蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年11月12日(木)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対シンガポール代表 シンガポール・ナショナルスタジアム

日本代表勝利!3-0とシンガポール代表を破る。

早いパス交換からリズムのいい攻撃を繰り出していた日本代表。金崎選手がディフェンスラインを押し込むことによりできた4バックの両サイド裏のスペースを早いタイミングで使うことができたのは良かったです。得点は3点だけでしたが、10点近く取れていてもおかしくないチャンスを作り出していたのであんまり気にすることはないと思います。決定力とかいうよりも質の高いチャンスをたくさん作ることで数打ちゃ当たるものですから。ただ、試合が始まってなかなか点が取れなかったり相手に先に点を許したりするとどうしても焦りというか疑いのようなものが出てきます。これから先最終予選などでは今よりも得点が少なくなるでしょうから、どれだけ間違いのない戦術の中でどれだけ自分たちを信じて全うできるかが大切になってきます。
ただ、守備は修正が必要。中央で相手と対するのが森重選手はともかく背の低い長友選手では失点は免れない。ゴール前をどう守っていくのか組織力が問われる。

金崎選手について
金崎選手は岡崎選手と違って前でディフェンスラインを押し込めるので攻撃の幅が広がります。あれだけ押し込めれば両サイドの裏が使えるので相乗効果。前半30分過ぎくらいから圧倒的な攻撃の時間が合ったけど、そのときあまり目立たなかった金崎選手がディフェンスラインを押し込めたのが大きい。引いてスペースを作る岡崎選手と押し込んでスペースを作る金崎選手。ディフェンスが強くなってきたとき金崎選手が機能するかは未知数ですが、現在の日本代表の中盤の構成を考えると岡崎選手より金崎選手の方が日本代表は攻めやすいのではないか。もちろん金崎選手に岡崎選手を絡ませるのは効果的だと思います。
なお、2点目のとき長谷部選手からの縦パスをうまくさばいて一発で前を向いてパスを出したのは良かったけど、パス出しの後立ち止まってたのはいただけなかったな。

宇佐美選手について
相手の運動量が減っているときに宇佐美選手を投入するのは効果的なのですが、前線や中盤の運動量が減ってきているときに宇佐美選手を投入してもあまり改善されないでしょう。技術の高い選手ですが欠点もある選手なので監督にはもう少し使い方を配慮してもらいたい。(宇佐美選手も頑張れ)

香川選手について
ワンタッチプレーは別格。グラウンドが荒れてきていたからかミスも多かったが意図のあるプレーをあの判断スピードで実現していくんだから大したもんだ。周りの理解が進めばもっと活躍できるだろう。

原口選手について
運動量もあり積極的でいいプレーを見せる。中央で香川選手とのコンビは小気味良い。本田選手もうかうかしていられないのでは。

柏木選手について
とにかくうまい。運動量もある。後半日本の足が止まってきたときには長谷部選手とともに積極的に前線へ走りこむ。青山選手とともにJの誇る今お勧めのボランチ。足滑らせても正確なプレイスキックは日本代表の大きな武器になる。ただ、日本のディフェンスラインを考えると今後どうなるのかは不安。

吉田選手について
ミスが多い。積極的に前に出るのはいいがディフェンスラインを省みない守りは組織的とはいいがたい。日本代表は最終ラインに背の高い選手が起用されるとは限らないので、ゴール前をしっかり守ってほしい。試合を通じてヘディングミスが続いていたのは存在意義を疑われかねない。

清武選手について
期待していただけにちょっと残念な印象。時折見せるワンタッチプレーやパス精度は類まれなものを感じるので継続的に表現していってほしい。ユニフォームを破られながらもスピードの落ちないフィジカルには驚愕した。

攻撃のバリエーションが増えてきたのは高評価だが、後半は新たな攻撃にこだわって幅が狭くなってきたのは、やはり監督の指示がうまく伝わっていないのではないだろうか。中からも外からも遠くからも攻められるのだから、その選択を間違わないように戦っていってほしい。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成27年11月1日(日)J2リーグ第39節 東京ヴェルディ対ジュビロ磐田 味の素スタジアム 多摩市サンクスマッチ MJSデイ

プレーオフに向けて前進したいところでしたが、前半24分に退場者を出し前半41分にはエースジェイ選手を怪我で交代させざるを得なかったたジュビロに対してなすすべなく0-3で敗戦してしまいました。

前半はヴェルディのペースでした。ショートパスやドリブルでの突破が効果的で、ロングボールを使ったサイドチェンジも織り交ぜた攻撃は驚異的でもあり、守備でもジェイ選手の頭めがけて放り込んでくるジュビロの攻撃に対しセンターバックの井林章選手や田村直也選手が競り負けず中盤もディフェンスに踏ん張りを見せ、攻守にジュビロを圧倒しました。攻撃時に中盤がサイドに開いて突破した時にゴール前に入り込んでくる選手が少ないという欠点はあったものの、多くのチャンスを作り出すことに成功。

前半23分には、素早い切り替えで中央のスペースを突いた南秀仁選手がドリブルで切り込み高木大輔選手にスルーパス。高木選手のシュートはジュビロGKカミンスキー選手に一度は防がれるもののこぼれ球に素早く反応して二度目のシュートはジュビロDF森下選手の腕に当たりPK獲得&森下選手一発退場。しかし、南選手の真ん中を狙ったPKはカミンスキー選手に防がれ得点ならず。ここで、退場者を出したジュビロは中盤でバランスを取っていた太田選手を下げ、センターバックを補充します。

前半のうちは、この交代は状況を悪化させていました。ヴェルディのサイド攻撃に対しサイドバックの外側を中盤がフォローする形で守るジュビロにあって中盤と最終ラインのバランスを絶妙にとっていた太田選手がいなくなり、グラウンドのいたるところで数的不利に陥ったジュビロは、両サイドを突破され、中央にスペースを作り、さらにはけが人まで出てしまいまさに大混乱。

しかし、後半に入りジュビロの守備が立て直されます。オフサイドトラップを多用することでヴェルディFWの走り込みを抑え込みます。最終ラインのカバーまで走り回っていた太田選手がいなくなったことが逆にオフサイドトラップをかけやすくする土壌を形成していました。その結果ヴェルディの中盤はスルーパスを出しづらくなり迷いから判断の遅れが目立つようになり、攻撃が遅くなりがちに。しかも最終ラインを押し上げ守備の面積が狭くなることで少人数で守っていても判断の遅いヴェルディ攻撃陣に強い圧力をかけることに成功。逆サイドのスペースまで埋められるようになり、ロングボールでのサイドチェンジは蹴ることも難しければフリーになることも難しいという状況を作り出しました。この結果ボールをつなごうと中央に集まるヴェルディMFの裏をかき外で起点を作り出せるようになったジュビロは守備の薄いサイドでのボールキープにより時間を稼ぎオーバーラップの時間を作り出し、慌てて対応するヴェルディの裏を突くことができるようになりました。

数的不利からの太田選手の交代、ディフェンスラインの押し上げによるプレーエリアの縮小化とプレッシング、オフサイドトラップによるヴェルディFW走り込みの無効化、ヴェルディの選手を中央に寄せることでサイドからの攻撃時間の創出など、ジュビロの戦術と修正力はヴェルディを大きく凌駕していました。

やっぱり名波浩監督はゾーンプレスを受け継いでいるのかしら。

一方ヴェルディは中央のスペースをうまく使いジュビロディフェンスにギャップを生じさせたいところでしたが、オフサイドトラップを意識させられていたのと数的優位を気にし過ぎていたのかサイド攻撃に偏り過ぎており、サイドチェンジのできないサイド攻撃はジュビロのゴールから遠いところでの相手にとって怖くない攻撃にしかなり得ず、自らリズムを崩してしまいました。

後半4分、ヴェルディ左サイドを突破したジュビロは走り込む時間を作り出して一気にシュートし先制。直前のプレーで傷んでいたように見えた田村直也選手はついていくことができず、その直後チーム戦術も含め交代。一歩遅かった印象。ちなみに、ボランチが展開できなくなったのはジュビロの戦術変更が大きな理由なのでヴェルディは付き合ってボランチを修正させる必要はなかったと思います。それよりも中から攻められるように平本一樹選手の早期投入や振り向くことができる高木善朗選手を前の方で起用するべきでした。

後半16分、三竿健斗選手が転んでいる間にアダイウトン選手に右サイドをドリブル突破され2失点目。

後半18分にはジュビロがゴール前フリーでのシュートをミスに助けられたものの全く修正がきかないヴェルディ守備陣。

後半24分、中後雅喜選手のクリアが後ろに転がり、三竿選手が一歩届かず、井林選手のフォローが届かず、あと一歩が3つ続いてアダイウトン選手に押し込まれ3失点目。

徐々に中盤のプレッシャーがきつくなるものの、センターバックが持ち上がらないヴェルディは最終ラインでいつも2人余る状態。これではせっかく1人多い状況でもフィールドでは逆に1人少ない状態で戦っているようなものでした。
その後もシュートチャンスは作るものの、しかし大事なところでミスが出たりあと一歩が届かなかったりジュビロの体を張った競り合いを崩せず得点を挙げることができませんでした。セットプレーでもファーサイドを狙う意図は垣間見えるのですが精度がいまいちでチャンスを広げることはかなわず。

最後はパワープレーに持ち込む気力もなく試合終了。大幅にゲームプランが狂ったはずのジュビロに修正力を見せつけられての貫禄負けです。

もう残り試合も少ないので、内容にこだわっている暇はありません。平本選手とブルーノコウチーニョ選手のツインタワー(もしくは井林選手のFW起用)に杉本竜士選手か高木選手をシャドーに交代で走り回らせ、3ボランチもしくは5バックで跳ね返す。思い切った戦術変更で「短期決戦」「一発勝負」の戦い方が必要な時期に来ています。今勝負にこだわることこそが来シーズンにつながります。結果にこだわって残り試合すべてを出し尽くしてほしいものです。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年10月8日(木)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対シリア代表 オマーンシーブスポーツスタジアム

初戦のシンガポール戦に引き分けてしまった日本代表は1位突破のために絶対に勝ちたいグループ首位のシリア代表との一戦。でこぼこのグラウンドと暑さのためかミスが目立つものの後半の3得点で3-0と勝利を収めました。

シリア代表は守備の意識は高いものの、今までの対戦相手のように5バック、6バックと最終ラインに人を集めて守備をせず4バックを敷いてそれなりに攻め上がってくる。これなら日本代表有利。例の速い攻撃とやらで中中中とゴールへの近道を突き進めばそのうち点が取れるぞ!
と思っていたら、なぜか今までの試合の反省からかサイドからのセンタリングを軸に攻撃を組み立てる日本代表。なぜだ。監督に言われたからか?スカウティングに失敗したのか?例の速い攻撃とやらを忘れてしまったのか?
その後もいちいち遠回りして外を使って攻撃を繰り広げる日本代表。悪環境もあってミスが多くなり、ボールに目が奪われて視野が狭くなっていく。パスの出しどころはあるのだよ、ただボールが落ち着かないから走り込んだ味方まで目が届かないだけで…(たぶん)

それでも、両チーム選手のレベルの差は歴然。グラウンドコンディションの悪さは日本代表だけでなくシリア代表にも同じように降りかかってくる。蹴りたいところに飛ばないボール。フリーキック以外ならそんなに怖くはなさそう。ただロングボール放り込んでくるから事故も怖い。日本代表は早めに1点、できれば2点取っておきたいところ。

前半が終わって、4バックのシリア相手なら体力的にも持つはずないしこのまま行けば日本代表はいずれ点が取れそう。早く点が取れるための交代(中中中の例の速い攻撃とやらのため)をしていくか?しかし、万が一シリア代表が後半5~6バック作戦に挑むようならサイド攻撃を残さにゃならん。暑いからバテたり怪我したりカード貰ったりする輩も出てくるやもしれん。かといってあんまり待ちすぎて0-0のまま試合が終わったらちょっとまずいよな…
ハリルホジッチ監督は悩んだことでしょう。とりあえずはメンバー交代なく後半開始。シリア代表は前半とあんまり変わらない…?でももうちょっと様子見ようか…と思ったら、後半9分、散々本田圭佑選手が取ってもらえなかったファールを岡崎慎司選手がペナルティエリア内で獲得。やったー、日本代表待望のPKだ!
キッカーは本田選手。中中中の例のいわゆる速い攻撃はいいからちゃんとコースに、中中中じゃないぞ、でもやっぱり真ん中に蹴るのかなあ、と思ったら左!よかったー

それでもシリア代表は引き分けでいいので、5~6バックにして1点だけを取りに来たらそれはそれで日本代表も苦労したかと思うのですが、シリア代表は普通に攻撃してきた。これは例の速い攻撃で中中中でしょう。宇佐美貴史選手を投入。ドリブルとショートバスでゴールへの最短距離を突き進む。
後半25分、ペナルティエリア内でボールを持った香川真司選手が左サイドをドリブル突破。スライディングしてきたディフェンスの股を通したラストパスに岡崎選手が走り込んで日本代表2点目。マイナスでボールを待っていた吉田麻也選手も見事でした。

いよいよスペースが埋められなくなったシリア代表を攻め立てる日本代表。後半43分、武藤嘉紀選手が競り勝って清武弘嗣選手へ、清武選手は絶妙なワンタッチで前を向き走り込んだ本田選手へスルーパス。裏に出来たスペースを宇佐美選手が使って見事な追加点!試合終盤で勝ってるからサイドバックが上がってこないのもチームとして見事なゴールです。

交代で出場した選手がいずれも活躍した攻撃陣。ハリルホジッチ監督は比較的選手の好き嫌いがはっきりしているのでレギュラーが入れ替わるのは相当な苦労が必要だろうけど、長いワールドカップ予選なので切磋琢磨しあってカバーしあいながら得点を重ねていってほしい。
逆に守備陣は大幅な修正が必要。ラインが凸凹になるのが怖くて選手交代しなかったのだろうけれど、いくらグラウンドが悪いからってさすがにボールコントロールが悪すぎるしなんたって視野が狭すぎる選手が多い。アジア予選では引いて守られることが多い日本代表なので、ディフェンスのビルドアップやオーバーラップが生命線となる。もしかしたらサイドアタッカー的な選手をサイドバックに据える必要が出てくるのかもしれない。ボランチの選手を最終ラインに下げて3バックを検討した方がいいかもしれない。例の速い攻撃とやらで引いて守る相手に対して中中中で攻めたかと思えばスペースがあるのにわざわざ外から遠回りしてゴールを目指したり、チームとしての柔軟性に欠けるところがある。サッカーは相手があってやるもの。「自分たちのサッカー」よりも「目の前の相手に勝つサッカー」を心掛けて一戦必勝をこれからも期待。

監督も少しずつ選手のことがわかってくるだろうし、選手も監督の言いたいことがだんだんわかってくると思う。新しい選手が入ったときにどうやって共通認識を持つかという課題はあるが、監督の戦術は以外と柔軟性がありそうだし、チームもだんだんと監督の戦術を体現出来てきたようだから、これから少しずついいチームになってよい結果をもたらしてほしい。
シリア4バック。結構攻めてくる。日本有利。
今日みたいな試合ならわざわざ外使う必要ないのに。なんでいちいち遠回りしてゴールに向かうんだろう。まあ、ホームとは言えシリアがこんなに強気に出てくるとは思ってなかったんだろうなあ。
ゴートク余裕がないからセンタリングが合わない。体の向きがおかしいし体の動きとボールの動きがあってない。
蛍のポジショニングが中途半端。後ろ過ぎる、前過ぎる、離れすぎる。
パスが出ないのは恐らく受け手の問題じゃない。パスコースができてるのに見えてない出し手に問題がある。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成27年10月4日(日)J2リーグ第35節 東京ヴェルディ対コンサドーレ札幌 味の素スタジアム 立川市サンクスマッチ

ここ3試合無得点の東京ヴェルディ。ホームにコンサドーレ札幌を迎えて調子を取り戻したいところでしたが、0-2と敗戦に終わりました。

試合開始直後だけは札幌が攻勢をかけていましたが、その後は全体的にヴェルディペース。札幌ディフェンダーはふわっとしたハイボールと1対1の守備にかなりの強さを見せる。攻撃陣に高さがあまりないヴェルディもアランピニェイロ選手が苦手なはずのポストプレーを数多く成功させていましたが、ブルーノコウチーニョ選手や平本一樹選手を投入しない限りポストプレーで崩していくのは難しい。とはいえサイドからの攻撃も1対1に強い札幌につぶされてしまう。しかしここは考えようで、札幌のディフェンダーは1対1に自信があるからか、ふらふらとサイドまでカバーに出て来てくれます。5バック気味に守る札幌のサイドを引き出した裏で3バックを誘い出せば、中が空くはず。数をかけて守る札幌には外からの攻撃が必要。サイドを突破、ロングシュートなどの攻撃が機能すればもっとペースを握れていたはずです。実際には特に工夫した攻撃ではなかったもののそれなりにゴール前まで進出できていたので、もう一工夫があれば得点の可能性は高かったのではないでしょうか。また、最近のヴェルディはホームに弱くてアウェイに強い傾向があります。その辺プロサッカーチーム(お客さんを呼べてなんぼ)としてどうなのか、という疑問はありますが、それはおいておいて、相手守備にスペースがあれば攻撃が機能するがスペースがないときにこじ開けることがまだできていないことが原因ではないかと思われます。では、どうやってスペースを作り出そうとしているのか。
ヴェルディは恐らくそのあたりを工夫した結果、ロングボールを使ってのサイドチェンジを意図的に多用していたのではないかと思われます。ディフェンダーはボールサイドに寄って守るので、サイドチェンジを早く行うことで逆サイドの敵が少ないエリアを攻めることができるのです。しかし、せっかく相手の数が少ないエリアを攻めているのに、数的優位が作れない状態が続く。ヴェルディはサイドチェンジを行うことができても、何のためにロングボールで早いサイドチェンジをしているのかが共有化できていなかったのではないでしょうか。南秀人選手は比較的サイドチェンジからサイドバックとの連携を見せていたと右サイドにはアランピニェイロ選手が流れてきがちだったので、前半途中に右サイドからのロングボールを機能させるために南選手を左サイドに移動させたのは恐らくそういう目的があったのだと思います。しかし、どうしてもサイドでの攻撃がゆっくりしがちなことは解消されませんでした。サイドチェンジまではできるようになっていたのでその先のスピードを意識することでサイドから最終ラインを突破してディフェンスに後ろ向きでプレーさせることができ相手を混乱に陥れることができてくるのではないかと思います。
もう一つこの試合で苦戦した理由として、チャンスはあったものの得点が挙げられなかったことです。特にコーナーキックを含むプレイスキック。札幌ディフェンスはフリーキックとコーナーキックで違う守り方をしていて、プレイスキックのたびに混乱していました。ヴェルディは質の高いキッカーがいて中で合わせられる選手もいるので、特に試合開始直後に3つあったプレイスキックで1点も挙げられなかったのは試合全体に大きく影響しました。得点の可能性が高いのは、流れの中よりもプレイスキックです。より結果が求められるようになるこれからの試合のために、ぜひコーナーキックやフリーキックの精度を上げるような練習を積み上げてもらいたいと思います。

さて、なかなか得点を挙げることができないヴェルディですが、対する札幌は驚くほど運動量がなく、とくにサイドの動きが緩慢で、札幌の攻撃は背の高いツインタワーにあてるという作戦もあるが主にはフォワードが裏に向かって走る形。単純だが小野伸二選手を中心に中盤がボールを持った時迷いなく裏に走りだすその攻撃は小野選手の移籍後初ゴールという形で実を結ぶことになります。
前半33分、左サイド裏に走り込んだ札幌ナザリト選手がボールをキープ。三竿健斗選手がカバーに入ったため慌てて戻るセンターバック田村直也選手。攻撃に移っていた中後雅喜選手はまだ帰ってこられない。ボランチとセンターバックが最終ラインに集まってしまったヴェルディはディフェンスラインの前をぽっかり空けてしまい、戻したボールをフリーの小野選手が落ち着いてゴールに流し込みました。

後半に入り、まずは元気のない澤井直人選手に代えて高木善朗選手を投入。前を向ける、裏に走り込める高木善朗選手はチームにリズムをもたらすものの、1点を先制している札幌は数でゴール前を守り決定機を作らせない。次の交代は、三竿選手に代えて永井秀樹選手。個人的にはこれはあまり効果がなかったのではないかと思います。というのは、札幌は3枚で攻めてくるので、ヴェルディも3枚+1で守りたかったはず。三竿選手がいればサイドバック+三竿選手の3人がいるのでサイドバックが両サイドに張り出しサイドからの攻撃を活性化させることができ札幌の中央のディフェンスを薄くすることができたと思うのですが、ボランチを1枚にしたことでサイドバックのどちらかは常に最終ラインに残らなくてはならなくなり、せっかく攻撃に特色のある両サイドバックを配している意味を薄めてしまいました。永井選手はワンタッチプレーや視野の広いスルーパスが得意な選手ですが、これだけスペースがないと中央から攻撃するのはさすがに難しいです。もし永井選手がサイドハーフとして投入されていればまた違った展開(サイドバックのオーバーラップを引き出すなど)が見られたように思います。
ヴェルディ最後の交代は、高木大輔選手に代えて中野雅臣選手。これもあまり機能しませんでした。確かに高木大輔選手は疲れからかプレーに正確性を欠き始めていたので交代させるのは悪くなかったとは思います。中野選手は以前は中盤で起用されていたとも思いますが背が高くヘディングもそこそこ強い選手なのでゴール前での活躍を期待されているのか。確かにそういう選手なのですが、あまりゴール前に飛び込むタイプではないように見受けられました。それであればブルーノコウチーニョ選手や平本選手、またウェズレイ選手を投入して井林章選手をトップに上げるなどの選択肢もあったはず。試合を支配していた(ように見えた)ことが采配に思い切りを失わせていたように思います。その後さらに失点を重ねたのですが、チームの総合力を考えるとちょっともったいない結果になったのではないかと思います。

ヴェルディは今までを振り返り少しずつやり方を工夫しているように感じます。しかし、なぜそのプレーをするのか、という目的が共有化できていないのではないでしょうか。また、采配に思い切りが感じられない点も気になります。あまり調子が良くなさそうな選手を起用しているのも試合の中でそこそこうまくいっているものの結果が出ていない戦術をそのまま採用しようとしているのも、采配が守りに入っているのではないかと思います。ヴェルディは若い選手の多いチームで、爆発力がある代わりにシーズンを通じて安定した結果を残せる選手が多いわけではありません。富樫剛一監督も大変だとは思いますが、選手の調子を見極めて、毎試合毎試合新たなラッキーボーイが出現するくらいの魔法のような采配を期待したいところです。今までできていたのですから。

シーズンも終盤。結果を求めるならば、戦術もありますが、忘れてはならないのがプレイスキックです。フリーキック、コーナーキックを意識した采配や練習も割り切って取り組んでもらいたいと思います。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年9月8日(火) 日本代表対アフガニスタン代表 メモ

・攻撃パターンが今までと大きく変更。中央からの早い攻撃はやめて丁寧につないで外から攻めた。
・最終ラインのカバーリングはセンターバック・ボランチともそれなりに修正されていた。
・アフガニスタンの攻撃は主にボールを奪ってカウンターかキーパー(もしくはフリーキック)からのロングボールの2種類しかなかったが、背の低い長友の頭を狙われていたが特に対策しないどころか背の高い酒井宏樹を代えて原口元気をサイドバックにポジションチェンジ。酒井弘樹に攻撃面でのミスが多いのは今日に限ったことではない。
・アフガニスタン代表は日本代表の中盤や最終ラインへのプレッシャーがほぼ皆無だったためフリーでボールを蹴ることができた。そのためサイドの空いたスペースへロングボール含め効果的なパスを繰り出すことができたが、日本代表の前線が意図的にスペースを作り出した場面は少なかったように思う。特に岡崎が足元へのボールを要求が多くチームとしてどのスペースを使うのか意識統一できていない。
・2次予選は実力差があるので、日本代表はあまり難しいことを考えないでシュートを打ってさえいれば勝てる。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年9月3日(木)W杯アジア2次予選 日本代表対カンボジア代表 埼玉スタジアム2002

初戦シンガポール代表戦に引き分け絶対に勝利を収めたい日本代表。

実力差から考えると物足りない点差ではありましたが、3-0と完勝。2次予選初勝利をあげました。

日本代表は中から早い攻撃を形にしているので、中央最終ラインに人を集めて9人でゴール前を固めるカンボジア代表の守備をなかなか崩すことができません。
基本的にマンツーマンで守るため、場合によっては最終ラインが6人になることも。守備が多すぎてシステムが分かりづらいカンボジア代表。

日本代表の攻撃はカンボジア代表のマンツーマンディフェンスを逆手にとって込み合っている中央ではなくサイドにスペースを作って相手に後ろ向きの守備をさせればもっと効率的に攻めることができたはずですが、監督の指示なのか選手のこだわりなのか中央でショートパスをつないで突破しようと試みる。

サイドの攻撃はサイドバックがオーバーラップしたときは形を作ることができるのですが、中盤のサイドは右が左利きの本田圭佑選手、左が右利きの武藤嘉紀選手。どうしても中へ中へ絞る攻撃となり、その分サイドにスペースが空くもののうまく使うことができずシュートを打てども打てどもゴールを決めることができません。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成27年8月23日(日)2015明治安田生命J2リーグ第30節 東京ヴェルディ対愛媛FC 味の素スタジアム 練馬区サンクスマッチ

自動昇格まであと一歩の3位につける東京ヴェルディ。6位の愛媛FCを破り上位進出を狙いたいところでしたが、0-1と愛媛FCに敗れ、4位に後退してしまいました。

最終ラインとその前のスペースに人数を多く配置する愛媛FCに対し、プレッシャーの少ない中盤でボールをキープするものの最終ラインが突破できないヴェルディ。杉本竜士選手、高木大輔選手が前線で運動量を武器にスペースに走り込み、また高木善朗選手がタイミングよく引くことでスペースを作り出し攻撃にいいリズムを作り出すものの、5バックの愛媛ディフェンスラインの門の間を通るところまでしか到達できず、ゴール前のチャンスを作り出すことができない。南秀仁選手はよろよろと近寄り足元でもらうタイプで他の3人と全く違うプレースタイルでありリズムを作り出すこともあるが、相手が引いて守る今日のような試合ではスペースをつぶしてしまう傾向があり、今日に限って言えばヴェルディの攻めがサイドに逃げる形でしか機能しなかった原因の一つとも言える。もっとも、一本のロングボールなどを使って早いタイミングでのサイドチェンジを繰り出すことができればまた違った展開になったことは間違いないので、南選手には原因というよりももう一つ上のプレーを期待したいといったところだ。

愛媛の攻撃はヴェルディの右サイドから。ヴェルディは丁寧に守るものの、丁寧すぎてドリブルに対しずるずる引いてしまうところがある。ずるずる下がる原因の一つとして丁寧に守るがゆえ最終ラインが前に出るべき時に出ないということもあるが、中盤がプレッシャーをかけきれないことの方が大きい。そういう意味で、試合途中で三竿健斗選手がセンターバックに下がったことは、攻撃面を期待してのことであろうが、チームのリズムを狂わせてしまった感が強い。(失点シーンはまだセンターバックに下がってはいなかったが)

失点の場面はミスが重なった結果だと言える。ずるずる下がってしまったディフェンス隊形、縦に行かせなければよいという緩慢な守備で簡単にセンタリングを上げさせてしまった南選手、センタリングに対し競ることができなった畠中槙之輔選手(その後ろでこっそりマークを外されている安在和樹選手)、届かないシュートに対し安易に飛びついてしまう佐藤優也選手、シュートのこぼれ球に対し完全に足が止まっているディフェンダー陣。失点するかしないかはただの結果だが、この結果はどこかで防ぐことができたはずの失点であり、上位進出のためには何とか阻止してもらいたい失点であった。一人一人の意識から改革して次の失点は必ず防いでもらいたい。

ヴェルディがホームに弱いわりにアウェイで結果が残せる傾向のある理由の一つが引いた相手を崩し切れないという特性であろうと思う。サイドは突破できているのだが、センタリングの意識と精度が低く、その結果相手ディフェンダーは中をケアし、ヴェルディ攻撃陣は外を諦め中に拘ろうとする。引いて守る相手に対しては早いサイドチェンジやサイド攻撃からのセンタリングがディフェンスにボールとマークをはがしやすい攻め方となる。攻めてくる相手に対してはもともとあるスペースを使ってカウンターを仕掛ければ得点の可能性は高く前線の選手に運動量が豊富なヴェルディは結果を残しやすいと思うが、昇格争いをしているヴェルディは上位ということもあり研究されることもあり何となく強いと思われることもあり、相手が引いて守ってくることは容易に想定できる。引いて守ってくることが予想できるゆえ逆に引いた相手を崩す戦略が確立すれば混戦を抜け出して自動昇格することも十分考えられる。簡単ではないが克服してもらいたい。

そんな中で今後キープレーヤーとなりそうなのが高木善朗選手。前線まで上がったかと思えば素早く引いて裏にスペースを作る。足元で後ろ向きにボールを受けても2人くらいのディフェンダーであれば苦も無く前を向くことができるようだ。その技術の高さが余計に相手にプレッシャーを与えスペースを効果的に作ることに成功している。残念なのは、スペースを作ったり裏に走り込んだりするプレーがチームで連動しているというより個人個人が勝手にチームプレーを考えて行っている感じがするところだ。イメージが共有化できない中で勝手に戦術を実行するのはチームプレーとは呼べない。選手が固まりつつある中、いつまでも同じ方向に走り込んで重なったりスペースの作る方向と走り込む方向が違うなどといったプレーはそろそろ終わりにしてもらいたい。

少し心配なのが監督采配だ。選手を有効に起用するためにはポジションチェンジやフォーメーションの変更は悪いことではないが、今日の試合ではチームが混乱しているように見えた。監督はそういう意図ではないかもしれないが懲罰的交代に見えてしまったこともモチベーションを考えると心配だ。また、今日の試合では中盤の守備のプレッシャーが遅いことやサイドチェンジが十分でないことやセンタリングやプレイスキックが不正確であることやサイド攻撃の意識の低さが課題であったように見えたが、選手交代によって中盤の守備がよりもろくなりサイドへの意識より中へのこだわりが強くなりプレイスキックは修正されずどちらかと言えば悪化したように思う。平本一樹選手投入でポストプレーのターゲットとセンタリングのフィニッシュ、永井秀樹選手投入でスルーパスによるサイドを生かした攻撃、アランピニェイロ選手投入でサイド攻撃の意図があったのであろうが、ほぼ機能しなかったと言える。アランピニェイロ選手が一番監督の意図を体現していたと思われるが、しっかり指示されていればもっと明確にサイドを使ってスピード突破できたはず。試合終盤平本選手とともにセンターバックの井林章選手が前線に上がっていたが放り込むでもなく途中で井林選手は守備に戻っていく始末。監督の判断がよくないのか、監督のプランを選手が表現できないのか、監督の伝え方が悪いのか、原因は定かではないが、今まで監督の采配が当たり勝ちを拾ってきたことを考えると今後に大きな不安を感じる。昇格へのプレッシャーもあるのかもしれないが、もともと残留争いをしていたチーム力である。あまり深く考えすぎず1試合1試合を観客が楽しめるように戦い続けてほしい。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年8月9日(日) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対中国代表 中国武漢スポーツセンター

1敗1分で迎えた今大会最終戦。勝利で締めくくりたいところでしたが、1-1の引き分けに終わりました。

3試合目にして始めて守備のときフォワードが連動して相手にプレッシャーをかけるようになった日本代表。しかし相変わらずパスミスの多い日本代表はせっかく奪ったボールも中国代表に高い位置で渡してしまい波状攻撃を受け押し込まれて前半10分、あっさり先制を許してしまう。第1戦はボランチが下がらなくて失点。第2戦はボランチが1枚ディフェンスラインに回って失点。第3戦はボランチがディフェンスラインに吸収されてしまい失点。修正しているというかなんと言うか。
日本代表は強引に縦に進んでチャンスを作り出すいつもの作戦。やってるうちにだんだんと中国代表のプレッシャーなんてほとんど無きに等しいことに気が付き始める日本代表。落ち着いたらミスパスが驚くほど減少。ようやくリズムを作り出す。

ここで問題が発生。さて、どこから攻めようか。

中国代表はサイドのハーフェイラインあたりとトップの頭を拠点に攻めてくる。
日本代表はセンターサークルあたりを拠点に。しかし、ここは相手もたくさんいるので拠点にしづらい。
結局、センターバックがドリブルで相手を交わしてからパスを出せばフリーで拠点が作れる、という明日につながらない作戦。今日機能したからいいのかな。
ということで拠点作りに成功した日本代表はパスが回る回る。前後前後にパスが通り、ゴール前までボールが運べるように。

前半41分、槙野智章選手がドリブルで相手陣内に進入。フリーで出したスルーパスはオーバーラップした米倉恒貴選手へ。ダイレクトのセンタリングに走りこんだ武藤雄樹選手がゴール前合わせて同点!

今日トップに入った川又堅碁選手はフリーなのに受けたボールをディフェンスラインまで戻してしまう。ここで前を向いたり裏に走りこんだりすればもっとチャンスができるんじゃないか?というわけで川又選手に代えて興梠慎三選手を投入。ところが、雨が強くなったせいかディフェンスがドリブルしないで横パスをつなぐようになり、縦パスが入らなくなってしまう。これでは攻撃のリズムができない。

その後日本代表は出足の良さで中国代表を圧倒しゴール近くまでボールを運ぶもののゴールを割ることはできず、同点のまま試合終了。

槙野選手は対面ではそこそこの強さを発揮するものの相変わらず裏のスペースをカバーできず相手に走り込みを許してしまう。相手が全く見えていないのはちと困りものです。
森重真人選手はたくましくなりました。ブラジルワールドカップ前はファールされたらすごすごと引き下がっていたのに。経験が大きく成長させてくれているのだと思います。

ハリルホジッチ監督は、この大会決まった采配を繰り返していました。結果が出なかったことがはたして今後どのような変化をもたらすのでしょうか。

日本代表は守備のルールは少しずつできてきたように感じますが、攻撃についてはいまひとつ。
トップが下がってできたスペースをどう使うのか。トップにどう当てるのか。どこに基点を作るのか。どうやってどこからボールを相手ゴールに運ぶのか。
実力で中国代表を圧倒していたにもかかわらず同点に終わったのは、日本代表の展開力のなさと、両チームの戦術に対する徹底度に大きな差があったことが原因です。

少なくとも、サイドバックの役割をどうするのか、どうやってサイドチェンジを図るのか、どのスペースを使って(作って)攻めるのか、このあたりはある程度徹底させていかなくてはなりません。

シンガポール戦の前は得点が入ってしまっていたので欠点が目立ちませんでしたが、今後も得点できないことがないとは言い切れません。
監督の戦術が早く徹底されますように。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年8月5日(水) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対韓国代表 中国武漢スポーツセンター

初戦北朝鮮にまさかの逆転負けを喫した日本代表。韓国代表に勝って悪い流れを断ち切りたいところでしたが、1-1の引き分けに終わりました。

試合は完全に韓国代表ペース。日本代表もボランチの位置関係が北朝鮮代表戦から修正され、真横ではなくつるべの動きでスペースを埋めるが、ディフェンスラインが深すぎる。ディフェンスラインを上げようにも、フォワードがボールの出し手にいいプレッシャーをかけてくれない。パスコースを消さずにふらふら上がってしまうので、韓国代表に自由なスペースを与えボールをまわされてしまい韓国代表に効果的な攻撃を許してしまう。
当然日本代表ゴール前でのシーンが増え、不運なハンドからPKで韓国代表に先制されてしまう。
日本代表はフリーキックから反撃。こぼれ球を前線に蹴りこむと運良くフリー。落としたボールに山口蛍選手がミドルシュートを決めて日本代表が同点に追いつく。
なかなかボランチから有効な展開が作れない日本代表。次の展開を読めず予測して動くことのできない選手がいる中、柴崎岳選手や倉田秋選手が走り回りボールに絡むことでテンポを作り出していくが、前線の選手が裏を狙わずディフェンスの前だけでボールを受け取るため、得点しやすい形でシュートを打つことができない。それでもボールキープからディフェンスラインを押し上げるようになり、何とか互角の展開へ。韓国代表もチャンスは作るものの日本代表の体を張った守りの前に追加点を奪うことはできず。
あまりにもミスが多くリズムを作り出すことができない日本代表。コンディションのせいなのか、それとも…

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年8月2日(日) EAFF東アジアカップ2015決勝大会 日本代表対北朝鮮代表 中国武漢スポーツセンター

国内組のみの若手主体で挑んだ日本代表でしたが、北朝鮮相手に1-2とまさかの敗戦。

開始早々先制点を挙げた日本代表でしたが、狭く小さく攻める日本の攻撃は次第に北朝鮮に読まれ、暑さの影響もあるのか選手たちの実力不足か日本代表のパスはミスだらけ。山口蛍選手だけが唯一ボールを散らしはするものの、そのほかの選手は狭いプレーに終始し、パスを出せない繋げない攻撃の遅い日本代表は守備への切り替えも遅く次第に守備の時間が増えてくる。
北朝鮮はサイドからアーリークロスを放り込んでくる単純な攻撃。日本代表はサイドバックが中に絞って対応するも、ボランチの柔軟性が乏しくディフェンスラインの前のスペースが埋められない。ピンチが多くなるが北朝鮮代表の個人技がそれほどでもないため失点までには至らない。
守備に時間を取られる日本代表は集中力をなくしてきたのかコーナーキックの守備でマークを確認しきれないなどピンチが深刻化。
守備に追われた宇佐美貴史選手が前半途中で体力が切れ、ますますピンチに。
それでも日本代表は時折見せる単純に縦へ早い攻撃が一気にチャンスを作る。しかし、シンガポール戦同様決定力に泣き得点ができない。
連携の取れないチームは守備の始まりでフォワードが自分勝手にプレッシャーをかけに行ってしまいあっさり北朝鮮代表に攻撃を許す展開。
柴崎岳選手が入ってボランチが縦の関係に。ディフェンスラインの前のスペースが埋められて功を奏するかと思われたが、前線が守備に戻らないサイドから北朝鮮代表に切り込まれてなかなか守備が安定しない。
柴崎選手が入って守備のバランスは良くなったが、山口選手がなぜか柴崎選手ばかりを見てしまい展開が小さくなり攻撃のリズムが崩れる日本代表。
牧野智章選手が対面にはそこそこ強いものの裏のスペースが全くフォローできないこともあって守備のリズムまで徐々に崩れだす。
長身選手に競り負けるのはしょうがないとしても、その後がカバーできない日本代表はトップの頭を狙った北朝鮮の単純な攻撃を防ぎきれず逆転を許してしまう。
反撃に出たい日本代表だったが、ミスが多くボールを前に運べず、ディフェンスラインを上げることもできない。
フリーキックでチャンスを作るも得点には至らず試合終了。
チャンスで得点できていれば勝てたかもしれないけど、得点できなかったから欠点が露呈。修正して次に生かしてほしい。