蹴球 \ サッカー日本代表

2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対イラク代表 イランPASスタジアム

ボールは疲れない。
空飛ぶオランダ人が遺した言葉は本当だった。ボールは疲れないけど、人は疲れるのです。

日本代表のディフェンスラインの裏や中盤とディフェンスラインの間などのスペースを効率的に使ってくるイラク代表に対して、日本代表は時々大迫勇也選手目掛けて放り込むこともあるけれども基本的には目の前の味方に細かくつないでいく「自分たちのサッカー」
攻撃が狭く、球離れの悪い選手が多く、体の向いている方向にしかパスが出せない日本代表の攻撃はイラク代表にとっては恐らくは組し易い展開だったでしょう。最終ラインで体を張って守れたことで日本は負けずに済んでよかったと思います。

試合は、トップ下に入った原口元気選手を筆頭にパスミスが多い日本代表に対して作戦通りにボールを運んでいるであろうイラク代表という展開。しかし、日本には大迫選手がいた。抜群の能力を活かし日本の攻撃を活性化。前半8分、イラク代表ゴール前まで押し込んでいた日本代表はコーナーキックから本田圭佑選手の絶妙なボールに大迫選手が頭で合わせて早くも先制。日本代表1-0イラク代表

イラク代表は41311みたいな変則的なシステム。守備時は442や433、451など日本代表に合わせて柔軟に変更し、攻撃時はボランチと左サイドハーフが時にはセンターバックの位置まで降りてスペースを作り、左サイドバックが空いたスペースに侵入し、センターバックが左に開いて展開していく形が約束事になっていた様子。ワントップの日本代表は最終ラインまで入り展開するイラク代表のボランチと左サイドハーフとセンターバックを誰が見るのかはっきりせず、技術のあるイラク代表の選手たちにフリーでプレーされてしまう。イラク代表はスペースを作った左サイドから右サイドをフィニッシュ地点として日本代表の左サイドバック長友佑都選手の頭の上を狙う作戦。実際に得点にはつながらなかったものの日本代表のことを良く研究していたのだと感心。

日本代表はせっかくダブルボランチにして中を閉じていたし、サイドバックが前にプレッシャーをかけてセンターバックが積極的に前や外へ出てしまってよかったと思う。このあたりは暑さ対策とシリア戦でサイドバックの裏をつかれた反省だったのかもしれないけど、結果的にはちょっとシリア戦がもったいないことになってしまった。

後半に入ってウィングがイラク代表のサイドバック(主に左)を見る約束になった様子の日本代表。しかし、ボールの出所には相変わらずプレッシャーをかけることができず、結局振り回される展開は変わらず。しかし、イラク代表も完全に裏をつけているわけではなく、押し込まれることさえなければ事故も防げて守りきれるはずだった。そう信じてた。

暑さのせいなのか、コンディションの問題なのか、理由はいろいろあるのだろうけれど、日本代表の選手がバタバタと倒れるようになってしまった。治療のため数的不利で戦う時間の増える日本代表。次第に選手たちは気持ち的に守りに入ってしまう。ディフェンスラインが下がり、中盤にスペースができる。守備のエリアが下がり日本のゴール前までボールを運ばれることが多くなってしまう。失点は必然でした。

後半27分、間で受けるイラク代表に対してスペースが広すぎて誰もプレッシャーをかけることができない日本代表。ボランチの遠藤航選手が裏を取られてしまい、ボールはもつれるようにディフェンスラインの裏へコロコロ。日本代表は深いラインを敷いているのでペナルティエリア内でディフェンスラインの裏に出たボールはキーパーが処理するのが基本だと思うけど、中途半端なところにボールが残ってしまう。残念ながら吉田麻也選手とキーパー川島永嗣選手のコンビネーションも狂ってしまい、慌てて川島選手が前に出るもボールをつかみきれず。こぼれたボールを押し込まれて同点。日本代表1-1イラク代表

その後イラク代表の前線の足が完全に止まり、失点のリスクが低くなった日本代表はスカスカの中盤を攻めてチャンスを作り出すも技術的なミスが多くシュートをゴールに飛ばすことができず。けが人続出の中、何とか終了のホイッスルまでグラウンドに立ち続け、同点で試合終了。とりあえずはワールドカップ出場に向けてまた一歩前に進むことができました。

日本代表はサイドチェンジや一人飛ばすパスを出せる選手がいなかったのが大きな不利に働きました。せっかくダブルボランチにしてもサイドバックもセンターバックもあまり前に出ないのでウィングが下がらざるを得ない。だったら岡崎選手をウィングで使って動き回らせた方が良かったと思います。自分たちのサッカーもいいけど、もう少しサッカーの本質に近づくことも必要ではないでしょうか。サッカーはボールをつなぐスポーツではなくてゴールを奪い合うスポーツ。こういう経験を確実に日本のサッカー文化醸成に繋げていきたいものです。

 

川島 永嗣 5.5 ピンチ自体は少なく安定したディフェンスラインを構築していたが、失点の場面はロングシュートを狙われだしていたため怖かったとは思うけど結果的にもう少し前目のポジショニングで良かったと思う。期待が大きすぎるかもしれないけど、少し遅れたとは言ってもあのタイミングであればちゃんとボールをつかんでほしかった。

昌子 源 6.5 緊張も解けたようで持ち味を出せていた。ラインコントロ-ルをしつつ裏もケア。これからも期待できる。

長友 佑都 5.5 身長差を狙われていたがよく体を当てて対応していた。ボールを追いかけて中に入ってしまう癖が今日は裏目に出たところがある。久保選手はいきなりで大変だったのではないか。

酒井 宏樹 5.0 守備面ではシリア戦の反省が生かせていなかったが、攻撃面ではよくボールに絡むことができた。後半早々に痛そうにしていたにも関わらず、試合に残った結果チームに迷惑をかけてしまった。

吉田 麻也 6.0 安定した守備を見せていたが、失点に絡んでしまった。キーパーに任せたかったのは分かるが、ああなってしまった以上コーナーに逃げてもよかったのではないかとは思う。

遠藤 航 6.0 守備面でチームに貢献。失点シーンではついていくことができなかったが、全体的にすばやい切り替えでカウンターを防ぎ、守備に入っては楔のパスを入れさせなかった。ボランチなので逆サイドにも展開したいところだが、普段クラブチームでもやっていないことをいきなり代表で求められても辛いところだろう。

井手口 陽介 6.5 チーム事情もあって守備も攻撃も大きな役割を担っていた。本来はインサイドハーフがやるであろう仕事までボランチからするんだから大変だったと思う。お疲れ様でした。

本田 圭佑 6.5 先制のコーナーキックは見事。守備も攻撃もよく走って頑張っていたが、ボールを持ったときにあまり仕事ができなかった。

原口 元気 4.5 あまりにも基本的なテクニックレベルのミスが多すぎた。コンディションの問題もあったと思うが、チームの足を引っ張ってしまった。

久保 裕也 5.0 守備ばかりを意識しなくてはならなかったので大変だったと思うが、次に向けていい経験になったと思う。一皮むけてほしい。

大迫 勇也 7.0 前線で孤軍奮闘。チームとしてもっと大迫選手を単純に使うことを意識しても良かったと思う。

今野 泰幸 5.0 堅実なプレーだったが、経験値からすると、守備の押し上げやボールの出所への対処をチームとして主導してほしかった。プレーとは直接関係ないが、交代を告げられた時、数的不利な状況にも関わらず準備がなかなか進まなくて時間を浪費したのはベテランとしていかがなものか。

倉田 秋 5.5 メリハリのある動きでチームに貢献したが、一人だけでは厳しかったと思う。守備のときボールを追いかけすぎて簡単に相手と入れ替わってしまうのは修正した方が良い。

酒井 高徳 5.0 周りがバテバテ状態の時に交代で入ったのにあまり貢献できず。元々体力は確かなものがあるのだから、ダイナミックなプレーを期待したい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.0 久保選手にこだわったのは得点を期待したからだと思うが、そうであればあれほどに守備の役割を担わさずダブルボランチに任せてもう少し攻め残りさせることも考えるべきではなかったか。得点を挙げるには守備の時にもある程度の攻撃準備がまた求められるものであろう。イラク代表の変則的なシステムにも対応ができず、けが人続出の中采配も後手後手に回ってしまった。長友選手の高さの不安もあったのだろうがセンターバックを中央に残すことを気にしすぎて守備も押し込まれてしまうし、そもそもどうやって得点を挙げたかったのか分からない。

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キリンチャレンジカップ2017 日本代表対シリア代表 東京スタジアム

東京スタジアムってなんだ?

ワールドカップ最終予選対イラク代表戦に向けた試金石。キリンチャレンジカップと言えば昔は日本代表と外国のクラブチームとが戦う今では考えられない大会でした。代表キャップ数とかも大事なビジネスチャンスなので(サウジとか代表戦やりまくってた)今は代表チーム同士の大会になりましたが、ボスマン裁判以降事実上の外国人枠撤廃が行われている現代においてはクラブチームを呼んだ方が盛り上がるかもしれないね。

さて、試合は4141シリア代表のアンカー脇を使いたい日本代表ですが、香川真司選手の試合開始早々負傷退場の影響もあったのか中盤でのリズムが悪くインサイドハーフがディフェンス間に入ってボールを受けられず常にプレッシャーを受け続けながらのプレー。攻撃がゴールまでたどり着けそうなのは吉田麻也選手や山口蛍選手のロングボールもしくは大迫勇也選手のポストだけという状態。今野泰幸選手に上がるよう指示していたのもボールを受ける場所を空いているスペースにしたかったからだと思う。

シリア代表の攻撃は必ずサイドバックから始まるような約束があるようだから久保裕也選手・原口元気選手のところで潰したかったところですが、両者とも攻守の切り替えが遅く攻撃の起点となるシリア代表のサイドバックはフリーでボールフィードを繰り返し、まるで、あれ、これ練習だったっけ、と勘違いしてしまいそうな攻撃ができていた感じ。日本代表としてはシリア代表のサイドバックをウィングが見られないのであればサイドバックが見ると決めてしまえばまだよかったと思うけどいかんせん中途半端でウィングが寄せられなくて慌ててサイドバッ
クが上がろうとし、そのタイミングで空いた裏のスペースをつかれ押し込まれる。山口選手のカバーもありディフェンスラインで止めることができていたはよかったけど、守備というのはゴールを守る以外にもボールを奪うという目的があり、ボールをなるべく相手ゴールに近いところで奪うことで「(良い位置から)攻撃を開始する」という守備の目的は全く以て達成できず。支配率では日本代表が優位に進めるものの、ボールの位置は日本代表のゴールの方が近い。どちらかといえばシリア代表が想定どおりといった感じの試合運びで前半終了。

後半立ち上がり本田圭佑選手が入ったからか前から積極的に守備を仕掛ける日本代表だがやっぱり個々のプレッシャー自体が弱くシリア代表は日本代表のプレスを交わしボールを運ぶ。ボールを簡単に運ばれるようになり、ショートコーナーから倉田秋選手が交わされてしまい早いタイミングでのセンタリングにヘディングで押し込まれてシリア代表が先制。日本代表0-1シリア代表

追いつきたい日本代表だが相変わらず中盤のリズムが悪くボールが前に運べずじまい。たぶん日本代表は中盤のパス回しとは別に両ウィングがシリア代表のサイドバックを引っ張って外にスペースを作りたいのだと思うんだけどあまりにもウィングが早く中に入ってきてしまうので日本代表のサイドバックがオーバーラップする前にスペースを埋められてしまう。しょうがないからサイドバックが前線に張り出してみたらシリア代表の中盤がゾーンなのに下がりきってくれて、中盤のプレスがなくなってようやく日本代表は中盤でボールが回せるようになる。ラッキー。中盤で展開がうまくいかなくても縦パスさえ出せるようになればもう日本代表のペース。大迫選手経由で左サイドを突破して長友佑都選手のセンタリングから今野選手が詰めて同点。日本代表1-1シリア代表

その後日本代表はサイドバック相手のサイドバックに対し明確に前にプレスをかけに出るようになり、裏の空いたスペースは山口選手に代わってアンカーに入った井手口陽介選手が埋めるという約束事が成立するようになり、それに伴いセンターバックがつり出されることも少なくなって守備が安定。サッカー7不思議の一つにディフェンスラインに人が少なくなることで守備が安定することがあるのです。

その後、乾貴士選手投入で圧倒的な攻撃力を見せつけるもラストパスの精度が低く得点には至らず試合終了。日本代表1-1シリア代表

全体的にコンディションに不安を抱えている選手が多いように感じる日本代表。イラク代表戦では走れる選手、頑張れる選手を多く起用してほしいと思います。
川島 永嗣 6.5 よく足が動いていたのでたぶん調子よさそう。

昌子 源 5.5 初めは緊張していたのかひどいもんだったけど、時間と共にだんだんプレーが良くなってきた。もう大丈夫でしょう。

長友 佑都 6.0 相変わらず自由に動くので時々バランスがひどいことになるからアンカーシステムでお守すると良さが生きる。

酒井 宏樹 6.0 狙いを持ってやろうとしていることはわかる。運が悪かった。

吉田 麻也 6.5 終盤の連続クリアミスはいただけないが、全体的にそれなりの安定性能を見せた。もうチームに欠かせない。

香川 真司 6.0 早く怪我が治りますように。

山口 蛍 6.0 攻撃面ではロングボールに活路を見出す。守備でのカバーリングは見事だが、何もないところで転んでたしあんまり調子が良くないのかもしれない。ちょっと太った気がする。

今野 泰幸 5.5 とにかく球さばきが悪い。中盤から繋ごうとすると今野選手で止まってしまう。シリア代表の中盤は走り込みについてきていなかったから、前線やアンカー脇に持ち前の運動量で突進してほしかった。

原口 元気 5.5 攻守の切り替えが遅くシリア代表にペースを握らせてしまった。シュートには絡んだが、中盤の構成でももう少し顔を出したかった。

久保 裕也 5.0 何をするにもタイミングが悪い。やりたいことはわからなくもないが、手段が目的化してしまっている感じ。

大迫 勇也 7.0 ボールは収まる、振り向ける、守備への切り替えも早い。昔に比べて得点以外のプレーの意識が高くなっていて、得点自体は少ないかもしれないけど悪くないと思う。

倉田 秋 6.0 中盤で唯一機敏な動きを見せる。あまりチャンスに絡めなかったが次に期待したい。

本田 圭佑 6.0 よくボールに絡むもいかんせんミスが多すぎる。インサイドハーフとしてうまくパスが通った時はいいが、ボールロストを繰り返すようだとショートカウンターの餌食。

井手口 陽介 6.5 ディフェンスラインのお守までよく走った。守備が安定した要因の一つ。

乾 貴士 6.5 ドリブルで相手を翻弄。格の違いを見せつけた。でも守備は穴が多いから監督の立場からしたら使い辛いかもしれない。

浅野 拓磨 5.5 あまり持ち味を発揮できず。周りも見えているようだし冷静にプレーできてはいたようだ。

岡崎 慎司 5.0 なにせボールが収まらない。そういう選手じゃないので申し訳ないが、岡崎選手の良さを生かすためにはシステムも含め再考の余地あり。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 ボールを前目で奪えない、最終ラインでのボール回しを余儀なくされる、プレイスキックから失点、と前回のイラク代表戦の課題が修正できず。それでも、主力メンバーと経験の少ない選手がわかりあうという目的はある程度達成できたのではないかと思われる。

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2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 日本代表対イラク代表 埼玉スタジアム2002

結果がすべて!ひどい試合でしたが、日本代表は2-1と見事に勝利を挙げ、ワールドカップ出場に望みをつなぐことができました。

バラバラの守備を見せるイラク代表に対して日本代表は最終ラインでボールを回して取られるか、放り込んで跳ね返されてそれを取り返すかの2択で攻める。当然得点のにおいが全くしない。空中戦で圧倒されてピンチの方が多い状態で試合が進みます。

これはいったいどうなるものかと思った前半26分、中盤でボールを奪うという珍しいことが起きた日本代表はカウンターを発動。清武弘嗣選手がドリブルで運ぶと右サイド本田圭佑選手へ。本田選手は判断が悪くボールを受けたときの体の向きも最悪でしたが、回りこんでオフサイドエリアに侵入した清武選手へのパスを審判が良い誤審をしてくれたのでゴール前フリーになった原口元気選手にボールがつながりトリッキーなシュートで先制。1-0。勝負事には運も必要なのです。

その後も楔に対して攻めも守りも反応が悪い日本代表はボールを保持する時間は長いものの清武選手の個人技くらいしか形にならずそれでも失点はなんとか免れそのまま前半終了。

後半に入り日本代表は守備の選手間の距離が少し縮まり修正を見せてきたのですが、やっぱりフリーキック(高さ)にやられた。

後半15分、遠目からのフリーキックに一発でやられて同点。1-1。運がなかった。

その後はイラク代表が選手交代から前線の選手が減って後ろに人を配置するようになり、日本代表が最終ラインでボールを回して放り込んで跳ね返される形が続く。日本代表としては一番怖いのは最終ラインでボールを取られることなので、そこのプレシャーが少なくなったのはありがたかった。

そういうことでチャンスが多くなるものの得点は挙げられない日本代表。いよいよ吉田麻也選手を前線に上げパワープレーの様相が一層顕著に。それが一番形になるんだからサッカーって分からない。

後半ロスタイムじゃないアディショナルタイム(インジュリータイムどこいった)パワープレーに吉田選手がスペースに走りこんで粘って得たフリーキックから山口蛍選手が値千金の勝ち越しゴール!2-1。ドーハとかジョホールバルとか使いやすそうなありがたい試合展開で日本代表は見事に勝利を挙げました!

攻撃も守備も課題だらけでしたがボールをキープできるのでチャンスの数を考えればまあ妥当な結果といっていい勝利だったと思います。

攻撃については、どうせ放り込むんだからそういう選手を配置した方が良いのではないでしょうか。岡崎慎司選手は一つ下げましょう。

守備については、ボランチが一人前に出る→もう一人のボランチが寄せる→開いた中を使われる、という展開を最後まで修正できませんでした。ディフェンスラインも上がらないようですから、諦めてアンカーとか置いた方がもう良いんじゃないかな。アンカーとインサイドハーフできる選手がいるというような積極的な話じゃないので機能するかどうか分からないけど、今のままでは難しいと思う。穴が開くところに人を多く配置して弱点を補う。人は城人は石垣人は堀。

選手の質で言ったらアジア随一の実力を誇る日本代表。ワールドカップに出られなかったらもったいない。

 

西川 周作 6.0 安定していた。毎回セットプレーでやられるので、キーパーとして守備陣を何とかしてほしい。

森重 真人 6.5 気迫あふれるプレー。パワープレーでは正確なフィードで貢献。カウンターを受けたとき少し相手を離してしまうのが怖い。

酒井 宏樹 6.5 守備の選手の中では最も予測のきくプレーを見せる。ファールが多いのが残念。ミスパスの多さは相変わらず。

酒井 高徳 5.0 高さでかなわないんだからボールじゃなくて相手に競るべきだった。同じミスを繰り返すのは課題。

吉田 麻也 6.5 脇の甘さは相変わらずだが、高さに強いのは貴重。もう一人いたらフォワードでも良いかも。

本田 圭佑 4.5 一つ一つのプレーが遅く判断も悪い。ボールを受けるときの体の向きが悪いので次のプレーにつながらない。ボールも収まらず良いところを見せられなかった。かといって守備で貢献したかというとそうでもなかった。相手のプレイスキックに対してはヘディングで頑張った。

柏木 陽介 4.0 ミスパスだらけでリズムを作れなかった。守備に関しては柏木選手だけの責任ではないのだが、前に出ることで逆に穴を作ってしまうことが多かった。

清武 弘嗣 7.0 ボールタッチとドリブルでリズムを作る。岡崎選手との呼吸もよさそう。自信を持ってプレーできていた。

長谷部 誠 6.5 中盤の広大なスペースはさすがに埋め切れなかったが最終ラインに戻り守備面で大きく貢献。決定的なプレーが多かったわけではないがチームに欠かせない役割を果たす。

原口 元気 6.5 気合の入ったプレーを見せる。特に試合序盤ミスが多かったのが残念だったが、これからもミスを恐れず積極的にプレーしてほしい。

岡崎 慎司 6.5 向いてないのにパワープレーによく対応していた。岡崎選手以外は基本的に誰も走りこまないので足元でもらおうとすると大混雑をきたす。体力的にはとてつもなく厳しい要求だと思うがチーム事情として裏に走り続けてほしい。

山口 蛍 6.0 決勝点を挙げたがその他ではあまり良い仕事ができなかった。特に守備面を期待されての起用だったと思うがたびたびとんでもないところにパスを通されていた。1対1での強さは安心できるレベル。フィードは少しずつずれていたけどそこまで求めるのも酷か。

浅野 拓磨 6.0 よく体を張ってチャンスを作っていた。ゴール前で仕事するというストライカーとして一番大切なものを守っている。

小林 悠 5.5 少しずつフィットしてきた感じ。そろそろ代表に定着できるかどうか判断されそうだから何か結果がほしい。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 5.5 実力差ほどの結果を出すことができなかった。良い誤審に救われたので運はあるようだ。戦術と起用に統一性がないので監督が何かした方が良い。

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平成28年1月26日(火)リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権準決勝 日本対イラク カタール・ドーハ アブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアム

勝てばリオデジャネイロオリンピック出場権を手にすることができる準決勝。日本代表は後半アディショナルタイムに勝ち越し点を奪い2-1でイラク代表を下し、見事決勝に進出するとともにオリンピック出場権を勝ち取りました。

ディフェンスラインでつながずセーフティに試合を進める日本代表とフォワードの頭めがけてハイボールをぶつけるイラク代表。勝負に徹した両チームの試合は中盤が間延びした展開となりました。

中盤に南野拓実選手と中島翔哉選手という攻撃的な選手を並べた日本代表は両サイドハーフが中に絞って攻撃を組み立て。イラク代表はあまり守備で貢献しない中島選手の後ろのスペースを基点にボールを動かします。序盤はあまりコンディションが良くなさそうなイラク代表に対し、あまり裏を狙われないために積極的に前に出られる日本代表ディフェンダーの良い出足で日本代表が優位に試合を進めます。イラク代表はディフェンスの出足も良くないので日本代表フォワードが簡単にフリーになりボールが納まる。さらに良い攻撃につながります。対するイラク代表はセットプレーで得点チャンスを作り出すも単発の攻撃に終わります。

前半26分、ボールの動きを読んだ遠藤航選手のインターセプトから中島選手が縦につなぐと鈴木武蔵が持ち前のスピードで一気に抜け出します。センタリングはゴール前に走りこんだ久保裕也選手へ。見事なカウンターで日本代表が1点先制です。

イラク代表は中島選手の裏を基点にするために、1トップから2トップに。山中亮輔がカバーしきれなくなり徐々にイラク代表のペースに。2トップになったことで遠藤選手が最終ラインに入ることも多くなり、中盤が下がってこない日本代表はクリアボールを拾うことができず連続攻撃を受けることになります。

押し込まれてイラク代表に与えてしまった43分のコーナーキック。鈴木選手がニアサイドでクリアミスしてしまいボールは日本ゴールへ。ゴールキーパー櫛引政敏選手が何とか弾くもイラク代表に押し込まれる。櫛引選手がもう一度弾くも、植田直通選手と奈良竜樹選手が二人ともその前の競り合いで倒れてしまっており、遠藤選手がカバーに入るも競り勝てず、イラク代表が同点に追いつきます。

後半に入り、徐々に足が止まり始める日本代表。中盤のプレスが機能せず、最終ラインは下がるようになり、こぼれ球を拾われ続け、イラク代表の連続攻撃が逆転ゴールをあげるのは時間の問題かと思われましたが、日本代表の最後の粘りとイラク代表の決定力のなさに救われて迎えた後半アディショナルタイム。

センターバック植田選手からのロングボールに途中出場の浅野拓磨選手が反応。こぼれ球を拾った南野選手からのセンタリングはオナイウ阿道選手には合わないものの、キーパーが弾いたボールに原川が落ち着いた1トラップから勝ち越しゴール。

そのまま試合は終了。2-1で勝利した日本代表は6大会連続のオリンピック出場を決めました。

疲れからか動きの鈍さも見られた日本代表。相手に助けられた部分もあるとはいえ着実に勝利を収めました。次は決勝です。重圧から開放されたチームが思い切った試合を戦うことで最高の結果を得られることを期待しています。
櫛引政敏 7.0 たびたびのビッグセーブで勝利に大きく貢献。失点シーンは良く反応していたともいえるが、試合を切るような弾き方ができたかもしれない。

植田直通 6.5 競り合いに強くカバーも堅実。時折とんでもないポカを何とか減らしていってほしい。

山中亮輔 6.0 よくカバーに走る。前線へのフィードでも貢献。ただ、全体的に判断が遅くチームを危機に陥らせることもある。

室屋成 6.0 競り合いに負けずよくカバーに走っていたが、下がりすぎてしまいオフサイドが取れず最終ラインを上げられない要因ともなってしまった。それでも強い責任感で体を張り続けたおかげで勝利を得ることができた。

奈良竜樹 7.0 鋭い出足と強い競り合いでイラク代表を封じた。ラインコントロールという部分は未完成。これからに期待。

遠藤航 7.5 時に最終ラインまで戻り競り合いに参加し、中盤では多くのインターセプトでチームに貢献。ミスパスもあったが裏を狙うことが多かったためピンチになることは少なかった。

原川力 7.0 中盤で確実につないでチームを安定させた。守備も頑張っていたが、中島選手のフォローはやや荷が重かったように感じる。遠藤選手が最終ラインに入ったときに一人でこぼれ球対応しなければならなくなったのは気の毒だった。決勝点はお見事です。

中島翔哉 6.0 ボールへの絡みは少ないもののシンプルなプレーで縦に速い日本代表の攻撃を演出。ただ、中盤で起用されているのに守備をあまりしないのでイラク代表の攻撃の基点とされてしまった。

鈴木武蔵 6.0 見事なスピードで先制点を演出。しかし、クリアミスから同点ゴールを許してしまった。チャンスが多かったのでどこかで得点してほしかった。

久保裕也 6.5 イラク代表のプレッシャーが少なかったこともありディフェンスの間でうまくボールを収める。ぎりぎりのところで決めた先制ゴールでチームに大きく貢献。後ろからのチャージでファールをもらったときにあっさり起き上がらず少し痛がったりして相手にカードを与えても良かった。

南野拓実 6.5 中に絞りディフェンスの間でボールを受けて多くのチャンスを演出。得点に絡めず残念。あまり守備をしなかったがイラク代表の攻め方からすると守備をする機会がなかったとも言える。

オナイウ阿道 6.0 自信がついたのか落ち着いたプレーでボールを収める。守備でも期待されての起用だったと思うが、勝ち越し点を上げるまであまり守備を頑張らなかった。

浅野拓磨 6.0 よくボールに絡み、無難にボールをつなぐ。もう少し思い切ったプレーをしても良かったかもしれない。

豊川雄太 - 終了間際に投入。勝利の瞬間をピッチで味わう。

手倉森誠監督 6.0 チームの課題を修正できなかった。最終ラインに対人に強いセンターバックを並べるのはある程度あたったが、加えてクリアボールを拾える戦術がほしいところ。短期決戦に必要な運を持った監督である。

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平成27年6月11日(木)キリンチャレンジカップ2015 日本代表対イラク代表 日産スタジアム

ワールドカップ前最後の親善試合は4-0とイラクを圧倒。点が入って良かった良かった。

日本代表の攻撃は柴崎岳選手の縦&裏パスとセットプレー。
セットプレーは単純にやってるように見えてしっかりと作られていた印象。ニアに高い選手を複数飛び込ませてクロスして裏に走りこむ二人くらいの選手をゴール前でうまくフリーにしている。今後はバリエーションを増やしていくことになるだろうけれど、今の基本の形をしっかりと充実させることでセットプレーやゴール近くの守りなど様々な相乗効果を期待できる。
イラク代表の守りがかなりルーズで岡崎慎司選手が引っ張ってもディフェンダーが付いてこずゾーンなのに自分のゾーンですらマンマークできず二人同時に動き出すなど組織としての混乱が見られスペースを作り出すことができない試合展開でも冷静迅速な判断でボールを散らし縦パスを多く配給した柴崎選手は今日の試合では欠かすことのできない存在。まだまだ軽いミスが目立つがよく集中して周りを見ている。敢えて言えば、ボランチのポジションとしてはもう少しボールを奪うプレーがほしい。今はボールのコースにいるだけだが、相手のプレーをしっかり予測して線ではなく点でボールを奪いにいってほしい。

日本代表の守備はサイドの守りに課題。
通常のサッカーチームにはセンターバックをできる選手がサイドバックやボランチにいて中央を固めることができるのに対し、日本代表長年の課題としてセンターバック的人材が圧倒的に不足している。実際ボランチの選手をセンターバックに起用したり。決定力不足云々より大きな課題だと思う。サイドから攻められたとき一般的にはサイドバックが前に出てセンターバックがカバーに入り全体的にチーム全員がボールサイドに寄せていくものだが、今日の試合ではサイドバックが最終ラインに残りフォワードやボランチがその前を埋めるような守備をしていた。その結果センターバックは中央に残ることができるのだが、どうしてもサイドを侵入されてしまうし、フォワードが戻れずボランチが寄せていくとセンターバックの前のスペースが空いてしまう。後半に入りセンターバックが前に出たりサイドバックが前に出たりいろいろ試していたようだがまだまだ徹底できていないように感じた。個人的にはセンターバックを中央に残した方が良いと思うので、フォワードも守備の意識を高めてサイドを戻ったり逆サイドから中央を埋めたりしてボランチの負担を減らしてほしい。アジアでの戦いは中央ハイボールが重要になってくるので、メッシやクリスティアーノロナウドでない限り、センターバック的選手を起用できないのであればフォワードにある程度守備もしっかりできる選手を起用していくべき。

ハリルジャパンは内容よりも結果を求めているようなので、効率的に得点が奪えるセットプレーや中央を高さで守るためにセンターバックを残す作戦はさらに重視されていくのだと思う。今後は暑い中でも裏を単純に狙う走りこむサッカーが続けられるのかということと、先制されても同じサッカーが続けられるのかということと、フリーキックが取れないときにどうやって攻めるかという部分が気になる。特に両サイドのフォワードにサイドをえぐるより中に入ってシュートを打つタイプの選手を配置しているとコーナーキックの回数が減ってくるだろうから、カウンターを防ぐという意味合いよりコーナーキックを取るということで強引にシュートで終わるようなことも必要になってくるのだと思う。でもそれは日本の選手が比較的苦手としているプレー。今は勝っているからいいけど、結果が出ないときにどう精神面を維持できるかが最終的な結果に関わってくると思う。協会としても悩むことになると思うけど、全力でハリルホジッチ監督をサポートしてほしい。