蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対イラク代表 イランPASスタジアム

ボールは疲れない。
空飛ぶオランダ人が遺した言葉は本当だった。ボールは疲れないけど、人は疲れるのです。

日本代表のディフェンスラインの裏や中盤とディフェンスラインの間などのスペースを効率的に使ってくるイラク代表に対して、日本代表は時々大迫勇也選手目掛けて放り込むこともあるけれども基本的には目の前の味方に細かくつないでいく「自分たちのサッカー」
攻撃が狭く、球離れの悪い選手が多く、体の向いている方向にしかパスが出せない日本代表の攻撃はイラク代表にとっては恐らくは組し易い展開だったでしょう。最終ラインで体を張って守れたことで日本は負けずに済んでよかったと思います。

試合は、トップ下に入った原口元気選手を筆頭にパスミスが多い日本代表に対して作戦通りにボールを運んでいるであろうイラク代表という展開。しかし、日本には大迫選手がいた。抜群の能力を活かし日本の攻撃を活性化。前半8分、イラク代表ゴール前まで押し込んでいた日本代表はコーナーキックから本田圭佑選手の絶妙なボールに大迫選手が頭で合わせて早くも先制。日本代表1-0イラク代表

イラク代表は41311みたいな変則的なシステム。守備時は442や433、451など日本代表に合わせて柔軟に変更し、攻撃時はボランチと左サイドハーフが時にはセンターバックの位置まで降りてスペースを作り、左サイドバックが空いたスペースに侵入し、センターバックが左に開いて展開していく形が約束事になっていた様子。ワントップの日本代表は最終ラインまで入り展開するイラク代表のボランチと左サイドハーフとセンターバックを誰が見るのかはっきりせず、技術のあるイラク代表の選手たちにフリーでプレーされてしまう。イラク代表はスペースを作った左サイドから右サイドをフィニッシュ地点として日本代表の左サイドバック長友佑都選手の頭の上を狙う作戦。実際に得点にはつながらなかったものの日本代表のことを良く研究していたのだと感心。

日本代表はせっかくダブルボランチにして中を閉じていたし、サイドバックが前にプレッシャーをかけてセンターバックが積極的に前や外へ出てしまってよかったと思う。このあたりは暑さ対策とシリア戦でサイドバックの裏をつかれた反省だったのかもしれないけど、結果的にはちょっとシリア戦がもったいないことになってしまった。

後半に入ってウィングがイラク代表のサイドバック(主に左)を見る約束になった様子の日本代表。しかし、ボールの出所には相変わらずプレッシャーをかけることができず、結局振り回される展開は変わらず。しかし、イラク代表も完全に裏をつけているわけではなく、押し込まれることさえなければ事故も防げて守りきれるはずだった。そう信じてた。

暑さのせいなのか、コンディションの問題なのか、理由はいろいろあるのだろうけれど、日本代表の選手がバタバタと倒れるようになってしまった。治療のため数的不利で戦う時間の増える日本代表。次第に選手たちは気持ち的に守りに入ってしまう。ディフェンスラインが下がり、中盤にスペースができる。守備のエリアが下がり日本のゴール前までボールを運ばれることが多くなってしまう。失点は必然でした。

後半27分、間で受けるイラク代表に対してスペースが広すぎて誰もプレッシャーをかけることができない日本代表。ボランチの遠藤航選手が裏を取られてしまい、ボールはもつれるようにディフェンスラインの裏へコロコロ。日本代表は深いラインを敷いているのでペナルティエリア内でディフェンスラインの裏に出たボールはキーパーが処理するのが基本だと思うけど、中途半端なところにボールが残ってしまう。残念ながら吉田麻也選手とキーパー川島永嗣選手のコンビネーションも狂ってしまい、慌てて川島選手が前に出るもボールをつかみきれず。こぼれたボールを押し込まれて同点。日本代表1-1イラク代表

その後イラク代表の前線の足が完全に止まり、失点のリスクが低くなった日本代表はスカスカの中盤を攻めてチャンスを作り出すも技術的なミスが多くシュートをゴールに飛ばすことができず。けが人続出の中、何とか終了のホイッスルまでグラウンドに立ち続け、同点で試合終了。とりあえずはワールドカップ出場に向けてまた一歩前に進むことができました。

日本代表はサイドチェンジや一人飛ばすパスを出せる選手がいなかったのが大きな不利に働きました。せっかくダブルボランチにしてもサイドバックもセンターバックもあまり前に出ないのでウィングが下がらざるを得ない。だったら岡崎選手をウィングで使って動き回らせた方が良かったと思います。自分たちのサッカーもいいけど、もう少しサッカーの本質に近づくことも必要ではないでしょうか。サッカーはボールをつなぐスポーツではなくてゴールを奪い合うスポーツ。こういう経験を確実に日本のサッカー文化醸成に繋げていきたいものです。

 

川島 永嗣 5.5 ピンチ自体は少なく安定したディフェンスラインを構築していたが、失点の場面はロングシュートを狙われだしていたため怖かったとは思うけど結果的にもう少し前目のポジショニングで良かったと思う。期待が大きすぎるかもしれないけど、少し遅れたとは言ってもあのタイミングであればちゃんとボールをつかんでほしかった。

昌子 源 6.5 緊張も解けたようで持ち味を出せていた。ラインコントロ-ルをしつつ裏もケア。これからも期待できる。

長友 佑都 5.5 身長差を狙われていたがよく体を当てて対応していた。ボールを追いかけて中に入ってしまう癖が今日は裏目に出たところがある。久保選手はいきなりで大変だったのではないか。

酒井 宏樹 5.0 守備面ではシリア戦の反省が生かせていなかったが、攻撃面ではよくボールに絡むことができた。後半早々に痛そうにしていたにも関わらず、試合に残った結果チームに迷惑をかけてしまった。

吉田 麻也 6.0 安定した守備を見せていたが、失点に絡んでしまった。キーパーに任せたかったのは分かるが、ああなってしまった以上コーナーに逃げてもよかったのではないかとは思う。

遠藤 航 6.0 守備面でチームに貢献。失点シーンではついていくことができなかったが、全体的にすばやい切り替えでカウンターを防ぎ、守備に入っては楔のパスを入れさせなかった。ボランチなので逆サイドにも展開したいところだが、普段クラブチームでもやっていないことをいきなり代表で求められても辛いところだろう。

井手口 陽介 6.5 チーム事情もあって守備も攻撃も大きな役割を担っていた。本来はインサイドハーフがやるであろう仕事までボランチからするんだから大変だったと思う。お疲れ様でした。

本田 圭佑 6.5 先制のコーナーキックは見事。守備も攻撃もよく走って頑張っていたが、ボールを持ったときにあまり仕事ができなかった。

原口 元気 4.5 あまりにも基本的なテクニックレベルのミスが多すぎた。コンディションの問題もあったと思うが、チームの足を引っ張ってしまった。

久保 裕也 5.0 守備ばかりを意識しなくてはならなかったので大変だったと思うが、次に向けていい経験になったと思う。一皮むけてほしい。

大迫 勇也 7.0 前線で孤軍奮闘。チームとしてもっと大迫選手を単純に使うことを意識しても良かったと思う。

今野 泰幸 5.0 堅実なプレーだったが、経験値からすると、守備の押し上げやボールの出所への対処をチームとして主導してほしかった。プレーとは直接関係ないが、交代を告げられた時、数的不利な状況にも関わらず準備がなかなか進まなくて時間を浪費したのはベテランとしていかがなものか。

倉田 秋 5.5 メリハリのある動きでチームに貢献したが、一人だけでは厳しかったと思う。守備のときボールを追いかけすぎて簡単に相手と入れ替わってしまうのは修正した方が良い。

酒井 高徳 5.0 周りがバテバテ状態の時に交代で入ったのにあまり貢献できず。元々体力は確かなものがあるのだから、ダイナミックなプレーを期待したい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.0 久保選手にこだわったのは得点を期待したからだと思うが、そうであればあれほどに守備の役割を担わさずダブルボランチに任せてもう少し攻め残りさせることも考えるべきではなかったか。得点を挙げるには守備の時にもある程度の攻撃準備がまた求められるものであろう。イラク代表の変則的なシステムにも対応ができず、けが人続出の中采配も後手後手に回ってしまった。長友選手の高さの不安もあったのだろうがセンターバックを中央に残すことを気にしすぎて守備も押し込まれてしまうし、そもそもどうやって得点を挙げたかったのか分からない。

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キリンチャレンジカップ2017 日本代表対シリア代表 東京スタジアム

東京スタジアムってなんだ?

ワールドカップ最終予選対イラク代表戦に向けた試金石。キリンチャレンジカップと言えば昔は日本代表と外国のクラブチームとが戦う今では考えられない大会でした。代表キャップ数とかも大事なビジネスチャンスなので(サウジとか代表戦やりまくってた)今は代表チーム同士の大会になりましたが、ボスマン裁判以降事実上の外国人枠撤廃が行われている現代においてはクラブチームを呼んだ方が盛り上がるかもしれないね。

さて、試合は4141シリア代表のアンカー脇を使いたい日本代表ですが、香川真司選手の試合開始早々負傷退場の影響もあったのか中盤でのリズムが悪くインサイドハーフがディフェンス間に入ってボールを受けられず常にプレッシャーを受け続けながらのプレー。攻撃がゴールまでたどり着けそうなのは吉田麻也選手や山口蛍選手のロングボールもしくは大迫勇也選手のポストだけという状態。今野泰幸選手に上がるよう指示していたのもボールを受ける場所を空いているスペースにしたかったからだと思う。

シリア代表の攻撃は必ずサイドバックから始まるような約束があるようだから久保裕也選手・原口元気選手のところで潰したかったところですが、両者とも攻守の切り替えが遅く攻撃の起点となるシリア代表のサイドバックはフリーでボールフィードを繰り返し、まるで、あれ、これ練習だったっけ、と勘違いしてしまいそうな攻撃ができていた感じ。日本代表としてはシリア代表のサイドバックをウィングが見られないのであればサイドバックが見ると決めてしまえばまだよかったと思うけどいかんせん中途半端でウィングが寄せられなくて慌ててサイドバッ
クが上がろうとし、そのタイミングで空いた裏のスペースをつかれ押し込まれる。山口選手のカバーもありディフェンスラインで止めることができていたはよかったけど、守備というのはゴールを守る以外にもボールを奪うという目的があり、ボールをなるべく相手ゴールに近いところで奪うことで「(良い位置から)攻撃を開始する」という守備の目的は全く以て達成できず。支配率では日本代表が優位に進めるものの、ボールの位置は日本代表のゴールの方が近い。どちらかといえばシリア代表が想定どおりといった感じの試合運びで前半終了。

後半立ち上がり本田圭佑選手が入ったからか前から積極的に守備を仕掛ける日本代表だがやっぱり個々のプレッシャー自体が弱くシリア代表は日本代表のプレスを交わしボールを運ぶ。ボールを簡単に運ばれるようになり、ショートコーナーから倉田秋選手が交わされてしまい早いタイミングでのセンタリングにヘディングで押し込まれてシリア代表が先制。日本代表0-1シリア代表

追いつきたい日本代表だが相変わらず中盤のリズムが悪くボールが前に運べずじまい。たぶん日本代表は中盤のパス回しとは別に両ウィングがシリア代表のサイドバックを引っ張って外にスペースを作りたいのだと思うんだけどあまりにもウィングが早く中に入ってきてしまうので日本代表のサイドバックがオーバーラップする前にスペースを埋められてしまう。しょうがないからサイドバックが前線に張り出してみたらシリア代表の中盤がゾーンなのに下がりきってくれて、中盤のプレスがなくなってようやく日本代表は中盤でボールが回せるようになる。ラッキー。中盤で展開がうまくいかなくても縦パスさえ出せるようになればもう日本代表のペース。大迫選手経由で左サイドを突破して長友佑都選手のセンタリングから今野選手が詰めて同点。日本代表1-1シリア代表

その後日本代表はサイドバック相手のサイドバックに対し明確に前にプレスをかけに出るようになり、裏の空いたスペースは山口選手に代わってアンカーに入った井手口陽介選手が埋めるという約束事が成立するようになり、それに伴いセンターバックがつり出されることも少なくなって守備が安定。サッカー7不思議の一つにディフェンスラインに人が少なくなることで守備が安定することがあるのです。

その後、乾貴士選手投入で圧倒的な攻撃力を見せつけるもラストパスの精度が低く得点には至らず試合終了。日本代表1-1シリア代表

全体的にコンディションに不安を抱えている選手が多いように感じる日本代表。イラク代表戦では走れる選手、頑張れる選手を多く起用してほしいと思います。
川島 永嗣 6.5 よく足が動いていたのでたぶん調子よさそう。

昌子 源 5.5 初めは緊張していたのかひどいもんだったけど、時間と共にだんだんプレーが良くなってきた。もう大丈夫でしょう。

長友 佑都 6.0 相変わらず自由に動くので時々バランスがひどいことになるからアンカーシステムでお守すると良さが生きる。

酒井 宏樹 6.0 狙いを持ってやろうとしていることはわかる。運が悪かった。

吉田 麻也 6.5 終盤の連続クリアミスはいただけないが、全体的にそれなりの安定性能を見せた。もうチームに欠かせない。

香川 真司 6.0 早く怪我が治りますように。

山口 蛍 6.0 攻撃面ではロングボールに活路を見出す。守備でのカバーリングは見事だが、何もないところで転んでたしあんまり調子が良くないのかもしれない。ちょっと太った気がする。

今野 泰幸 5.5 とにかく球さばきが悪い。中盤から繋ごうとすると今野選手で止まってしまう。シリア代表の中盤は走り込みについてきていなかったから、前線やアンカー脇に持ち前の運動量で突進してほしかった。

原口 元気 5.5 攻守の切り替えが遅くシリア代表にペースを握らせてしまった。シュートには絡んだが、中盤の構成でももう少し顔を出したかった。

久保 裕也 5.0 何をするにもタイミングが悪い。やりたいことはわからなくもないが、手段が目的化してしまっている感じ。

大迫 勇也 7.0 ボールは収まる、振り向ける、守備への切り替えも早い。昔に比べて得点以外のプレーの意識が高くなっていて、得点自体は少ないかもしれないけど悪くないと思う。

倉田 秋 6.0 中盤で唯一機敏な動きを見せる。あまりチャンスに絡めなかったが次に期待したい。

本田 圭佑 6.0 よくボールに絡むもいかんせんミスが多すぎる。インサイドハーフとしてうまくパスが通った時はいいが、ボールロストを繰り返すようだとショートカウンターの餌食。

井手口 陽介 6.5 ディフェンスラインのお守までよく走った。守備が安定した要因の一つ。

乾 貴士 6.5 ドリブルで相手を翻弄。格の違いを見せつけた。でも守備は穴が多いから監督の立場からしたら使い辛いかもしれない。

浅野 拓磨 5.5 あまり持ち味を発揮できず。周りも見えているようだし冷静にプレーできてはいたようだ。

岡崎 慎司 5.0 なにせボールが収まらない。そういう選手じゃないので申し訳ないが、岡崎選手の良さを生かすためにはシステムも含め再考の余地あり。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 ボールを前目で奪えない、最終ラインでのボール回しを余儀なくされる、プレイスキックから失点、と前回のイラク代表戦の課題が修正できず。それでも、主力メンバーと経験の少ない選手がわかりあうという目的はある程度達成できたのではないかと思われる。

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FIFAU-20W杯日本2-1南アフリカ

FIFAU-20W杯日本2-1南アフリカ
・試合開始からスピードに翻弄されていた時間に失点が1点だけで済んだのはよかった。時間経過とともに相手の走るコースに入れるようになったので、次戦以降へのいい経験になったと思う。

・ボランチは前には強いが、後ろにボールが入った時のプレスバックや追い越す選手への対応など後ろへの意識に課題を感じる。ゾーンディフェンスの弊害のようなところもあるので修正するとまた別の課題が露呈するのだと思うけど、もう少し意識を高めないと3トッププラスアルファの攻撃には対応できないような気がする。

・フォワードが小川・久保コンビになると、両者とも引き気味になってしまいディフェンスラインを引っ張れず前線での起点も作りづらい。組み合わせを検討した方がいいかもしれない。

・南アフリカのアンカー脇が空いていたので中盤が中に絞って間受けするのはいいが、そこで空いた両サイドを使うタイミングが少し遅い気がする。縦パスが入る前の段階でチーム全員イメージの共有化を図りたいところ。

・全体的に守備において1対1に負け過ぎなきらいがある。初戦の今日はコンディションが整っており組織で守ることができたが、こういう大会は試合間隔が短く徐々に体力的に厳しくなってくるものなので、体力的にプレスが効かなくなった時1対1で負けるようだと難しい試合展開が予想される。今後の新たな課題になってくると思う。

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2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対タイ代表 埼玉スタジアム2002

グループ最下位に沈むタイ代表をホームに迎えワールドカップ出場のためには絶対に勝ちたい一戦。数少ないチャンスを効果的にものにした日本代表が4-0とタイ代表を一蹴。ワールドカップ出場に向けて大事な勝点を積み重ねました。

 

いつもの4231でボールを回す日本代表に対し433で守るタイ代表。中盤スカスカ。こりゃ楽勝、と思ったら守備のときはフォワードが下がって変則的な442や451になるタイ代表。試合始まってから修正したとしたら恐ろしい能力。これは侮れん。

タイ代表の狙いは中盤インターセプトからのショートカウンター。しっかり中盤でブロック敷いてコンパクトにパスカットを狙う。日本代表が裏を狙いだしたらブロック全体が少し引き気味になり、裏のスペースもなくなるは中盤のスペースもないままだは恐るべき修正能力。このチーム何なんだ?日本代表は大迫勇也選手がいないので放り込んでもボールが収まらない。しょうがないから原口元気選手の頭を狙うもあまり前線に張るタイプではないのでそれほどの脅威にはならず。ボランチの山口蛍選手や酒井高徳選手は攻撃より守備能力が特徴の選手なので展開力がイマイチな日本代表はタイ代表の中盤プレッシャーの格好の餌食。

しかし、サッカーというのはゴールを取り合うスポーツ。どれだけ試合展開が優れていてもゴールが取れなければ意味がない。ラストパスやシュートの精度がイマイチでゴールが奪えないタイ代表に対し日本代表は初めての攻撃がいきなり結果を出します。

前半8分、初めてタイ代表の裏にボールが抜けた日本代表は右サイド久保裕也選手からのセンタリングに香川真司選手が中央トラップから相手を外しゴール左隅にゴール!ゴール前冷静にボールをゴールへ流し込んだ香川選手のパフォーマンスで日本代表は効果的に先制点を挙げます。日本代表1-0タイ代表

その後もボールをキープする日本代表に対しショートカウンターを繰り出すタイ代表のペースで進む試合。タイ代表はあまり体が大きいわけではないにもかかわらず相手に体を当てるのがうまく、ボールを失わず、ボランチがうまく両サイドにボールを捌くテクニックを持ち、中盤が込み合ってきたときには無理してつながず3トップに当てる判断力を持ち合わせる。3トッププラス中盤やサイドバックで4バック2ボランチを数で崩す教科書どおりの攻撃。日本代表を良く分析できているようだし、得点さえあげられればすごく良いチームだなあと感心してしまう。

それでも得点を奪い合うスポーツである原則に変わりないのがサッカー。前半19分、ロングフィードにコーナーキックの流れから前線に残っていた森重真人選手が競り勝って右サイド久保選手にボールが渡る。正確なセンタリングに岡崎慎司選手がニアに飛び込んで日本代表追加点!日本代表2-0タイ代表

点差が広がっても試合展開は同じ。中盤インターセプトからショートカウンターを狙うタイ代表に対しゴールを死守し続ける日本代表。それでも、この前の試合あたりから押し込まれたときに厚みで守れるようになった日本代表は、点差もあるのでそれなりに後ろに人数を配置して失点を防ぎ続ける。セットプレーが怖いものの多分日本代表の方が高さがあるので何とか守れる。本当はこういうグダグダ展開に持ち込むときは中盤が空いてボールが運べるもんだけど、ちょっとボランチの展開力の問題があってそういう形にならない。でも、技術力のある日本代表はアジアではこういう戦い方をするのってありだと思う。あまり綺麗さにこだわるよりやっぱりサッカーはゴールだよね。

後半に入りディフェンスラインにやや疲れが見え始めたタイ代表に対し、後半12分、久保選手がペナルティエリアの外でフリーになり追加点。日本代表3-0タイ代表。

さらに後半38分、左コーナーキックに吉田麻也選手が高い打点から追加点。日本代表4-0タイ代表。

タイ代表はコーナーキックのときゾーン的に守るんだけど、これは恐らく高さがない中で守るための苦肉の策だったと思う。日本代表もゴールを目指すだけじゃなくてコーナーを取る攻撃を仕掛けることをもう少し考えればもっと得点できたかもしれない。

その後長友佑都選手が足を滑らせてPKを与えてしまうも川島永嗣選手が防いで見事クリーンシートで試合を閉める。おめでとう、日本代表!

テクニックのあるタイ代表の攻撃に手を焼いたものの、体を張った守りでゴールを死守した日本代表の守備は見事なもの。もう少しインターセプトを狙っても良いのかなあとも思わなくもないけど、ちゃんと人数かけられるので、審判の問題も含めこういう守り方は一つの答えだと思う。これからも1対1で責任を持った守備を基礎にゴールを死守してほしい。

攻撃はどうしても大迫選手と比べてしまうけど、岡崎選手ワントップはやはり厳しいと思う。困ったときに放り込めないとビルドアップの息苦しさが目立ってしまう。岡崎選手云々というよりタイプ的なものなので難しいところだが、無理な攻撃がボールロストにつながり守備の時間が長くなってしまう。サッカーは攻撃と守備がそれぞれ同じ回数というわけではないので、守備の回数を少なくすることも守備を安定させるためには必要なこと。今後の戦いの中で攻撃のリスクのかけ方、ボールのとられ方についてもう少し整理してほしい。

 

川島 永嗣 7.5 度重なるビッグセーブ。まさに守護神。

長友 佑都 5.5 なぜか中に絞って守る。ボランチが下がれば良いのに。おかげで原口選手がサイドをカバーする羽目になったが、それは長友選手のせいというよりチームのやり方の問題かな。

森重 真人 5.0 ミスパスが多い。空中戦でも競り勝てないことが多くタイ代表の攻撃を防ぎきれなかった。

酒井 宏樹 6.5 ミスパスもあったが、守備の甘い久保選手の分まで1人で2人を止めていた。早くに点差が開いたので攻撃は自重していたところがあったのかと思う。

酒井 高徳 6.5 残り20分は明らかに体力が切れていたが、自らのミスもあったとはいえ相手のショートカウンターに頑張って対応してくれていた。ボールが捌けなかったけどそこまで求めるのは気の毒だと思う。

吉田 麻也 7.0 ミスもあったが、チーム全体のミスからの守備でしっかり穴を埋めてくれた。引っ張り出されるときはボランチと連携してゴール前を埋めてほしい。

香川 真司 7.0 ボランチが守備的な選手だったこともあり攻撃の展開は香川選手頼み。今までは代表で多くの役割を押し付けすぎてうまくいかないことが多かったが今日は得点まで決めてくれた。もっと役割が減ればもっとチームに貢献できると思う。

山口 蛍 4.5 中盤を埋めるのかディフェンスラインに入るのかの判断がイマイチ中途半端。ミスパスだらけでチームをピンチに陥れた。広いスペースを1人で守っていたため大変だったと思うが、守備のスペシャリストとして、またボランチの選手として、実力を発揮しきれていなかった。

原口 元気 5.5 長友選手が中に絞るので原口選手がサイドをカバー。ボールが収まらない前線ではポストプレーも担う。あまり効果的ではなかったがうまくいかないチームの中で孤軍奮闘していた。フリーキックの守りで一人だけ下がってオフサイドライン下げちゃうのはやめてほしい。

岡崎 慎司 4.5 ボールが前線に全く収まらない。岡崎選手が悪いというよりタイプ的な問題なので気の毒ではあるが、どうしても大迫選手と比べると、岡崎選手のときはビルドアップの選択肢が一つ減ってしまうので攻撃が息苦しくなってしまう。得点の場面やタイ代表のセンターバック二人を消耗させる動きは能力の高さを見せ付けるものだった。

久保 裕也 6.5 得点、アシストと結果に直結するプレーを見せつける。守備が甘すぎて自分が空けたスペースにパスを通されてしまい、酒井宏樹選手が大変そうだった。プレッシャーのかけ方にもう少し工夫が必要。

本田 圭佑 5.0 ボールがキープできないので中に入っても時間を作れない。今日のような展開であれば、ワントップに本田選手を入れて岡崎選手との2トップにして清武選手をサイドに持ってきた方がチームは楽だったかもしれない。

清武 弘嗣 6.0 質の高いプレイスキックで得点を演出。出場機械を求めてわざわざスペインからJに帰ってきたのに代表で試合に出られないのは気の毒だったからとりあえずは良かった。

宇佐美 貴史 5.5 狙いは良かったが結果にはつながらず。ボールが集まらなかったので、チームメイトから以前ほどの信頼がなくなってしまったのかもしれない。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.0 しっかり結果を出したのはさすが。ボランチが明らかにバテていたが、交代選手がおらずどうすることもできなかった。けが人続出の中でうまく采配したが、後出しで勝手なことを言うと、結果的にではあるものの選手選考に課題が生じたことになった。それでも、以前に比べて相手を分析してうまく試合の中で対応できている。その日本がまた分析されたときに柔軟に対応できるかどうかが今後の課題だと思う。

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2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対UAE代表 UAEハッザーアビンザーイドスタジアム

UAE代表に連敗中の日本代表。苦手意識を抱かないためにもワールドカップ出場のためにも勝利を飾りたい日本代表はアウェイUAEの地で2-0と見事に完勝!ワールドカップ出場圏内のグループ2位をキープしました。

 

大迫勇也選手がワントップに入った日本代表は大迫選手の頭という単純で強力な武器を手に攻撃。いやはや、たいした選手だ。ロングボールがあるから下のパスも通りやすい。香川真司選手がクラブでの好調そのままにディフェンスの間に走り込んでくれるため、日本代表は試合開始直後からUAE代表を圧倒します。

UAE代表が442ブロックを敷いてきたのもまた日本代表には有利に。攻撃が多彩な日本代表に対してブロックを敷こうとしても後ろを気にしているうちにサイドチェンジについていけないUAE代表。恐らくUAE代表は攻撃的な選手を配置した両サイドハーフが日本のサイドバックを押し込みたかったのだろうけれど、逆に守備が苦手な両サイドハーフが守備の穴になるという完全なる裏目。こりゃ勝ったな。

前半14分、ハリルホジッチ監督がこけてる間に久保裕也選手が一旦右サイドに張り出してからひょろひょろと中に移動。外にできたスペースに酒井宏樹選手が侵入。ブロックを敷いているUAE代表の中盤は対応が遅れ酒井選手は高い位置でフリーに。中に移動した久保選手に絶妙なスルーパスが通り、久保選手の代表初ゴールで日本代表先制!日本代表1-0UAE代表

UAE代表は技術があるのでいろいろな形で攻撃できるんだけど、主に狙ってるのはフォワードへの楔のパス。日本代表は守備のとき山口蛍選手と今野泰幸選手がダブルボランチっぽくなるんだけど、攻撃のときアンカーの役割になる山口選手がアンカーポジションに拘りすぎているようで中盤にラインができずフォワードへのパスが遮断できない。しかし、少し押し込まれた日本代表は、今までとは少し違う守備を見せる。

中盤では今までどおり積極的にインターセプトを狙いディフェンスラインを高く保つ。しかし一旦攻め込まれると両サイドハーフや時にはワントップの大迫選手も含め全員でゴール前まで戻り数で守る。当然ボールを奪っても前に選手がいないのでドリブルだけ攻撃はなかなかつながらないんだけど、とりあえずボールが運べればオッケーという割り切り方。中盤の守備と押し込まれたときの守備をこれほど明白に分けたことは今までのハリルホジッチ監督になかったような気がする。引いてしまう分ファールが怖いところではあるけれど、ディフェンスというのは基本的にスペースをバランスよく埋めるのがポイント。こりゃ勝ったな。

UAE代表は日本代表を押し込めたくてオマル選手なんかも長友佑都選手よりは押し込めそうな酒井選手を狙って左サイドに移動したりしてたけど、押し込んだら押し込んだで自分たちが困る展開。一息ついたりしてると大迫選手の頭から一気にピンチを迎える。ニアゾーンをつければまた違ったんだろうけど今野選手や香川選手まで運動量でスペースを埋める日本代表に隙はなし。こりゃ勝ったな。

後半に入り、「あれ、日本代表中盤3人しかいないんだからどっか空いてるんじゃ?」と気づいたUAE代表が立て続けに2回ビッグチャンスを迎えるも最後の最後でシュートがゴールに飛ばない。こりゃ勝ったな。

ということで後半6分、吉田麻也選手からのロングフィードに大迫選手がお約束のように競り勝ち右サイド久保選手へ。原口元気選手が逆サイドからゴール前にひょろひょろ移動してできたファーサイドのスペースに走りこんだ今野選手が胸トラップから追加点。こりゃ勝ったな!日本代表2-0UAE代表

その後疲れた選手から順番に交代していった日本代表が順調に勝利。UAE代表はフォワード変えたらサイドに流れる選手ばかりになってしまいチームの攻撃コンセプトがバラバラになる悪循環。ちょっと気になったのは最後大迫選手が怪我してしまったので岡崎慎司選手が入ったけど、順番的には今野選手が交代する予定だったような気がする。その場合、誰を起用するつもりだったんだろう?

日本代表は大迫選手がトップにいる限りアジアでは安泰でしょう。先制点のサイドでのスペースの作り方は練習どおりって感じだし、2点目もゴール前でうまくスペースを作り出しているのでコンビネーションも悪くなさそう。両サイドバックが攻め上がるのでボランチには最終ラインのケアができる選手を。選手たちに戸惑いがなければ今流行りの3バックでもいいかもしれない。その場合香川選手のポジションがなくなってしまうという問題はあるのだけれど。

守備は特に中盤の守備のとき中盤のラインがバラバラなのでうまくスペースを埋められないことが目立つ。中盤での守備のときはアンカーポジションに拘らずしっかり中盤でラインを形成できるようにしたい。サイドバックが中盤のスペースを埋めたりサイドをケアしたり忙しい中でマークの受け渡しにもやや難があるので、そのあたりはキーパーやセンターバックの声かけも含め、中盤と連動して相手を逃さないようにしてほしい。押し込まれたときの守備が安定してきたのはチームにとってとても大きい。さらに磨きをかけてほしい。

今日の試合ではセットプレーがあまり試合に影響しなかったけど、やはりセットプレーは試合を大きく左右する。大迫選手にはセットプレー時の守備にも期待できるためその部分でも安定するわけだけど、チームとしてもう少しセットプレーの精度が上がるともっと結果を出しやすくなると思うので、守備を邪魔しない程度にセットプレーのことも考えながら選手起用できるといいなと思うけど、はたしてどうだろう。

 

 

川島 永嗣 6.5 見事なクリーンシート。足元がやや不安定だったが、大迫選手がいれば大丈夫。

長友 佑都 6.5 守備のポジションが中途半端なことがあって原口選手が苦労してたけど、最後のところでちゃんとやるのでやっぱり頼りになる。でも今野選手が下がれないときは少し自重してほしい。オマル選手に意地の股抜き合戦で一度通された以外は何もさせなかった。

森重 真人 6.0 ロングフィードでもチームに貢献。ちょっと1対1に不安定さがあった。

酒井 宏樹 7.0 抜群の運動量と判断力で右サイドを制圧。酒井選手がいるから久保選手が躍動できたとも言える。長友選手の背が低い分酒井選手の役割は大きい。

吉田 麻也 7.0 フィードも正確で1対1でも負けなかった。中盤の守備のときにインターセプトが狙えるとなお良い。

香川 真司 6.0 ディフェンスの間に走り込んで相手を混乱させる。守備でもしっかり貢献。最後はちょっとバテたか。香川選手にはどうしても決定機の演出に期待してしまうので物足りなさを感じなくもないのだが、あまりたくさんの役割を負わせることはチームのためにならないので、球離れが悪かったところなどはハリルホジッチ監督に整理してほしい。

山口 蛍 6.0 ややミスパスが多い。特に序盤の中盤の守備のときに下がりすぎてスペースを埋められないことが多かった。途中から少し前に出られるようになったが相手の楔を防げず。でもサイドバックが上がる日本代表のためには山口選手のような役割が不可欠。経験をつむことで状況に応じた柔軟な対応が可能になるだろう。

今野 泰幸 7.0 抜群の運動量で中盤を支配。もう少しパスを強く出してほしい。最終ラインから前線まで大変だったと思う。得点はご褒美です!

原口 元気 6.5 長友選手のフォローがあって大変そうだったけど運動量豊富でチームに貢献していた。2点目のように前に移動してスペースを作ってほしいがなぜか引いてスペースを作ろうとすることが目立つ。元気なのに元気がない。

久保 裕也 7.0 積極的な仕掛けで攻撃に大きく貢献。右サイドは酒井選手もいて香川選手もいたのでやりやすかっただろう。それにしても良い選手になったものだ。

大迫 勇也 7.5 困ったときの大迫選手。それだけでチームに大きな落ち着きを与えられるだろう。今日は点は取れなかったけど取れてもおかしくなかった。今の日本代表にとって攻守に欠かせない選手。

倉田 秋 5.5 交代直後にチャンスを演出したがそれ以降はやや空回り気味。テクニックがある選手なので経験とともに実力をさらに発揮できそう。

本田 圭佑 5.5 うまくボールをつなぐがあまり怖さがない。ボールと体が連動していないようなところもあり心配。

岡崎 慎司 5.5 裏を狙って積極的にプレーしていたが、岡崎選手が出たとたんロングフィードが減ってしまう。タイプの問題なのだが、今の日本代表に岡崎選手のワントップは少し無理があると思う。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 7.0 コケてたけど急に守備が安定した。中盤の守備と押し込まれたときの守備をそれぞれ使い分けて約束事が徹底できていた。攻撃でも特に先制点の久保選手が中に入って空いたスペースに酒井選手が上がる形は練習どおりだっただろう。運動量の落ちた選手を適切に交代しており監督として完全にゲームを支配していた。

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日本代表対サウジアラビア代表 2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 埼玉スタジアム2002

苦しい戦いが続くワールドカップ最終予選の日本代表でしたが、この試合ではグループ首位を無敗で走るサウジアラビア代表をホームで見事に撃破!予選日程の半分を終えたところで、ついにワールドカップ出場圏内の2位に浮上しました。

試合は開始早々ワールドカップ予選初出場の半端ない大迫勇也選手が後ろ向きのボールをめっちゃトラップして始まります。その後もめっちゃトラップしまくって試合は日本代表ペース。清武弘嗣選手も一緒にめっちゃトラップして日本代表はますます試合を優位に進めます。

一方のサウジアラビア代表は最終ラインからでも積極的にドリブル突破を試みる静学スタイル。日本代表の守備は最終ラインに吸収されがちで中盤のプレスはまだまだなところがあるのですが、サウジアラビア代表の攻撃はサイドチェンジなどの大きい展開が少ないのでここから攻めるよ~と来るサウジアラビアのドリブル攻撃に毎回毎回抜かれるわけでもなくそれほど苦労することはありません。大迫選手が後ろ向きのボールをめっちゃトラップするので日本代表は攻められる時間自体が少なく守備のほころびをあまり感じさせません。

サウジアラビア代表のキーパーはあまり足元が安定していないようなのでキーパーとディフェンスラインの間を狙った方が良いんじゃないかなあと思っていた前半43分、大迫選手がめっちゃ振り向いてボールは清武選手から久保裕也選手へ。センタリングのこぼれ球から清武選手が打ったシュートにサウジアラビア代表ディフェンスが微妙な判定ながらも手で反応。そうだよね、キーパー足元不安定だからディフェンスが手を安定させれば…

というわけで(もなく)、前半45分、清武選手がPKを沈めて先制。日本代表1-0サウジアラビア代表

後半に入って日本代表は久保選手に代えて本田圭佑選手を投入。本田選手はいつもに比べて走り込んでいるように見えたのでちょっとよかった。ただ、中盤で足元にボールをもらって前を向きたい選手が増えてしまったので、大迫選手がサイドに流れることが増え、ボールを納める位置がゴールから遠いただの時間稼ぎ的ポストプレーになってしまい、前半に比べると威力半減。大迫選手を越えて裏に走りこむ選手がいないと中盤がごちゃごちゃするだけなのです。

それでもサウジアラビア代表が最終ラインからドリブル(もしくはショートパス)の静学スタイルを崩さないため、前線でボールが奪いやすく、成功するとあっという間にチャンス到来。日本代表は突破されても集中を切らさない最終ラインから人がうじゃうじゃ飛び出してくるため二人三人と交わさなければならないサウジアラビア代表の攻撃は形にならず。

その後日本代表は最終ラインを少し深めに設置し、中盤もディフェンスラインに合わせて深めにゾーンを敷き、前線は追い込むだけの守備になります。ボールを奪うとなると難しいものですが、追い込む(ついていく)だけならそんなに難しいことじゃない。人が多い中盤にドリブルで突っ込めばそう簡単には突破できない。サウジアラビア代表は運がよければ1点取れるかどうか。日本代表は早めに2点目がほしい展開。

サウジアラビア代表も後半25分くらいからロングボールを供給するようになり、日本代表は少し押し返され始める。チャンスは作るも得点が挙げられない日本代表としてはよくない展開。ここは作戦「大迫」だ!

後半35分、大迫選手が競り勝ったボールを本田選手が拾って左サイドへ。長友選手とのコンビで左サイドを突破して折り返したボールに原口元気選手がワールドカップ予選4試合連続弾で待望の追加点。作戦「大迫」成功!日本代表2-0サウジアラビア代表

このまま勝ち切りたい日本代表は時には631システムを見せ勝負にこだわる。しかしサイドチェンジするようになったサウジアラビア代表はじわじわと日本代表を押し込む。

後半45分、サイドチェンジから薄くなったディフェンスラインの前でボランチがあっさり交わされてついていけず、突破からシュートを連続で浴びてついに失点。日本代表2-1サウジアラビア代表

サウジアラビア代表のドリブル攻撃に対しセンターバックが深めの位置を取り、縦パス(楔)に対し積極的にインターセプトに出た日本代表の守備システムは大成功を収めました。監督的には(攻守とも)セットプレーを期待していたような感がありますが、当てが外れても結果が出るのはのってる証拠。チームとしてはいいリズムがきていると思います。

強いて言えば、前線の守備が少し個人任せになり過ぎているように感じます。特に日本代表の中盤はサイドハーフがサイドバックの外をカバーしていたりボランチの切り替えが遅かったりするので、ロングボール一発でやられてしまうリスクはあるとしてもサイドチェンジさせないように蓋をしてボランチがボールを取り切りやすいように前線から誘導してあげた方がボールを運ばれるリスクが減るような気がします。

心配なのは攻撃陣。攻撃手段は大迫選手のめっちゃ振り向きに依存度高い。清武選手も振り向くけれど、どちらにしても言えるのは、楔から個人技で突破できなければ得点チャンスが作れないということ。1対1で勝つことを前提とする戦略が日本代表で成立するのか、いずれ難しいところが出てくるかもしれません。たまにしか集まらない代表チームという難しさはあると思いますが、個人技で突破できないときどうするか、その答えは早めに用意する必要があります。

あと、大迫選手の裏に走り込む選手がいないと大迫選手が潰されてしまう危険があるので、選手起用も今までと少し変えていった方がいいと思います。

初戦の敗北でどうなるかと思ったワールドカップ最終予選も半分の日程を経過してワールドカップ出場圏内の2位で折り返し。これからもしっかり結果を出してワールドカップ出場を掴み取ってほしいと思います。頑張れ日本!

 

西川 周作 7.0 ビルドアップも安定。センターバック2人にキーパーの3人で相手フォワード2人をいなせるので攻撃が楽。

長友 佑都 6.5 原口選手がサイドバックに下がって長友選手はボランチみたいなときもあったけど、タイプ的にあんまりボランチ的ではなさそう。

森重 真人 6.5 空中戦にも強くロングパスも効果的。右サイド突破されたとき寄せが甘かったのがもったいなかった。

酒井 宏樹 6.5 守備だけでなく攻撃にもしっかり絡んだ。貴重な大型サイドバック。まだセンタリングが合わないからこれからだと思う。

吉田 麻也 6.5 安定した守備。そろそろセットプレー決めたい。

清武 弘嗣 6.5 高い技術でチャンスを演出。プレーが軽めなタイプ(悪いことではない)なのでボールを取られたとき入れ替わってしまいピンチになりやすいのが気になる。今日はミスも少し多めだった。

山口 蛍 6.0 いったん追い出すと迫力あるが、切り替えが遅く転んだりすると立ち上がるのに異様に時間がかかる。失点シーンは抜かれてはいけないところだし、抜かれた後追いかけなければいけなかった。ボール回しでミスが多い部分は早急に修正してほしい。

長谷部 誠 6.5 早いタイミングで出る冷静な縦パスがいいリズムを作った。日本代表の中心。

原口 元気 7.0 守備のときちょっと下がりすぎかなとも思うけどチームの約束事なのだろう。得点も決めたしチャンスをたくさん作ったしよく頑張った。

久保 裕也 5.0 少し気負ったのかな。少し体が重そうでミスも目立った。

大迫 勇也 7.5 圧倒的なボールキープ力。日本の攻撃は大迫だった。半端ない。できれば他の選手が邪魔しても中央に残ってほしい。

本田 圭佑 5.5 気合は感じられたがミスが多い。視野がやや狭くなっているんじゃないかな。視力の問題だろうか。

香川 真司 4.5 パスが雑でリズムを崩した。守備は頑張ってはいたが、ただ追いかけているだけで誘導してくれないので後ろの選手は守りづらかったかもしれない。いつもなら1点決めてた。

岡崎 慎司 4.0 出場時感が短かったこともあるがいいところなし。ワントップ的な選手ではないので大迫選手とのコンビを見てみたい気もする。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.5 守備に関しては完全にサウジアラビア代表対策がはまった感じ。攻撃に関しても大迫選手の起用があたった。チームとしての攻撃、またセットプレーからの決め方やセットプレーの取り方などがこれからの課題になりそう。守備についてはサイドチェンジさせないような守備をもう少し徹底すれば日本のセンターバッククラスならそれなりにアジアでは通用するような気がする。

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日本代表対オマーン代表 キリンチャレンジカップ2016 茨城県立カシマサッカースタジアム

いや~、勝った勝った。4-0で日本代表の圧勝!仮想サウジアラビアとかは全く成立してなさそうだったけど、試合だから勝つことが大切。これで、日本代表は快勝で弾みをつけてワールドカップ予選サウジアラビア戦に臨むことができます!やっぱり勝ってよかった!

試合は仮想サウジアラビアのはずのオマーン代表が442システムでスタートしたかと思うと541システムになって、さらに両サイドハーフが最終ラインに吸収されたりしてひどいときは820システムみたいになって、中盤を楽々支配する日本代表のペースで進みます。

とはいえ急増ボランチコンビの永木亮太選手と山口蛍選手は大きい展開があまりできずこちょこちょつなぐ日本代表は数で守るオマーンディフェンスを突破しきれずシンガポール戦の悪夢が脳裏をよぎる展開。

しかしさすがは日本代表。同じ轍は踏みません。ただただ速い攻撃言ってた時代は過ぎ今はその言葉はどこにも見当たりません。込み合っている中央だけでなくサイドからもオーバーラップから度々チャンスメイク。惜しいチャンスを度々演出しながらいよいよその時を迎えます。

前半32分、永木選手のプレッシャーにより高い位置でボールを奪い返した日本代表は左サイドちょっとごちゃごちゃっとなった後、清武弘嗣選手のセンタリングに久々代表選出の大迫勇也選手が力強いヘディング。見事なゴールで先制に成功します。日本代表1-0オマーン代表

その後も中盤を支配する日本代表は短めのパスで右へ左へ展開していきさらに追加点。

前半42分、左に行った後右に行って中に戻って、清武選手の楔のパスを受けた大迫選手がうまく切り返して追加点!日本代表2-0オマーン代表。

後半に入っても日本代表ペース。オマーン代表も時々カウンターを仕掛けるも何せボールがつながらないもんだから少なくとも2点は取れそうにない。これは勝負あり。あとは選手のPRタイムです。

国際親善試合のため6人まで交代可能というメリットを最大限に活用して選手交代選手交代。今日の試合でそこそこ活躍してもワールドカップ予選ではどうかなあとは思うけど、とりあえず目の前の試合で結果を残す以外に選手にできることもないし、みんな頑張る。その結果中盤に人がわんさかしだして少し日本代表の攻撃が停滞気味。中盤でボールを奪えるようになったオマーン代表は日本代表のサイドバックとセンターバックの間のスペースを狙って走り込む。外からもプレッシャーをかけることになる日本代表はどこかでPKでも与えないかと冷や冷やする場面もありましたが、逆に日本代表がPK貰っちゃうというラッキーな展開へ。

後半19分、ごちゃごちゃっとしたところで清武選手が突っついたボールに浅野琢磨選手が反応。少しボールから離れていましたが足がかかっていたのでファール。ペナルティエリア内なのでPK。清武選手が右上に決めて日本代表3-0オマーン代表。勝負あり。

後半ロスタイムには散々崩しまくった左サイドから原口元気選手がセンタリング。ディフェンスがクリアしきれずこぼれたボールに元ヴェルディ10番の小林祐希選手が代表初ゴール。日本代表4-0オマーン代表。いや~、勝った勝った、よかった!

この試合に勝てばそれでよしっていう時期じゃないので難しいのですが、まあ勝つことしかできないのでいいにしましょう。

攻めに関しては、もう少しサイドチェンジを素早く行いたいところ。個人的にはボランチはサイドチェンジできなければボランチではないと思っているのでそこんとこよろしくお願いしたい。ワントップに入った大迫選手は裏抜けだけでなくゴール前にちゃんと残ってくれるので助かる。ゴール前に選手がいないとさすがにゴールどころかシュートを打つこともままなりません。

守備に関しては、ボランチの攻守の切り替えが遅いところが気になります。前を向かせない、越えられたら戻る、という目立たない基本をしっかりこなしてほしいところです。最終ラインはそれなりに安定しているうえに、この試合ではサイドバック(特に左の酒井高徳選手)がセンターバックが競りに行った後ろをしっかりカバーしていて安心してみていられました。結果的にカバーが必要なことはあまりありませんでしたが必要な時にないのでは困ります。それから、チームの決め事なのかと思いますが、サイドから攻め込まれたとき逆サイドの中盤がサイドバックの外をカバーするのはあまり意味がないと思います。それよりボランチが動いた後のゴール前を埋めるべきかと。実際オマーン代表の攻撃はサイドバックとセンターバックの間のスペースを突かれて押し込まれた後、ボランチが動いた後ペナルティアーク(ゴール前の三日月のところ)に空いたスペースでシュートを打たれてしまっています。逆サイドは最悪ボールが移動する時間にカバーできるので、もっと危険なところを早めに埋めたほうが効率がいいでしょう。

この結果からサウジアラビア戦の予想は(選手起用も含めて)難しいものですが、とにかく勝利を!ガンバレ、ニッポン!!

西川周作 6.0 出番もないしミスもない。

吉田麻也 5.5 ほぼほぼ安定していたが時折うっかり裏を取られる。終盤イラついていて集中力が切れていたように見えたけど味方のパスミスにでもぶち切れていたのだろうか。怖い。

丸山祐市 5.5 試合開始直後に何もないところでいきなり転ぶというかわいこぶりっ子を見せてどうなるかと思ったがパス出しとかでも頑張った。

酒井宏樹 5.5 普通にプレーしていたけどとにかくミスパスが多い。大迫選手との相性抜群だった印象があるだけにちょっと残念。

酒井高徳 6.0 サボらずセンターバックのカバーにも勤しむ。ボールが落ち着かないがプレッシャーが少なかったのでボールを失うことは少なめだった。

永木亮太 6.5 効果的なパスと素早い攻守の切り替えで相手の攻撃の芽を摘む。もう少し長いパスが出せるとよかった。もっと前に出ろ的な話もあるようだが、今日みたいな試合ではサイドバックを上げたいんだから永木選手が下がったほうが効率的。

清武弘嗣 7.0 よくボールに絡み得点を演出。プレーが少し軽いタイプなのでボールを失う時にあっさり相手と入れ替わってしまいがち。なるべく前の方でプレーしてほしい。

山口蛍 5.5 パスミスが多く、しかも出した後時が止まる魔法にかかっているみたいで切り替えが遅い。視野が狭く裏でフリーになるサイドバックにパスが出せない。いったん守備の時間になれば抜群のセンスを魅せるはずだが、今日はそのセンスもやや不発気味でカウンターを許す場面も。

本田圭佑 4.5 一人違う世界に生きているようなスローライフなプレイが目立つ。ボールを失うし味方のいないほうにトラップするし何か見えていないものが見えているというか見えるべきものが見えていない。オマーン代表が特別にマンマーク的につぶしてきていたっぽいので大変だと思うけど、あれくらいならどうにだってできる選手のはず。

齋藤学 5.5 よく裏に抜け出してチャンスメイクも結果は出ず。いつもと違いドリブルに柔らかさがあまり感じられない。これがハリルホジッチ監督のいうプレッシャーにつぶされた状態なのだろうか。この試合を経験にまた優れたパフォーマンスを発揮してほしい。

大迫勇也 7.5 裏に抜けるだけでなく前線でディフェンスラインを押し込めるテクニックと強さを兼ね備えたストライカー。以前みたいにゴール前の駆け引きばかりの選手じゃなくなったみたいなのでこれからも期待したい。

浅野拓磨 5.5 足は速い。

岡崎慎司 4.5 調子が悪いときの岡崎選手そのもの。裏に走らない、中途半端に中盤に下がって足元に要求する、受けたボールを無駄に下げるプレーが続く。大迫選手と一緒にいればもっと活躍できるような気がするのでフォワードだけじゃなく右サイドハーフとかもお勧めです。

小林祐希 7.0 中盤でボールを奪えるはパスは回せるは楔は打てるはさすがは元ヴェルディ10番。山口選手が守備の時ボールばかり見る傾向があって裏が空きがちなんだけど小林選手が素早くカバーして難を逃れていて偉かった。短い出場時間の中でも得点シーンと同じところにその直前にもポジショニングしていたりするので攻守両面での活躍が期待できそう。

久保裕也 7.0 こんなに素早い選手だったかなあと出場選手中で一番の驚きをもって観戦。オリンピック代表時代はとにかく足元でばかりボールを納めるよくいるエゴイストタイプだった気がするので代表だから萎縮しているのかスイスで成長したのかわからないけど、コンディションもよさそうだし右サイドハーフもテストされていたようだしサウジアラビア戦も出番があるのではないか。

原口元気 6.5 相変わらず元気。計算できる選手。

森重真人 6.0 チームメイトの丸山選手の前で張り切ってプレー。前に出てよいプレッシャーをかけていた。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.5 とりあえず圧勝したのでこの試合はいいと思うけど、サウジアラビア戦に向けてのテストにはあまりならなかったんじゃないかな。とはいえ完全にサブ組の調整試合にするわけにもいかないし、逆にこの試合で活躍したからといってサウジアラビア戦での活躍が計算できるわけでもないし、辛い立場だと思う。頑張ってください。

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2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対オーストラリア代表 オーストラリア・ドックランズスタジアム

勝てた試合だったな~もったいない。でもまあ及第点というべきか。強豪(オーストラリアだけに)相手にアウェイで1-1の引き分け。悪くない結果といえるでしょう。でももったいないなあ。

オーストラリアは前線の選手が全く動かないので日本はとても守りやすい展開。選手同士の距離感も良く中盤でボールが奪える奪える。ここで取れれば戦術もへったくれ もない。得意の縦に速い攻撃で得点だ!

ということで、前半5分、原口元気選手が中盤で奪ったボールが長谷部誠選手、本田圭佑選手を経由して再び裏に抜けた原口選手にスルーパス。キーパーとの1対1を冷静に制し、日本速い攻撃で早くも先制。1-0。

オーストラリアもさすがに工夫してくるようで、前線は相変わらず動かないから外から攻める作戦。ディフェンスラインを経由してサイドチェンジからアーリークロス。高さに自信があるオーストラリア。単純ながらなかなか脅威のある攻撃。

そこで日本は2トップ気味に位置していた香川真司選手がインサイドハーフに下がり長谷部選手をアンカーに4141システムに変更。オーストラリアのサイドチェンジに対して経路の途中でサイドハーフがボールを奪う作戦。

この結果、外から攻めづらくなったオーストラリアはフォワードの足元に入れ続けるのでボランチかセンターバックが易々インターセプト→ショートカウンターで明らかに日本のペース。惜しむらくは両サイドハーフが守備のとき下がりすぎるため本田選手一人の攻撃では形にならずなかなかシュートに持ち込めない。せっかくボールを奪っても攻撃できなければ意味がない。新しいシステムはまだ十分には機能していないようだ。

後半に入り、またオーストラリアに変化。外を通していた攻撃を中から通す作戦に変更。これによりサイドハーフの後ろのスペースを有効に活用するオーストラリア。

これにはサイドハーフが中に絞って外の選手に足元でボールを持たせるようにした方が高い位置で守備できるので相手のゴールにより近いところでボールが奪えるしポジショニング的にも攻撃に移行しやすかったはずだが、ここは最後まで修正できなかった。

そんな後半6分、中を通そうとトップ下がサイドに移動してきたところ一時的に長谷部選手とポジションを入れ替えアンカーに下がっていた山口蛍選手が安易にマークを外してしまう。中を経由したボールは日本右サイドの裏を突破。マイナスの折り返しに原口選手が後ろからチャージしてしまい、オーストラリアにPK献上。本田選手みたいにど真ん中に決められ同点。1-1。

その後オーストラリアの途中出場10番が裏に走りこむタイプだったので日本代表最終ラインはずるずる下がり始め、中盤との距離が開きだすとボールの奪いどころが後ろになってしまい、前線に選手が少ない日本は何回ボールを奪っても攻撃に移行できずずーっと守備ばかりの展開。体力的にもかなり消耗してしまったようで単発でチャンスを作り出すも得点には至らず。

交代出場の清武弘嗣選手や浅野拓磨選手が裏を狙って何とかチャンスを伺おうとするもオフサイドにやられ万事休す。

最後は引き分け狙いに変更したようで、あまり急がずそれほど攻撃に出ず、最後のコーナーキックを守りきって計算どおり勝点1をゲット。試合後のインタビューで勝てたとか言ってたのはリップサービスでしょう。

442でブロック敷いて中盤でボールを奪う、最終ライン経由のサイドチェンジに対しても4141に移行してそれまで同様中盤でボールを奪い続け試合を優位に進める、といったところまでは良かった。ただ、その取ったボールをどうゴールに運ぶのか、といった点に課題。この試合に限ってはサイドハーフが中に絞るだけで更なる中盤でのインターセプトと同時に攻撃のしやすさが強化されたように見受けられるだけに実にもったいない結果だった。そもそもその前の段階で中盤であれだけボールが奪えるのだから、人さえいればどこかで得点を挙げられているはずだった。

ただ、この試合はオーストラリアの前線が全く動かず足元ばかりだったということが日本に功を奏しただけで、次の試合で同じようにすれば守備が機能して後は攻撃だけ、といった話ではないように思います。相手がどういうサッカーをしてきても今日のように選手間の距離を短く保ちより相手ゴールに近い位置でボールを奪い、その上でどうゴールにボールを運ぶのか、まだまだ日本代表の完成は先のように感じました。

負けなかったことで先につながりますから、早い日に日本代表のサッカーが完成することを期待します。

 

西川 周作 6.5 やや判断が遅いかと思うこともあったがボール回しでもチームに貢献。プレイスキックのときはなぜだか反応が遅くなる気がする。

森重 真人 5.5 ほぼほぼ安定していたしビルドアップでも貢献していたが、マークがずれることが多かった。

槙野 智章 5.0 高さでチームに貢献。サイドで中盤と連携して守ることができなかった。オーバーラップしてもあまり仕事ができなった。

酒井 高徳 6.5 抜群の運動量でチームに貢献。今までの反省を活かし空中戦でも相手に勝負させなかった。

吉田 麻也 6.0 最後の砦として体を張って守備。サイドのカバーに回ったとき今までのように簡単に中にボールを出させることは少なかった。

本田 圭佑 5.5 先制点のアシストは見事。体を張って前線で頑張っていたが、あまり基点になり得なかった。

香川 真司 6.0 インサイドハーフ移行は試合前のプランどおりだったのか分からないが、チーム事情に柔軟に対応。ややミスが多かった。

山口 蛍 5.5 中盤のダイナモとして頑張っていたが、PKを献上したシーンではトップ下のマークを安易に外しボールを運ばれるはその後の戻りが遅く相手をフリーにするはで失点の大きな原因になってしまった。1対1では抜群に強さを見せるのだがマークにつくのかカバーに入るのか判断の悪いときが多いのが気になる。

長谷部 誠 6.5 豊富な運動量で中盤のスペースを埋め、インターセプトからチャンスを創出。球出しも正確でチームの中心選手。

原口 元気 6.0 個人技でチャンスを作り出すも、守備のとき下がりすぎてしまいせっかく中盤でチームがボールを奪っても速い攻撃に十分貢献できず。体力も消耗するしなんかもったいなかった。

小林 悠 5.5 たびたびゴール前に進出しチャンスに絡むが得点は決めきれず。PK献上シーンではポジショニングが中途半端でサイドバックと連携できず裏を取られてしまった。

清武 弘嗣 6.0 個人技からチャンスを演出。もっとゴール前に進入しても良かったかも。

浅野 拓磨 5.5 ゴール前で仕事をしようとするも結果が出ず。オフサイドもあり不運な面もある。

丸山 祐市 5.0 役割がイマイチ分からず。折角の右サイドからのセンタリングに対してはあんなふんわりしたボールじゃなくてもっと良いボールを折り返したかった。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 とりあえずはアウェイで強豪から勝点1をゲット。ちょっとした修正で勝てたような気がするのでもったいない。選手交代にいつも手間取っているようなのは何とかしてほしい。

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2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対イラク代表 埼玉スタジアム2002

結果がすべて!ひどい試合でしたが、日本代表は2-1と見事に勝利を挙げ、ワールドカップ出場に望みをつなぐことができました。

バラバラの守備を見せるイラク代表に対して日本代表は最終ラインでボールを回して取られるか、放り込んで跳ね返されてそれを取り返すかの2択で攻める。当然得点のにおいが全くしない。空中戦で圧倒されてピンチの方が多い状態で試合が進みます。

これはいったいどうなるものかと思った前半26分、中盤でボールを奪うという珍しいことが起きた日本代表はカウンターを発動。清武弘嗣選手がドリブルで運ぶと右サイド本田圭佑選手へ。本田選手は判断が悪くボールを受けたときの体の向きも最悪でしたが、回りこんでオフサイドエリアに侵入した清武選手へのパスを審判が良い誤審をしてくれたのでゴール前フリーになった原口元気選手にボールがつながりトリッキーなシュートで先制。1-0。勝負事には運も必要なのです。

その後も楔に対して攻めも守りも反応が悪い日本代表はボールを保持する時間は長いものの清武選手の個人技くらいしか形にならずそれでも失点はなんとか免れそのまま前半終了。

後半に入り日本代表は守備の選手間の距離が少し縮まり修正を見せてきたのですが、やっぱりフリーキック(高さ)にやられた。

後半15分、遠目からのフリーキックに一発でやられて同点。1-1。運がなかった。

その後はイラク代表が選手交代から前線の選手が減って後ろに人を配置するようになり、日本代表が最終ラインでボールを回して放り込んで跳ね返される形が続く。日本代表としては一番怖いのは最終ラインでボールを取られることなので、そこのプレシャーが少なくなったのはありがたかった。

そういうことでチャンスが多くなるものの得点は挙げられない日本代表。いよいよ吉田麻也選手を前線に上げパワープレーの様相が一層顕著に。それが一番形になるんだからサッカーって分からない。

後半ロスタイムじゃないアディショナルタイム(インジュリータイムどこいった)パワープレーに吉田選手がスペースに走りこんで粘って得たフリーキックから山口蛍選手が値千金の勝ち越しゴール!2-1。ドーハとかジョホールバルとか使いやすそうなありがたい試合展開で日本代表は見事に勝利を挙げました!

攻撃も守備も課題だらけでしたがボールをキープできるのでチャンスの数を考えればまあ妥当な結果といっていい勝利だったと思います。

攻撃については、どうせ放り込むんだからそういう選手を配置した方が良いのではないでしょうか。岡崎慎司選手は一つ下げましょう。

守備については、ボランチが一人前に出る→もう一人のボランチが寄せる→開いた中を使われる、という展開を最後まで修正できませんでした。ディフェンスラインも上がらないようですから、諦めてアンカーとか置いた方がもう良いんじゃないかな。アンカーとインサイドハーフできる選手がいるというような積極的な話じゃないので機能するかどうか分からないけど、今のままでは難しいと思う。穴が開くところに人を多く配置して弱点を補う。人は城人は石垣人は堀。

選手の質で言ったらアジア随一の実力を誇る日本代表。ワールドカップに出られなかったらもったいない。

 

西川 周作 6.0 安定していた。毎回セットプレーでやられるので、キーパーとして守備陣を何とかしてほしい。

森重 真人 6.5 気迫あふれるプレー。パワープレーでは正確なフィードで貢献。カウンターを受けたとき少し相手を離してしまうのが怖い。

酒井 宏樹 6.5 守備の選手の中では最も予測のきくプレーを見せる。ファールが多いのが残念。ミスパスの多さは相変わらず。

酒井 高徳 5.0 高さでかなわないんだからボールじゃなくて相手に競るべきだった。同じミスを繰り返すのは課題。

吉田 麻也 6.5 脇の甘さは相変わらずだが、高さに強いのは貴重。もう一人いたらフォワードでも良いかも。

本田 圭佑 4.5 一つ一つのプレーが遅く判断も悪い。ボールを受けるときの体の向きが悪いので次のプレーにつながらない。ボールも収まらず良いところを見せられなかった。かといって守備で貢献したかというとそうでもなかった。相手のプレイスキックに対してはヘディングで頑張った。

柏木 陽介 4.0 ミスパスだらけでリズムを作れなかった。守備に関しては柏木選手だけの責任ではないのだが、前に出ることで逆に穴を作ってしまうことが多かった。

清武 弘嗣 7.0 ボールタッチとドリブルでリズムを作る。岡崎選手との呼吸もよさそう。自信を持ってプレーできていた。

長谷部 誠 6.5 中盤の広大なスペースはさすがに埋め切れなかったが最終ラインに戻り守備面で大きく貢献。決定的なプレーが多かったわけではないがチームに欠かせない役割を果たす。

原口 元気 6.5 気合の入ったプレーを見せる。特に試合序盤ミスが多かったのが残念だったが、これからもミスを恐れず積極的にプレーしてほしい。

岡崎 慎司 6.5 向いてないのにパワープレーによく対応していた。岡崎選手以外は基本的に誰も走りこまないので足元でもらおうとすると大混雑をきたす。体力的にはとてつもなく厳しい要求だと思うがチーム事情として裏に走り続けてほしい。

山口 蛍 6.0 決勝点を挙げたがその他ではあまり良い仕事ができなかった。特に守備面を期待されての起用だったと思うがたびたびとんでもないところにパスを通されていた。1対1での強さは安心できるレベル。フィードは少しずつずれていたけどそこまで求めるのも酷か。

浅野 拓磨 6.0 よく体を張ってチャンスを作っていた。ゴール前で仕事するというストライカーとして一番大切なものを守っている。

小林 悠 5.5 少しずつフィットしてきた感じ。そろそろ代表に定着できるかどうか判断されそうだから何か結果がほしい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 実力差ほどの結果を出すことができなかった。良い誤審に救われたので運はあるようだ。戦術と起用に統一性がないので監督が何かした方が良い。

蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対タイ代表 タイ・ラジャマンガラ スタジアム

最終予選黒星スタートからの大切な2戦目はアウェイ対タイ代表。試合を圧倒的に制した日本代表が2-0で快勝し、最終予選初勝利をあげました。

立ち上がりこそ積極的な守備を見せてきたタイ代表でしたが、試合が落ち着くと中盤のプレッシャーはほぼ皆無。中盤左サイド4番とボランチ7番だけ少し前に出てきますが、所詮連携していない個人プレーなので効果なし。タイ代表の攻撃は、やりたいことはあるようだけれど技術が追いついていない感じ。中盤でミスが多く、日本代表ゴール前までボールを運ぶことすらできません。タイ代表の中盤右サイドは全くプレッシャーをかけてきませんから、日本代表は左サイドを中心に攻撃。圧倒的に試合を支配して優位に試合を進めます。

日本代表の攻撃は、ボランチに山口蛍選手が入ったからか前節と違い両サイドバックが積極的に最前線に攻めあがる。その位置からサイドバックと中盤両サイドがコンビネーションで崩し、空いたスペースには代表初先発の浅野拓磨選手が走りこむ。最終ライン吉田麻也選手からも大きいサイドチェンジが垣間見え、UAE戦の反省をしっかり活かしているように見えます。

圧倒的に攻めながらなかなかゴールが挙げられない日本代表でしたが、前半18分、ようやくサイド攻撃が実を結びます。

右サイド酒井宏樹選手からのセンタリングに本田圭佑選手の後ろで待っていた原口元気選手がヘディングでゴール。サイドからの攻撃、中盤両サイドがゴール前に進入、と進化を見せた日本代表が1-0と先制します。

その後も圧倒的に攻め続ける日本代表。浅野選手がタイ代表のサイドバックの裏に走りこむことで多くのチャンスを作りますが、ゴールを上げるに至らず後半に入ります。

後半に入りさらに攻勢を強める日本代表。ショートパス、ロングパスを織り交ぜて責め続けますが得点が奪えません。

すこーしだけ押し込まれた後半25分、山口選手が前に残って森重真人選手がボールを奪いに前に出たところでミスパス。数的不利な状況で裏を取られますが西川周作三種のビッグセーブ!この試合唯一といっていいピンチを切り抜けます。

すると後半30分、キャプテン長谷部誠選手からのフィードに浅野選手が抜け出して追加点!日本代表2-0とリードを広げます。

その後タイ代表も前に出てきて、日本代表は守備を頑張っていることで前線に選手がいなくなり攻撃に出られなくなってしまい、試合はこう着状態が続いて試合終了。目的であった勝点3を獲得することに成功しました。

サッカーは相手があってするスポーツなのでこの試合はいいと思いますが、アジアとはいえ最終予選でこのような両サイドバックが前線に張り出す形は他のチーム相手には通用しないと思います。そういう意味でまだチームが修正しきれていないように感じました。次節イラク代表戦ではどのようなサッカーを見せてくれるのでしょうか。

 

西川周作 6.0 ほとんど攻められることはなかった。キックミスが多かったがグランド状態もあるのでどうなんだろう。イエロー食らったのはびっくりした。

森重真人 6.0 落ち着いてカバーリングを見せていた。森重選手がいないときにカウンターで裏を取られていたことからも重要性がわかる。攻撃のときロングパスが出せるようにしたい。あのイエローはなんだったんだろう。

酒井宏樹 6.5 積極的に攻め上がり先制点をアシスト。後ろに空けた広大なスペースを頑張って埋めていた。さすがに最後は体力が切れていたように見える。

酒井高徳 5.5 前線までよく顔を出していた。最終ラインを抜け出すような動きが見られず左サイドで突破するというよりスペースを作り出すことが多かったが、サイドバックなので突破まで期待したい。

吉田麻也 6.5 攻撃面でロングフィードを見せた。最終ラインからあのパスが出るとチームは助かる。守備はまあまあ。

本田圭佑 5.0 ミスが多く判断も遅いことが多かった。コンディションが悪いのではないか。

香川真司 5.5 よくボールに絡んでいた。チャンスメーク、フィニッシュと多くを求められ気の毒だが、今の日本代表は香川選手がいなければ攻撃が成り立たないだろう。今日は残念ながらミスが多かったが良いプレーが少ないわけではない。

山口蛍 5.5 守備面を求められての起用だと思うが、相手に十分寄せきれていなかった。あと一歩前に出ないと次の試合では相手に自由にプレーされてしまうだろう。

長谷部誠 6.5 守備も攻撃も中心になって頑張った。相手が2トップの形になったとき最終ラインをカバーしたことで攻撃ができなくなったことからも長谷部選手の貢献度が分かるというもの。

原口元気 6.5 攻撃でも存在感を見せ付けたが守備面でもしっかり貢献。一回行ってだめだと休んでしまうところは修正してほしい。

浅野拓磨 6.5 岡崎選手よりサイドを使うのがうまいので攻撃が形になりやすい。しっかりと結果を残すことができた。

武藤嘉紀 6.0 守備一辺倒の時間帯に入ったわりには積極的にプレーできたと思う。遠慮しないでゴール前に入ってほしい。

小林悠 5.5 少し消極的なプレー振りに見えた。いつもは大久保選手が下がってくるのでちょっと最前線の勝手が違かったのかもしれない。

宇佐美貴史 5.5 短い時間でよくボールに絡んだが結果を出すことができなかった。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 しっかりと結果を出すことができたが、UAE戦の反省として次につながるところまでは確認することができなかった。まあこの試合でできたとしても1ヵ月後にはまたできなくなってる可能性があるので、次の試合は次の試合としてまたしっかり準備してほしい。