の切り替えも早くよく動いていたが、イマイチ連携が取りきれなかった。

ドウグラス ヴィエイラ 5.5 ポストプレイヤーとしての役割を十分に果たしたとは言いがたいが、献身的に裏に走りこんで基点になったことが得点につながった。

梶川 諒太 7.0 抜群の運動量とセンスのある縦パスで多くのチャンスを演出。プレイスキックでもチームに大きく貢献した。

橋本 英郎 6.0 スクランブル発進。守備の選手ではないので負担は大きかったと思うが得意の攻撃でしっかりと貢献。

カルロス マルティネス 6.5 まず守備面でチームを落ち着かせ、得点につなげることができた。1トップに入ってからも基点となり試合を優位に進めた。

高木 大輔 6.0 いきなり相手選手と入れ替わるよくない守備を見せどうなるかと思ったが、その後は運動量を生かして試合を閉めた。

ミゲル アンヘル ロティーナ監督 7.5 ピンチをチャンスに変える見事な演出。個々の選手の特徴を生かして独特なチームを作り上げた。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

2017明治安田生命J2リーグ第39節 東京ヴェルディ対アビスパ福岡 味の素スタジアム イーグランドDAY

4連勝でプレーオフ圏内(6位以内)に浮上してきた東京ヴェルディはホームで自動昇格圏内(2位以内)につける勝点5差のアビスパ福岡との上位対決。今シーズンもラスト4試合。両チーム是が非でも勝ちたいところだ。

前半は福岡がやや優勢で試合は進んでいく。
ヴェルディの攻撃は福岡のダブルボランチに阻まれ前に進めない。そこでボランチを省略してドウグラスヴィエイラ選手の頭を狙った攻撃でゴールに向かうとこれがなかなか効果的。ドウグラス選手は高さはあってもワントップ的な選手じゃないイメージだったのにあんなに頑張れる選手になったのだなあ。デカモリシ取らなかったフロントの判断は間違いじゃなかった。
中盤でボールが奪える福岡は両サイドバックもしくは絶妙な間受けを見せるボランチの山瀬功治選手らから多彩な攻撃を展開。ヴェルディはフォワード起用の安西幸輝選手のポジショニングがやや低めなせいか、福岡の駒野友一選手へのプレッシャーが不十分で攻撃を止めきれない。
引いてスペースを作る相手フォワードの動きに対してしっかりマークを離さない畠中槙之輔選手。空いたスペースのフォローに偏りがちな井林章選手と田村直也選手の間に今度は松田力選手が飛び込んでくる。しかし福岡の狙いは田村選手がうまくポジション調整して絶妙に松田力選手の侵入を阻む。
ヴェルディは最終ラインの安定と柴崎貴広選手の好守、渡辺皓太選手のボール奪取からのカウンターなどで押し返すも両チーム得点なしのまま前半終了。福岡は攻撃の時ゴール前から選手がいなくなってしまう傾向があるのでちょっと中途半端かな。

後半に入りヴェルディは2つの変化を見せる。

一つは左サイドの安西選手と右サイドのアランピニェイロ選手の両サイドフォワードのポジションを入れ替えた。前半福岡の右サイドバック駒野選手に安西選手がプレッシャーをかけきれなかったのと、ヴェルディの左サイドバックは安在和樹選手なので攻撃もいいんだけど右サイドバックの田村選手はちょっとセンタリングに臆病になってる風だったので、ストライカータイプのアラン選手よりウィンガータイプの安西選手と組ませた方がバランスが良くなるし福岡左サイドバックの亀川諒史選手に対して裏をつけるとかオーバーラップさせずに攻撃を封じるとかそういう作戦だったと思う。

もう一つは、中盤の3枚の位置を少し下げてインサイドハーフの二人を福岡のボランチ周辺に配置したこと。前半はインサイドハーフがワントップのドウグラス選手に近い位置にいたせいか縦パスの選択肢が少なかったしそもそも福岡のボランチに引っかかってボールが前に進まなかった。そこを福岡のボランチの周辺で一度ボールを中継することで福岡の中盤に引っかからずにボールがフォワードまで運べるようになった。福岡は城後寿選手がフォワードやってたんだから中盤に下がってあげればよかったんだけど、そういう対応はしてこなかったのでアンカーの内田達也選手を含め数的優位でボールが回せるヴェルディは後半一方的に攻める形になった。

しかし、ボールが回せる分余裕のあるサイドからの攻撃に偏り過ぎて福岡ディフェンスが慣れてしまったのか最後で踏ん張りを見せる福岡ディフェンスラインを崩し切るには至らず、惜しいシーンは作ったものの得点できないまま試合終了。前半27分ドウグラス選手の抜け出しにユニフォームを引っ張った福岡の岩下敬輔選手にカードが出なかったシーンがこの試合一番のハイライトだったかもしれない。後半のアディショナルタイム5分は少し短かった印象。キーパー倒れてたからね。

試合の中で柔軟に修正を見せたヴェルディは強さは見せたものの勝ちきることはできなかった。たぶん真面目な選手が多くて監督の言うことを確実に表現した結果培った強さだと思うけど、今日の試合に限ってはゴール前では相手の想像を超えるような発想力がもう少し必要だったのかもしれない。J1昇格のために、強くなっているこのサッカーをさらに進めるために、今のものに加えて更なる力で残り3試合(+昇格プレーオフ)を勝ちきってほしい。

 

柴崎 貴広 7.0 ビッグセーブでチームを救う。昨シーズンまではビルドアップに消極的だったけど、今シーズンは普通に組み立てに参加している。何で今までやらなかったんだろう。

井林 章 6.5 安定した守備を見せる。ロングキックも正確。

畠中 槙之輔 6.0 前半ややミスパスが多くリズムを崩した面がある。守備の選手として穴が少なくなオールラウンドプレーヤーへと成長しつつある。

安在 和樹 6.5 豊富な運動量で攻守に貢献。プレイスキック含めラストパスとしてみると少し不満が残る部分もあった。前を向いたままのセンタリングをもう少しチャレンジしてもいいかもしれない。

田村 直也 6.5 ポジショニングが引っ張られがちな井林選手に声をかけてポジションを未然に修正。走り込む選手をいち早く見つけケアしていた。オーバーラップした時シュータリング上げればゴールに入るかもしれないからミスを恐れず積極的にプレーしてほしい。

内田 達也 6.0 アンカーのポジションとしてはロングパスがやや不安定。周りに技術の高い選手が多いのであまり無理をせず後半のようにプレッシャーの少ないポジションから確実にボールをつなげてほしい。

渡辺 皓太 7.5 驚異のボール奪取能力。パスが少し狭いが、そんなこと気にならないほどの力を発揮して見せる。

梶川 諒太 6.0 技術が高いのでボールがよく収まり無難に繋げるが、多少リスクがあってももう少し縦パスを狙うべきだと思う。守備もやりながら前線の仕事まで担うので大変だと思うけどできる選手だと思うので頑張ってスーパーマンになってほしい。

安西 幸輝 6.0 若いんだからもう少し思い切りを見せてもいいんじゃないか。プレーは確実に相手に脅威を与えている。

アラン ピニェイロ 6.5 驚異的なスピードでゴールに迫る。裏に抜けられないときはもう少しディフェンダーから離れるようにすればシュートが打ちやすくなると思う。

ドウグラス ヴィエイラ 7.5 あんなに献身的にボールに執着してくれる選手だという印象がなかった。彼がいればどんな相手でも互角以上に戦えるだろう。彼がいなければ前半のうちに福岡のショートカウンターの餌食になっていたはずだ。

井上 潮音 6.0 技術の高さでうまくボールを捌いていた。ゴールに向かうプレーも見せたかったが、チームとして形になっていたから今日はこれでよかったと思う。

カルロス マルティネス 6.0 相手を背負うことなくボールに触れるようになったので活躍できるようになった。ワントップはやりにくそうだがドウグラス選手と2トップ的に起用しても面白いかもしれない。

高木 善朗 6.0 出場時間は短かったがしっかりチャンスに絡む。一瞬で突破できちゃう選手なので、やはり前線で起用すると面白い。

ミゲル アンヘル ロティーナ監督 6.5 ハーフタイムに見事にチームを修正し後半はほぼ一方的に攻め立てた。点は取れなかったけどしょうがない。中盤を厚くした結果試合を優位に進めたので間違いではなかったのだが、中盤より前線を厚くする方法があったような気はするが、これは後出しじゃんけんなので、国民総監督論者の戯言としてほしい。

蹴球

JFA公認C級コーチリフレッシュ研修会 2017明治安田生命J1リーグ第26節 FC東京対ベガルタ仙台 味の素スタジアム

日本サッカー協会(JFA)公認指導者ライセンスは取得後リフレッシュ研修を一定程度受講しなければ資格が失効してしまいます(C級以上)。日頃仕事があり、休みの日はコーチ(監督)をしている立場としてはリフレッシュポイントを稼ぐのが難しかったのですが、今回たまたま近く(味の素スタジアム)でJリーグの試合を見ながらポイントを稼ぐ機会と遭遇し、日程的にも余裕があったので受講してみました。

台風が近づき小雨の降る中、集合場所は雨に濡れないユーロスポーツ前。特別なADカードを受け取り、勝手知ったる関係者入口まで屋根の下を移動。いつもに比べて人が多いなあ、さすがJ1だ、などと感心しながらインタビュールームで1時間の講義。

まず初めに連絡事項。本日のスケジュールに加えて、リフレッシュポイント取得に当たって実技や指導実践のあるものも利用してください、とのこと。受けてみたいけど、いつやってるのかなあ。

そして注意事項が二つ。

1、講義パワーポイントスライドの写真撮影及びSNS等への投稿の禁止。
今日の試合の簡単な戦術解説として、どういうスカウティングがあるとかどの選手が期待(注意)とかどういう戦術を企んでいそうかとか、などあったからだと思うけど、FC東京は公式戦5連敗中でこの2試合は4、5点失点して監督交代した直後だったし、関係者はナイーブにならざるを得ずちょっと気の毒だった。

2、観戦中のアルコール摂取、アウェイチームのグッズ露出の禁止。
観客席で他のお客さんに混ざって観るので売り子さんたちが普通にビールを売りに来る。最大の難関でした。こっそり普段使ってるヴェルディグッズをそのまま身に着けていたけど、外から見てわかるものじゃないからセーフ。

講義が始まって最初の議題は、「連敗中のチームの指導者として、どのような声掛けをするか」というタイムリーな話題。そういえば負けが込むチームにいたことないなあ。鶴B以外。選手が混乱しないように役割をなるべく減らしてシンプルに一つ一つできることを丁寧にやることかなあ、などと書いておく。

よく「指導は促すだけで指示してはいけない」みたいなことを言う人がいるんだけど、指導にはコーチングとティーチングがあって、コーチングは選手自身の発見を導く(ガイデッドディスカバリー)視点が必要だけど、そのためにはティーチングで判断する材料を提供しないとただの迷子になりかねない。サッカーは必ずしもすべての試合で勝てるわけじゃないんだけど、やっぱり勝てないと選手は迷うし自信も失う。結果を出すことが一番だけど、試合結果だけではないところにおいて監督が自らのサッカーの判断基準を明確にすることで選手の迷いを払しょくし、チームが勝利に近づくんじゃないかなあと思う。

その後は戦術論がいくつかあって、禁止事項だから書けないけど、コーチングライセンス取得時の講義では戦術論は個人戦術程度しかカリキュラムにないので、試合を通した戦術論はもっとやってほしいと思う。サッカーの目的は勝利であるべきで、勝利を目指すから練習があるべきなのだから、試合での勝ち方を指導者はもっと知る必要があるはず。これを言い出すと今度は勝利至上主義の問題が出てくるから程度が難しいのだけれど。

講義が終わるとスタジアムに移動して試合観戦。ありがたいことに雨に濡れない席を用意してもらう。早めに席に着いたのでウォーミングアップから見学。最近は体幹の血流を促すのが主流らしい。個人的にはじっくりゆっくり引き伸ばしていきたいタイプなんだけど、もう時代遅れかな。アルコール禁止なのでトイレに行くこともなく集中して試合に臨む。

試合は仙台が技術のあるボランチを中心にテンポよくボールを回して試合を優位に進める。FC東京は左右にプレスを仕掛けるもうまくはまらずボールは逆サイド空いているところを付かれてしまう。

FC東京ははじめ高萩洋次郎選手アンカーの橋本拳人選手、東慶悟選手インサイドハーフなのかなと思ってたけど、ダブルボランチの仙台に対して数的優位になるにもかかわらず前(裏)にパスが出せないので攻撃時に高萩選手が最終ラインまで落ちたり橋本選手とのダブルボランチにして大久保嘉人選手を中盤に下げたり工夫してたっぽい。でも、東選手にボールが入ったとき仙台の3バックの一角が前に出て最終ラインにスペースができて大久保選手あたりが裏に走り込むそぶりは見せてたんだけど肝心の東選手が裏を意識できていなくて、ただのボールポゼッションに終始してしまい、1トップっぽくなってた永井謙佑選手はあまり裏に走る気もなさそうで、攻撃はほぼほぼ機能していない感じ。守備ではテンポのいい仙台ボランチの球回しについていけず、サイドバックは仙台3トップにくっついてスペースを空けてしまい仙台サイドバックが上がり放題。ボールの出どころも行く先も抑えられずどうなるのかと思ってたけど、仙台はボールを回せるタイプの選手がある程度限られている感じで、最後のところまでつながらずどうにも得点にはつながりづらいサッカー。それでも前線が攻め残りすればよかったのかもしれないけど、妙に丁寧に下がって守備するもんだからカウンターも攻撃の形になりづらい。ちょっと膠着状態で後半へ続く。

後半に入ってFC東京は、とりあえず裏にパス出して永井選手がスペースに走り込むかボールに競ってこぼれ球を拾う作戦に変更。縦パスに競ることさえできれば中央にボールがこぼれるので、選手が4人集まれるFC東京は断然有利な展開。その分仙台のサイド攻撃は怖いけど、中央を経由しなければボールが出てこない仙台に対しては有効な作戦だったと思う。サッカーは選手の数は11対11で同数なので、どこかを諦めればどこかを有利にすることができるのです。

そういうわけで外にも人はいるけど中からガンガン攻めるFC東京がペースを握って仙台の決定力不足にも助けられながらコーナーからの得点で1-0の完封勝利。

相手に合わせて中盤の配置やボールの動かし方を柔軟に変化させることができたFC東京と同じやり方に終始してしまった仙台の差は大きかったと思う。仙台はあのサッカーやりたいならもう少しそういう選手を多く配置することはできないのかなあ。

ちなみに、FC東京のゴールシーンでついうっかり立ち上がってガッツポーズしてたのは内緒です。

久々のJ1観戦で楽しんで帰ることができたけど、リフレッシュ研修としては観戦後に試合のポイントをおさらい(共有化)するのもありかなと思う。ただ、これもやっぱり勝利至上主義の問題が関わってくるので、協会というより個人レベルの勉強会のような形でやる方がいいかもしれない。試合中の解説でもいいんだけどそれだと結構せわしないから、映像をどうにかしてJクラブでそういう試みやってくれないかな。