蹴球

平成27年3月18日(水) 欧州チャンピオンズリーグ・ラウンド16の2ndレグ ボルシア・ドルトムント対ユベントス ヴェストファーレンシュタディオン

1stレグをユベントス2-1と敗戦ながら貴重なアウェイゴールをあげたドルトムント。逆転の可能性を秘めたホームでの2ndレグでしたが、アウェイのユベントスが3-0とドルトムントを圧倒し、2戦合計5-1としたユベントスが準々決勝に駒を進めました。

ユベントスは攻守ともオンオフがはっきりしておりボールがないときもサボらずにとにかく走る。ドルトムントにボールが渡ったらまずはドルトムントより先にゴール前に戻り前を向いて守備を行う。人数が豊富なため思い切って前に出る守備ができるため、迫力のある守備でドルトムントに圧力をかける。ボールがないところですばやく走って戻り守備の体系作りをサボらない。お手本のような攻守の切り替えからの守備です。
ユベントスは攻撃においても切り替えが早く、またボールをつなぐときは球離れが早く、いざというときは思い切ったドリブルで相手陣内に切り込む。ドリブルで相手を交わすので容易に数的優位を作り出すユベントス。ドルトムントのまずい守備もあって得点を重ねていきました。

ドルトムントは前線の動きにもう少し工夫がほしいところでした。まずはユベントスディフェンス陣が戻るより早く攻めたい。次に、ユベントスのディフェンスが積極的に前に出るのでその裏のスペースが空くのだからその空いたスペースを使いたい。ユベントスが戻りながらディフェンスするような場面がほとんどなかったのが印象的です。プレイスキックも精度を欠きチャンスを作り出すことができませんでした。
ドルトムントの守備は試合に入り込めていないようで、読みが甘いことが多く、ユベントスに裏をかかれることもしばしば。簡単に交わされず粘り、相手が動くまで安易に動かない。その二つができていればまた違った展開になったかもしれません。

ただ、ドルトムントの攻撃が試合中の指示だけでよくなることはなかったのではないかと思います。試合の準備として攻撃の形が作れなかった、そこが試合結果に大きく影響を及ぼしました。やはり練習が大切です。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成26年5月31日(日)J2リーグ第16節 東京ヴェルディ対栃木SC 味の素スタジアム

0-2からの3得点でヴェルディ見事な逆転勝利!な試合でした。
(件のとおりホームページに投稿できない状態でしたので、今回は短めです)

 

ヴェルディの攻撃は、杉本竜士選手がいつものようにずるずる下がって足元でもらうという動きが少なくサイドへ裏へとディフェンスを引っ張る。そのおかげで平本一樹選手へ当てることができたのと、栃木の選手が球際に強くなく自陣深い位置でもミスが少なくなかったことからヴェルディの攻撃は形を作ることができていた。
しかし、トップに当てたボールをサイドに開いたとき中に詰める選手が圧倒的に足りない。ボランチの中後雅喜選手や三竿健斗選手は充分とは言えないまでもそれなりに飛び込んでいたが、せっかくいい位置にいるサイドバックの安在和樹選手にも思い切ってゴール前まで飛び込んでいってほしかった。

前半41分くらいに一度左サイド斜めに走り出した杉本選手と逆サイドで待っている平本選手の間に安西幸輝選手が猛然と突っ込んできた場面があった。残念ながらボールが出なかった(が相手にあたって安西選手に渡るという奇跡)フォワード二人の動きだけでなく中盤やサイドバックも連動してスペースをうまく使ってほしい。

安在選手について言えば、オーバーラップした時に足元でもらいたい気持ちが強すぎて相手への脅威が減っている。中でもらってロングシュートも悪くないけど、裏に走り込む、ゴールライン付近までえぐる、といったプレーもたまには見せられるといいと思う。

なお、前半いいスペースを作っていた杉本選手も後半体力切れかいつもの下がって足元スタイルに変わっていったから、あの場面の交代は必要なことだったと思う。杉本選手は途中交代で悔しかったかもしれないけれど、今は若いんだし90分持たせるためにペース配分するより全力でプレーしきる今のスタイルを維持してほしい。その上で90分間戦い続けられる体力を。

栃木SCの攻撃は、あまり裏に走り込む気配を見せずサイドから早めに放り込んでくるスタイル。試合終盤にヴェルディはフォーメーションをいじるから(最近の富樫監督の流行なのだろうか)サイドの守備がめちゃくちゃになって選手をフリーにさせてしまったが、それまではサイド・中央ともよく守っていたと思う。失点シーンは見ていないのだけど。栃木SCもカウンターの時相手の前で足元につなぐんじゃなくて裏に走り込む選手めがけてスペースにボールを出していたら全く違う結果になったと思う。ヴェルディの守備が間に合っていないのに裏を狙わないパスによってヴェルディが守備に回る時間を稼げていた印象。フリーの選手がいるからすぐにパスを出すんじゃなくて、一番いいタイミングでパスを出すようにした方がいいと思う。

交代選手を見ていると、監督の試合想定は大きくずれていたように思う。逆転してすぐにボランチに永井秀樹選手を入れたり高木大輔選手も交代前に怪我をしていたようで足がついていかず結果警告受けていたように見えたし交代枠使い切って安在選手の足がつったから急遽フォワードに転向させたり。慌てて田村直也選手をボランチに上げたり戻して5バックにしたり澤井選手をサイドバックに下げたり平本選手をボランチあたりまで下げてフォワードがいなくなってクリアボールに誰も押し上げられず連続攻撃喰らったり。それでも勝てるんだから大したもんだと正直に思う。球際に強くなった。汚いプレーは嫌いだが激しいプレーはプロでは必要なこともある。そのあたりの意識改革が進んでいるヴェルディ、今後も期待だ。