蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

2019明治安田生命J2リーグ第28節 東京ヴェルディ対モンテディオ山形 味の素スタジアム

先週に続き50周年記念ユニフォームで戦うホームヴェルディ。味の素スタジアムには11月まで帰ってこないのでその前にホームで勝利をつかみたいところでしたがスコアレスドロー(0-0)となりました。

 

試合はほぼほぼヴェルディがボールキープするもシュートにはつながらず、山形のパワフルカウンターに吹っ飛ばされて上福元直人ゴールキーパーがぎりぎりで止めるという感じでした。

ヴェルディはボール支配していたものの、それは山形がハイプレスしなかったことと主に(アンカーに入った)佐藤優平選手の個人技によるところが大きく、チーム戦術としてボールが支配できていたと言えるかどうかは微妙な気がします。実際、山形がプレスをかけてきた後半25分くらいからの10分間程はヴェルディは手も足も出ない状況でした。夏の暑くて蒸す環境で山形との対戦を迎えたことはヴェルディにとって幸運だったかもしません。

プレスが少ない状況の山形は、5バックの両サイドをヴェルディ3トップのワイドに当ててきました。中盤4枚も中央に絞る形で守っていたため、ヴェルディのサイドバックがフリーとなり、ここもヴェルディにとって起点にすることができたのですが、ヴェルディの攻撃は山形守備陣が密集しているディフェンスラインと中盤の間へサイドから突進する形ばかりになっており、インサイドハーフがやや高すぎて山形のセンターバックにケアされてしまっていたこともあって、さすがにこれを崩すのは難しかったと思います。選手起用も影響したと思いますが、サイドから縦にえぐる形で(そのままセンタリングしないとしても)ディフェンスラインを崩すような戦略が乏しかったように感じます。

山形は普段ハイプレスをかけるチームなのに慣れない引いて守る戦術にしたのかなと思います。暑い中で賢い選択だと思いますが、慣れていないところが垣間見えてしまい、攻撃に連動性が欠けていたように感じます。攻撃時にはサイドハーフがもっと中に絞ってウイングバックを高い位置にもっていけるようなスペース作りができれば、1トップの孤立解消にもつながり、もっと脅威だったに違いありません。結果論ですが、ヴェルディはサイドバックや中盤が攻撃的で守備では2人しか守らないこともあったので、山形の攻撃が2人になっていたら耐えきれなかった可能性がぬぐえないところです。

今日は山形の引いて守る戦術により相手のボランチ手前や両サイドを起点にすることができたヴェルディでしたが、プレッシャーがかかってきたときにどうなるのかは未知数です。ただ、この試合ではトップにボールが収まることが以前に比べて増えてきたように感じるので、プレスをかけてくる相手に対してアンカーやセンターバックからトップに当ててワイドアタッカーやインサイドハーフが前を向くような展開もできてくれば戦術の幅が広がってくるのではないかと思います。あと、押し込まれたときに前後のバランスが悪くなる傾向があるので、相手のボランチあたりをよく観察して、クリアやこぼれ球を拾わせずヴェルディの攻撃(カウンター)に繋げる工夫も必要なのかなと思います。

暑い中でこちらも相手も計算が難しい試合が続くと思いますが、暑さも味方にして勝点を挙げていってほしいと思います。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成28年5月3日(火)J2第11節 東京ヴェルディ対モンテディオ山形 味の素スタジアム

無料券で忍び込んだためいつもより気合の入った今シーズン初観戦でしたが、残念ながら0-1の敗戦に終わりました。

 

前半2~3分まではヴェルディペース。前線のプレスに焦った山形ディフェンスはサイドバックあたりでボールを奪われてヴェルディは素早くゴールに迫る。しかしヴェルディの時間はあっさり終了。
山形はサイドバックがワンタッチでプレーするようになり、またボランチのアルセウ選手が落ち着いたボールさばきを見せる。ヴェルディはフォワードがやみくもに突っ込むだけなので、山形は一つ交わすだけであっさりとボールをつないで組み立てることができる。山形の攻撃がロングボールで頭か裏という作戦なのでヴェルディ中盤のプレスが余計にかからず、その後は山形の時間が続きます。

それでもヴェルディは前半23分、井林章選手の大きなサイドチェンジから細かくつないで杉本竜士選手がペナルティエリアに突っ込む!しかし残念、シュートは打てず。

山形は31分澤井直人選手からボールを奪い一気にカウンター。シュートはゴールに向かうものの平智弘選手がゴールに入って何とかクリア!
43分にも左サイドをドリブルで駆け上りさらに左に開いて折り返したボールに決定的なシュート!ここはヴェルディ唯一の30代柴崎貴広キーパーが体を張ってブロック。山形に得点を許しません。

ヴェルディは中野雅臣選手のフリーキックがゴールを脅かすも得点には至らず前半を終了します。

後半に入っても何となく山形ペース。とはいえ、山形も攻撃の形がいまいちで両チーム得点チャンスが作りきれない。

ところで山形は4-4-2システムだったようだけど、右サイドハーフが前線に残る変則型。そのためヴェルディは守備の時最終ラインはあまりインターセプトなど前に出ないし左サイドハーフは外側に気を取られてスペースが空くからかボランチもあまり前に出てこない。山形はサイドから攻めるときサイドハーフとサイドバックがいてボランチが絡むと、ヴェルディは2-3で守らなくてはならなくなる。
ボランチ相手なんだからボランチが出ればいいじゃんと思うのだが、ヴェルディはボランチが前に出ずフォワードが下がってくる守り方。しかし、残念ながらフォワードの戻りは遅い。
というわけで後半33分、悠々と左サイドでボールをキープされた結果、サイドから中央に攻め込まれ、一度はキーパー柴崎選手が防ぐもこぼれ球を山形に押し込まれ、ついに山形に先制を許す。

後がなくなったヴェルディだが、いかんせん攻撃の形がない。
特にサイドからの攻撃において、突破は見られるものの突破した時ゴール前に人がいない。突破した側もセンタリングを上げるそぶりも見せない。結局中側から外側に攻めることになるので、ゴールから遠く遠くへボールを運ぶという、攻撃してるのか守備してるのかわからないボール運びの方向。前線にボールが入ってもトラップして前を向いてドリブルする、というやり方なので当然つぶされる。シュートまで持ち込むことができない。

ということで後半40分、ウェズレイ選手を投入して放り込み作戦。これがかなり効いて押し込むも得点には至らず。

ここで試合終了。失点は不運もあったけど人数はいたもののサイドが薄くなり押し込まれてしまったという作戦失敗が大きい。得点できなかったのは必然の部分が大きい。ゴール前でシュートを打てるところに人がいないのだからなかなか得点は難しいだろうと思う。

攻撃面は前線での判断の遅さ、サイドを突破してもゴール前に人が入らないしゴール前に出そうともしない、外から中ではなく中から外に攻めてしまう、など課題が多い。少なくとも最終ラインを突破した時はゴール前に飛び込む、ロングシュートはこぼれ球を狙う、など基本的な約束事を徹底すべきだと思う。
また、今日の山形は右サイドが戻らなかったので、ヴェルディの左サイドは広大なスペースが生まれていた。しかし、澤井選手が中に入り込み過ぎてしまったこと、また右サイドの安西幸輝選手が開き過ぎてしまったことで山形ディフェンスのそろっているところばかり攻め込んでしまった。山形の作戦なのかヴェルディの柔軟性の欠如なのかわからないけど、右から左へサイドチェンジすることができればもっと楽にボールを運べたと思う(それでも中に人がいないので辛いとは思うが)。

守備に関しては、まずディフェンスラインがでこぼこになり裏を取られることは改善が必要。井林選手と平選手とどちらが指示を出すのか、二人の中で十分にコミュニケーションが取れていないのではないかと思う。コンビネーションを磨いてほしい。
ボランチの二人はボールへの反応もよくこぼれ球に素早く反応していたが、山形がボールを保持した時戻るだけのディフェンスなので山形は怖さを感じなかったのではないだろうか。必要な時はパスコースを消しながら(誘いながら)前に出るようなことも学んでいってほしい。
前線のプレスは落第点。ただボールに突っ込んで行くだけ。どこにボールを誘い込むのか、どこでボールを奪うのか、チームで統一されたものは何も感じなかった。その結果、フォワードが突っ込んで行ってパスが出されて中盤は追いつけずプレス終了、山形は楽にビルドアップという場面が多く見られた。前線でのボール奪取は得点の大きなチャンス。今一度チームで守備戦術を見直してほしい。

今シーズンは監督業の手伝いとプライベートな問題でなかなか試合を見に行くことはできないけれど、地元のチームであるヴェルディには常に注目しているし応援しています。今シーズンもベストを尽くして観客を魅せてくれることを期待しています。

 

採点

柴崎貴広 6.5 たびたびのビッグセーブで試合を作った。パワープレーに入った時もっと積極的にフィードできるとよかった。

大木暁 5.5 豊富な運動量で攻撃にも貢献。ただ、チームメイトとの関係もあるが、攻撃のあと後ろのスペースを狙われていたのに対応しきれていなかった。

井林章 5.0 相手の8番に翻弄されていたイメージ。いいボールが来なかったため問題なかったが、度々マークを外されていた。得意のヘディングもややミスがみられる。フィードがうまくなったが左足はいまいち。

平智弘 5.5 まだ信頼関係ができていないのか周りとバラバラな動きがみられた。こぼれ球を積極的に拾いに行くのはいいが緊張するのかコントロールミスしてボールが離れてしまうのでこれから直してほしい。

中野雅臣 6.0 今までのヴェルディに少なかった大型サイドバック。ボランチも小柄なヴェルディにあって空中戦に出られるサイドバックの存在は非常に大きい。フリーキックは山形に脅威を与えた。オーバーラップ時の小さいミスを何とかしてほしい。

楠美圭史 6.0 ボールに対する予測が良く球際も強い。パススピードも速いのでサイドの攻撃をうまく引き出していた。守備の時積極性も兼ね備えられるとなおよい。

井上潮音 5.5 抜群の判断力と的確なパス能力で試合を作る。ミスパスが多かったがこれから改善できると思う。背が低いぶん前へのディフェンスを磨いてほしい。

安西幸輝 5.0 ドリブルでチャンスを作るもボールがその先につながらない。迷ったり確かめたりしないで思い切りの良いプレーをしてほしい。

澤井直人 5.0 守備では頑張ったが肝心の攻撃面がいまいち。判断が遅いのでボールを奪われてしまう。簡単にはたいてリズムを作りたい。山形のシステム上目の前に広大なスペースがあったにも関わらずうまく使うことができなかった。

北脇健慈 5.0 フォワードやったり中盤やったり大変だった。次の次のプレーを予測しておらず、せっかくボールが前線に入っても受け手になり得なかった。サイドの人数不足をフォワードがフォローするのがチームの約束事であるとしたら、もう少しポジショニングを調整したかった。

杉本竜士 4.5 ボールが入ってもトラップして前を向いてドリブルして、というのんびりした攻撃。判断良くワンタッチでプレーすることも必要。得意のドリブルで突破を試みるも今日はボールが足につかなかった。中から外に動いてしまうので山形としては怖さを感じない。以前のような急に襲ってくるような狡賢い怖さを思い出してほしい。

渡辺皓太 5.0 頑張って動いていたがキックが遠慮気味。若さで思い切りの良いプレーを期待。

南秀人 5.0 フォワードとして入ってボランチに下がるという不思議な起用。パワープレーに出たのだから前に残ればいいのにと思う。

ウェズレイ 6.5 パワープレー要員として起用。かなりの確率で競り勝ちチャンスを演出。でも周りに味方が少ないので得点にはつながらなかった。

冨樫剛一監督 5.0 守備のズレを修正できず、あまり機能していなかった山形に失点してしまう。攻撃の形を作ることもできず、最後にパワープレーに挑んだのはよいが前線の数を増やさず是が非でも同点に、というものは見えなかった。