蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成27年7月26日(日)2015明治安田生命J2リーグ第26節 東京ヴェルディ対京都サンガ 味の素スタジアム 稲城市・日野市・多摩市・立川市合同サンクスマッチ

20位に低迷している京都サンガをホーム味スタに迎えた一戦。高木大輔選手が自ら獲得したPKを決めた1点を守りきり、見事勝利を収めました。

京都の両サイドハーフが中に絞って攻撃してくるため、やや混乱するヴェルディディフェンス陣。サイドバックが絞るのか?ボランチが下がるのか?
戸惑いは攻撃にも波及し、サイドからの攻撃がなかなか機能しません。
最終ラインも、積極的に前に出る井林章選手と下がって迎え撃つウェズレイ選手の食い違いもあり、安定しない守備陣。
しかし、調子の出ない京都もミスが多く攻撃が不発。中盤でヴェルディにボールを渡す展開が続きます。

ヴェルディ攻撃陣はよくボールが回り前にボールを運ぶことはできるのですが、ゴール前に選手がいないことが多くシュートに至らない。
流行りのなでしこトレインで挑んだコーナーキックもいいところまでいくのですが最後の最後でうまく合わず。攻めても得点が入らない、嫌な展開で前半を終了します。

後半に入っても攻撃を続けるもいいシュート体勢に持ち込めないヴェルディですが、裏への飛び出しは続く。足が止まりだした京都は走りこんだ高木大選手とペナルティエリア内で接触。やや厳しめな判定ながら先に体を入れた高木大選手がPKを獲得!高木大選手が自らゴール右上に蹴り込み、ヴェルディようやく先制!

点が入って落ち着いたヴェルディと落ち着かない京都。その後得点が動かなかったのはゴールという結果の賜物。見事な勝利です。

ヴェルディ守備陣は京都攻撃陣のミスに助けられたようなところがありました。正面からぶつかれば安定しているヴェルディディフェンスですが、京都フォワードの動きにつられてかなりのギャップができていました。京都の選手交代にも対応でききれていなかったように見受けられます。守備は相手攻撃選手への対応とエリアへの対応とその二つを兼ねていかなくてはなりません。ウェズレイ選手や安在和樹選手など今シーズンのチームを新たに精神的にひよらずに支えてくれる選手がそろっているので、バランスを取るための約束事を徹底すればJ2ではそれなりの結果を残せるのではないかと思います。

ヴェルディ攻撃陣は、技術があって運動量や走り込みによるスペース作りにも長けているのでボールを運ぶことはできますが、最終的な目的であるゴールをあげるために、どこから誰がシュートを打つのかという点があいまいな気がします。楽に得点ができるようなボール運びを意識すると試合の結果がますます良くなるのではないでしょうか。

なお、得点後は誰か一人センターサークルに入って味方が帰ってくるのを待ちましょう。喜んでいる最中に試合を始められてしまったら即失点。チームの雰囲気最悪。いい流れを継続してほしいものです。

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平成27年7月12日(日)2015明治安田生命J2リーグ第23節 東京ヴェルディ対大分トリニータ 味の素スタジアム

最下位大分相手にホームで勝点3を手にしたいヴェルディでしたが、大分の気迫に押しやられ1-2と痛い黒星を喫しました。

福岡戦の反省からか、試合開始早々いきなりディフェンスラインの裏に走りこんだ安西幸輝選手がペナルティエリア内でボールを離さず倒される!しかし、笛はならない!よし、今日のレフェリーの基準が一つ見られたぞ!
と思ったのですが、空中戦以外はあまり笛が吹かれないことが分かっていないのか大分の気迫に押されひよってしまったのか、プレッシャーを掛けきれないヴェルディディフェンス陣は大分にフリーでのシュートを許してしまい2失点。
時間経過とともに運動量の増える大分の中盤の走りこみにもついていけなくなってしまいました。

一方攻撃陣は、付いてこない・競り勝てない大分のゆるいディフェンスラインに自由にさせてもらっていたが、パス出しのタイミングが遅いため最後のシュート場面で無理しなくてはならないケースが目に付く。後半に入り左サイド安在和樹選手の単純なオーバーラップからダイレクトのセンタリングが南秀仁選手のフリーからのボレーシュートにつながったように、サイドから単純に早い攻撃を徹底すれば得点の可能性も高まったと思うのだが、選手交代からは特に中央からの攻撃にこだわりすぎてしまいなかなかチャンスが作れない。中野雅臣選手はヘディングも強そうだったので、アランピニェイロ選手が珍しく競り勝っていた戦況を見たら中野選手が前半からもっとゴール前に積極的に飛び込んでいたらまた違う結果が見られたかもしれません。

ヴェルディはホームで弱くアウェイで結果を出すイメージがあります。アウェイの試合を全く見ていないのであくまで推測ですが、相手が積極的に攻めてくるアウェイでは真ん中から中央をゴールに向かって最短距離をまっすぐ進んでいけばチャンスもあるのかもしれませんが、ホームで(特に下位のチーム相手では)守ってくる相手に対して中央からの攻めも必要ですが、スペースの少ない中央だけではなくサイドから攻めていく工夫も必要になるのではないかと思います。

今後については、ホームとアウェイで(というか、相手によって)戦い方を変え中央が空いていれば中央から、中央が空いていなければサイドから攻撃していくこと、守備については人数がそろっているときは積極的にプレッシャーをかけていくこと、あわせてディフェンスラインの前のスペースを誰が埋めるのか徹底すること、ハイボールの守備のとき対応者が比較的明確化されているけれどそのせいでギャップが生じていることも事実なのでそのギャップを埋めるべくさらに役割分担を明確化していくこと、などがポイントになると思われます。

昨シーズンとは違う楽しみを提供してくれるヴェルディ。更なる高みを目指してサポーターをもっともっと楽しませてほしいです。

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平成27年7月4日(土)2015明治安田生命J2リーグ第21節 東京ヴェルディ対アビスパ福岡 味の素スタジアム 日野市サンクスマッチ

前節12戦負けなしの大宮戦にアウェイで勝利をおさめ迎えた雨中のホーム味の素スタジアム。全体的に押し気味で進んだ試合内容でしたが、後半ロスタイムのPKで追いつき同点で試合は終了しました。

ちょっと審判の判定や笛のタイミングが中途半端で荒れ気味の試合展開。前半ロスタイムボールへのプレッシャーがおろそかになったところにクリアミスが重なり押し込まれたこぼれ球からのシュートがディフェンダーに当たって先制を許す苦しい展開。
後半ボールをつないで試合を支配するもののシュートが決まらず、後半ロスタイムに南秀仁選手が自ら得たPKをど真ん中に決めて同点に追いつきなんとか勝点1を手にしました。

キーパー佐藤優也選手は雨の中安定したプレーを見せていましたが、帳尻ファウルでゴール取り消しとなったコーナーキックはポジショニングが不自然でした。キーパーのミスは即失点につながるので修正してもらいたいポイントです。

南選手はよくボールに絡んでいいのですがいかんせんミスが多すぎ。特に後ろの方でボールを取られるのは本当に勘弁してほしい。ボールを受け取ったポジションでプレーを使い分けられる賢さが課題です。

今日の試合のように審判の判定がはっきりしないというときは、ファールをもらったり相手が警告もらったりするようないい意味でのずる賢いプレーをしてほしいのですが、ヴェルディはどうも素直というか正直というか、少なくとも後半始まってすぐ警告もらった中後雅喜選手や福井諒司選手にはベテランであることも含めて反省を促したい。雨でグランド状態がすぐれないのにあれだけボールを回せていたのだから、相手のきついチャージに対して倒れて身を守る、サイドから簡単にセンタリングを上げる、ロングシュートを打つ、などのいい意味で雑なプレーが見られなかったことが勝利を収められなかった原因の一つであると思います。杉本竜士選手も今日のような試合では倒れるところは倒れてしまって問題ないです。

同じように慎重で素直で基本的であることは悪くないのですが、ディフェンスラインに人数がそろっているのに前に出る守備をしない場面も多々見られました。三竿健斗選手や井林章選手に多いのですが、ここで取れればチャンスでしかも抜かれても何とかなりそうだなあ、という場面でもずるずる下がって相手をフリーにしたりボールを運ばれたり。出るべきか出ざるべきか、場面場面での判断を磨いてほしいところです。

後半途中からアランピニェイロ選手が投入されたのですが、どうにもフォーメーションが中途半端というかなんというか、采配に迷いが生じているように思います。足の速い選手なのでスペースに走り込んでほしいのですが、今日のように裏にスペースがない時はサイドを有効に活用したい。でも張り出されるとサイドバックのオーバーラップが不発に終わる。そのため中にいるんだけど外に向かって走り込むという非効率なプレーに終始。個人的にはサイドにボールを開いて斜め及びくの字にに走り込むようにすれば得点につながるプレーができると思います。このあたりはチームとして早く答えを出した方がいいでしょう。

絶賛大注目な選手は安在和樹選手です。昨シーズンはテクニシャンタイプのいけすかないプレーぶりを見せていましたが、今シーズンは泥臭く最後まで粘るすがすがしいプレーを続けています。こういう選手がチームにいると心強い。中後選手が好調をキープしているので、コンビネーションに磨きをかけて勝利に貢献してくれることを期待しています!

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平成27年6月21日(日)2015明治安田生命J2リーグ第19節 東京ヴェルディ対ロアッソ熊本 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場

屋根のない駒沢で雨中行われたこの試合は、ちぐはぐな試合展開のまま90分が終了し、ヴェルディは0-2で熊本に敗れました。

サイドバックをディフェンスラインに4枚並べて4-4-2システムのヴェルディ。雨のグランドコンディションを計算したのか前線でハイボールを待ったり裏に走りこんだりする受け手の意図は見えたものの、ディフェンスラインは前線が全く見えておらず、三竿健斗選手と中後雅喜選手がいつもに比べて横並びになるくらい中後選手が下がってプレーしていたもののディフェンスラインとの距離が近すぎて機能せず、その割にはゴールキーパー佐藤優也選手に気軽にバックパスしたりして、ロングボールを待つ前線に選手が集まり中盤が薄くなることで余計にパスがつながらなくなり、攻撃が全く機能しません。

失点はまあしょうがないです。1失点目はヴェルディコーナーキックのクリアボールに対し熊本攻撃陣が全員ゴール前に戻っているにもかかわらずヴェルディ2選手がお見合い。ボールを奪われてロングシュートはキーパー佐藤選手の頭を超えてそのままゴール。2失点目は中盤でディフェンダーが空中戦に競り負けて相手ボールになったところカウンターを許しループシュートから失点。確かに防げない失点ではないのですが、そこまで崩されたわけでもなく修正も簡単で、同じ展開になってもそうそう点が入るところまで行くほどのものではないでしょうから、今日は失点してしまったけれど守備に関してはそれほどポジショニングが悪かったわけでもなく、ヴェルディ的にはそこそこ機能していたと言っていいと思います。ただ、サッカーは守備だけが守備ではないのが難しいところ。

建て直しが必要なヴェルディは、高木大輔選手に代えて井林章選手を投入。3-4-3システムに移行します。井林選手が入ったからか3バックになったからか、ディフェンスラインからロングボールが供給されるように。さらに中後選手がトップ下に入ることで中盤をなくし単純な攻撃への意図が明確になります。出場停止明けの平本和樹選手が好調で競り合いに強くトラップも正確でシュートも強い。しかし、トップに入った後サイドに展開したところでサイドの選手に消極的なプレーが増えいい形でのラストパスが通らない。かといって中盤でつなごうとするとカットされてカウンター。そのうち明らかに集中を切らしている選手もいたようですが、何とかそれ以上の失点は免れてそのまま終了。奇跡はそうそう起こらない。

試合が終わって選手がスタンドに挨拶に来るのですが、ちょっとふてぶてしく見えました。雨の中屋根もないのにサポーターは応援してくれていたんです(私はランクアップクーポンを使って屋根の下にいましたが)。選手たちがサッカーをすることができるのは、間違いなくサポーターがいるからでしょう。プロとしてサッカー選手を続けるのであれば、もう少しサポーターが喜んでくれるような納得してくれるようなそういうものを試合中も試合後も町の祭りでも見せてほしいと思います。

そういう意味で、試合終盤軽いプレーでボールをとられた後、たらたら歩いていた選手が多くいたのも残念です。そんな中、安在和樹選手は後半ロスタイムにも全力で自陣まで戻って守備をしていました。その時間帯には両サイドハーフは前線にべったり張り付いていたというのに。他の選手もせめて自分が取られたときくらいは取り返しにいくようなプレーをサポーターや子どもたちに見せてほしい。

布陣から見た監督の意図とピッチ上の選手たちの意図に食い違いがあるように見えましたが、特に気になったのは安田晃大選手です。経験的な課題からか判断力が高いというわけではないのですが、ボールが来る前によく周りを見ており、トラップの方向が的確で球離れが早く流れの中からリズムのあるプレーを見せてくれました。5トップ状態のトップ下でしたので前が渋滞しておりやりづらい部分もあったかと思いますが無難なプレー。しかし、なかなかボールが集まりませんでした。このあたりも監督と選手の間の意思疎通に課題があるようで違和感があります。チーム内で綱引きをしているのでチーム力が半減です。もったいない。

チームはこれで2連敗。外国人助っ人が出てないなどチーム状態は決して良くはありません。そんなときこそ基本に立ち返って、努力と感謝を続けること。勝てるチームだしもっと動員できるはずのチームです。プロサッカークラブとしての矜持を期待します。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成26年5月31日(日)J2リーグ第16節 東京ヴェルディ対栃木SC 味の素スタジアム

0-2からの3得点でヴェルディ見事な逆転勝利!な試合でした。
(件のとおりホームページに投稿できない状態でしたので、今回は短めです)

 

ヴェルディの攻撃は、杉本竜士選手がいつものようにずるずる下がって足元でもらうという動きが少なくサイドへ裏へとディフェンスを引っ張る。そのおかげで平本一樹選手へ当てることができたのと、栃木の選手が球際に強くなく自陣深い位置でもミスが少なくなかったことからヴェルディの攻撃は形を作ることができていた。
しかし、トップに当てたボールをサイドに開いたとき中に詰める選手が圧倒的に足りない。ボランチの中後雅喜選手や三竿健斗選手は充分とは言えないまでもそれなりに飛び込んでいたが、せっかくいい位置にいるサイドバックの安在和樹選手にも思い切ってゴール前まで飛び込んでいってほしかった。

前半41分くらいに一度左サイド斜めに走り出した杉本選手と逆サイドで待っている平本選手の間に安西幸輝選手が猛然と突っ込んできた場面があった。残念ながらボールが出なかった(が相手にあたって安西選手に渡るという奇跡)フォワード二人の動きだけでなく中盤やサイドバックも連動してスペースをうまく使ってほしい。

安在選手について言えば、オーバーラップした時に足元でもらいたい気持ちが強すぎて相手への脅威が減っている。中でもらってロングシュートも悪くないけど、裏に走り込む、ゴールライン付近までえぐる、といったプレーもたまには見せられるといいと思う。

なお、前半いいスペースを作っていた杉本選手も後半体力切れかいつもの下がって足元スタイルに変わっていったから、あの場面の交代は必要なことだったと思う。杉本選手は途中交代で悔しかったかもしれないけれど、今は若いんだし90分持たせるためにペース配分するより全力でプレーしきる今のスタイルを維持してほしい。その上で90分間戦い続けられる体力を。

栃木SCの攻撃は、あまり裏に走り込む気配を見せずサイドから早めに放り込んでくるスタイル。試合終盤にヴェルディはフォーメーションをいじるから(最近の富樫監督の流行なのだろうか)サイドの守備がめちゃくちゃになって選手をフリーにさせてしまったが、それまではサイド・中央ともよく守っていたと思う。失点シーンは見ていないのだけど。栃木SCもカウンターの時相手の前で足元につなぐんじゃなくて裏に走り込む選手めがけてスペースにボールを出していたら全く違う結果になったと思う。ヴェルディの守備が間に合っていないのに裏を狙わないパスによってヴェルディが守備に回る時間を稼げていた印象。フリーの選手がいるからすぐにパスを出すんじゃなくて、一番いいタイミングでパスを出すようにした方がいいと思う。

交代選手を見ていると、監督の試合想定は大きくずれていたように思う。逆転してすぐにボランチに永井秀樹選手を入れたり高木大輔選手も交代前に怪我をしていたようで足がついていかず結果警告受けていたように見えたし交代枠使い切って安在選手の足がつったから急遽フォワードに転向させたり。慌てて田村直也選手をボランチに上げたり戻して5バックにしたり澤井選手をサイドバックに下げたり平本選手をボランチあたりまで下げてフォワードがいなくなってクリアボールに誰も押し上げられず連続攻撃喰らったり。それでも勝てるんだから大したもんだと正直に思う。球際に強くなった。汚いプレーは嫌いだが激しいプレーはプロでは必要なこともある。そのあたりの意識改革が進んでいるヴェルディ、今後も期待だ。