蹴球 \ サッカー日本代表

日本代表対サウジアラビア代表 2018FIFAワールドカップロシアアジア最終予選 埼玉スタジアム2002

苦しい戦いが続くワールドカップ最終予選の日本代表でしたが、この試合ではグループ首位を無敗で走るサウジアラビア代表をホームで見事に撃破!予選日程の半分を終えたところで、ついにワールドカップ出場圏内の2位に浮上しました。

試合は開始早々ワールドカップ予選初出場の半端ない大迫勇也選手が後ろ向きのボールをめっちゃトラップして始まります。その後もめっちゃトラップしまくって試合は日本代表ペース。清武弘嗣選手も一緒にめっちゃトラップして日本代表はますます試合を優位に進めます。

一方のサウジアラビア代表は最終ラインからでも積極的にドリブル突破を試みる静学スタイル。日本代表の守備は最終ラインに吸収されがちで中盤のプレスはまだまだなところがあるのですが、サウジアラビア代表の攻撃はサイドチェンジなどの大きい展開が少ないのでここから攻めるよ~と来るサウジアラビアのドリブル攻撃に毎回毎回抜かれるわけでもなくそれほど苦労することはありません。大迫選手が後ろ向きのボールをめっちゃトラップするので日本代表は攻められる時間自体が少なく守備のほころびをあまり感じさせません。

サウジアラビア代表のキーパーはあまり足元が安定していないようなのでキーパーとディフェンスラインの間を狙った方が良いんじゃないかなあと思っていた前半43分、大迫選手がめっちゃ振り向いてボールは清武選手から久保裕也選手へ。センタリングのこぼれ球から清武選手が打ったシュートにサウジアラビア代表ディフェンスが微妙な判定ながらも手で反応。そうだよね、キーパー足元不安定だからディフェンスが手を安定させれば…

というわけで(もなく)、前半45分、清武選手がPKを沈めて先制。日本代表1-0サウジアラビア代表

後半に入って日本代表は久保選手に代えて本田圭佑選手を投入。本田選手はいつもに比べて走り込んでいるように見えたのでちょっとよかった。ただ、中盤で足元にボールをもらって前を向きたい選手が増えてしまったので、大迫選手がサイドに流れることが増え、ボールを納める位置がゴールから遠いただの時間稼ぎ的ポストプレーになってしまい、前半に比べると威力半減。大迫選手を越えて裏に走りこむ選手がいないと中盤がごちゃごちゃするだけなのです。

それでもサウジアラビア代表が最終ラインからドリブル(もしくはショートパス)の静学スタイルを崩さないため、前線でボールが奪いやすく、成功するとあっという間にチャンス到来。日本代表は突破されても集中を切らさない最終ラインから人がうじゃうじゃ飛び出してくるため二人三人と交わさなければならないサウジアラビア代表の攻撃は形にならず。

その後日本代表は最終ラインを少し深めに設置し、中盤もディフェンスラインに合わせて深めにゾーンを敷き、前線は追い込むだけの守備になります。ボールを奪うとなると難しいものですが、追い込む(ついていく)だけならそんなに難しいことじゃない。人が多い中盤にドリブルで突っ込めばそう簡単には突破できない。サウジアラビア代表は運がよければ1点取れるかどうか。日本代表は早めに2点目がほしい展開。

サウジアラビア代表も後半25分くらいからロングボールを供給するようになり、日本代表は少し押し返され始める。チャンスは作るも得点が挙げられない日本代表としてはよくない展開。ここは作戦「大迫」だ!

後半35分、大迫選手が競り勝ったボールを本田選手が拾って左サイドへ。長友選手とのコンビで左サイドを突破して折り返したボールに原口元気選手がワールドカップ予選4試合連続弾で待望の追加点。作戦「大迫」成功!日本代表2-0サウジアラビア代表

このまま勝ち切りたい日本代表は時には631システムを見せ勝負にこだわる。しかしサイドチェンジするようになったサウジアラビア代表はじわじわと日本代表を押し込む。

後半45分、サイドチェンジから薄くなったディフェンスラインの前でボランチがあっさり交わされてついていけず、突破からシュートを連続で浴びてついに失点。日本代表2-1サウジアラビア代表

サウジアラビア代表のドリブル攻撃に対しセンターバックが深めの位置を取り、縦パス(楔)に対し積極的にインターセプトに出た日本代表の守備システムは大成功を収めました。監督的には(攻守とも)セットプレーを期待していたような感がありますが、当てが外れても結果が出るのはのってる証拠。チームとしてはいいリズムがきていると思います。

強いて言えば、前線の守備が少し個人任せになり過ぎているように感じます。特に日本代表の中盤はサイドハーフがサイドバックの外をカバーしていたりボランチの切り替えが遅かったりするので、ロングボール一発でやられてしまうリスクはあるとしてもサイドチェンジさせないように蓋をしてボランチがボールを取り切りやすいように前線から誘導してあげた方がボールを運ばれるリスクが減るような気がします。

心配なのは攻撃陣。攻撃手段は大迫選手のめっちゃ振り向きに依存度高い。清武選手も振り向くけれど、どちらにしても言えるのは、楔から個人技で突破できなければ得点チャンスが作れないということ。1対1で勝つことを前提とする戦略が日本代表で成立するのか、いずれ難しいところが出てくるかもしれません。たまにしか集まらない代表チームという難しさはあると思いますが、個人技で突破できないときどうするか、その答えは早めに用意する必要があります。

あと、大迫選手の裏に走り込む選手がいないと大迫選手が潰されてしまう危険があるので、選手起用も今までと少し変えていった方がいいと思います。

初戦の敗北でどうなるかと思ったワールドカップ最終予選も半分の日程を経過してワールドカップ出場圏内の2位で折り返し。これからもしっかり結果を出してワールドカップ出場を掴み取ってほしいと思います。頑張れ日本!

 

西川 周作 7.0 ビルドアップも安定。センターバック2人にキーパーの3人で相手フォワード2人をいなせるので攻撃が楽。

長友 佑都 6.5 原口選手がサイドバックに下がって長友選手はボランチみたいなときもあったけど、タイプ的にあんまりボランチ的ではなさそう。

森重 真人 6.5 空中戦にも強くロングパスも効果的。右サイド突破されたとき寄せが甘かったのがもったいなかった。

酒井 宏樹 6.5 守備だけでなく攻撃にもしっかり絡んだ。貴重な大型サイドバック。まだセンタリングが合わないからこれからだと思う。

吉田 麻也 6.5 安定した守備。そろそろセットプレー決めたい。

清武 弘嗣 6.5 高い技術でチャンスを演出。プレーが軽めなタイプ(悪いことではない)なのでボールを取られたとき入れ替わってしまいピンチになりやすいのが気になる。今日はミスも少し多めだった。

山口 蛍 6.0 いったん追い出すと迫力あるが、切り替えが遅く転んだりすると立ち上がるのに異様に時間がかかる。失点シーンは抜かれてはいけないところだし、抜かれた後追いかけなければいけなかった。ボール回しでミスが多い部分は早急に修正してほしい。

長谷部 誠 6.5 早いタイミングで出る冷静な縦パスがいいリズムを作った。日本代表の中心。

原口 元気 7.0 守備のときちょっと下がりすぎかなとも思うけどチームの約束事なのだろう。得点も決めたしチャンスをたくさん作ったしよく頑張った。

久保 裕也 5.0 少し気負ったのかな。少し体が重そうでミスも目立った。

大迫 勇也 7.5 圧倒的なボールキープ力。日本の攻撃は大迫だった。半端ない。できれば他の選手が邪魔しても中央に残ってほしい。

本田 圭佑 5.5 気合は感じられたがミスが多い。視野がやや狭くなっているんじゃないかな。視力の問題だろうか。

香川 真司 4.5 パスが雑でリズムを崩した。守備は頑張ってはいたが、ただ追いかけているだけで誘導してくれないので後ろの選手は守りづらかったかもしれない。いつもなら1点決めてた。

岡崎 慎司 4.0 出場時感が短かったこともあるがいいところなし。ワントップ的な選手ではないので大迫選手とのコンビを見てみたい気もする。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.5 守備に関しては完全にサウジアラビア代表対策がはまった感じ。攻撃に関しても大迫選手の起用があたった。チームとしての攻撃、またセットプレーからの決め方やセットプレーの取り方などがこれからの課題になりそう。守備についてはサイドチェンジさせないような守備をもう少し徹底すれば日本のセンターバッククラスならそれなりにアジアでは通用するような気がする。

蹴球 \ サッカー日本代表

日本代表対オマーン代表 キリンチャレンジカップ2016 茨城県立カシマサッカースタジアム

いや~、勝った勝った。4-0で日本代表の圧勝!仮想サウジアラビアとかは全く成立してなさそうだったけど、試合だから勝つことが大切。これで、日本代表は快勝で弾みをつけてワールドカップ予選サウジアラビア戦に臨むことができます!やっぱり勝ってよかった!

試合は仮想サウジアラビアのはずのオマーン代表が442システムでスタートしたかと思うと541システムになって、さらに両サイドハーフが最終ラインに吸収されたりしてひどいときは820システムみたいになって、中盤を楽々支配する日本代表のペースで進みます。

とはいえ急増ボランチコンビの永木亮太選手と山口蛍選手は大きい展開があまりできずこちょこちょつなぐ日本代表は数で守るオマーンディフェンスを突破しきれずシンガポール戦の悪夢が脳裏をよぎる展開。

しかしさすがは日本代表。同じ轍は踏みません。ただただ速い攻撃言ってた時代は過ぎ今はその言葉はどこにも見当たりません。込み合っている中央だけでなくサイドからもオーバーラップから度々チャンスメイク。惜しいチャンスを度々演出しながらいよいよその時を迎えます。

前半32分、永木選手のプレッシャーにより高い位置でボールを奪い返した日本代表は左サイドちょっとごちゃごちゃっとなった後、清武弘嗣選手のセンタリングに久々代表選出の大迫勇也選手が力強いヘディング。見事なゴールで先制に成功します。日本代表1-0オマーン代表

その後も中盤を支配する日本代表は短めのパスで右へ左へ展開していきさらに追加点。

前半42分、左に行った後右に行って中に戻って、清武選手の楔のパスを受けた大迫選手がうまく切り返して追加点!日本代表2-0オマーン代表。

後半に入っても日本代表ペース。オマーン代表も時々カウンターを仕掛けるも何せボールがつながらないもんだから少なくとも2点は取れそうにない。これは勝負あり。あとは選手のPRタイムです。

国際親善試合のため6人まで交代可能というメリットを最大限に活用して選手交代選手交代。今日の試合でそこそこ活躍してもワールドカップ予選ではどうかなあとは思うけど、とりあえず目の前の試合で結果を残す以外に選手にできることもないし、みんな頑張る。その結果中盤に人がわんさかしだして少し日本代表の攻撃が停滞気味。中盤でボールを奪えるようになったオマーン代表は日本代表のサイドバックとセンターバックの間のスペースを狙って走り込む。外からもプレッシャーをかけることになる日本代表はどこかでPKでも与えないかと冷や冷やする場面もありましたが、逆に日本代表がPK貰っちゃうというラッキーな展開へ。

後半19分、ごちゃごちゃっとしたところで清武選手が突っついたボールに浅野琢磨選手が反応。少しボールから離れていましたが足がかかっていたのでファール。ペナルティエリア内なのでPK。清武選手が右上に決めて日本代表3-0オマーン代表。勝負あり。

後半ロスタイムには散々崩しまくった左サイドから原口元気選手がセンタリング。ディフェンスがクリアしきれずこぼれたボールに元ヴェルディ10番の小林祐希選手が代表初ゴール。日本代表4-0オマーン代表。いや~、勝った勝った、よかった!

この試合に勝てばそれでよしっていう時期じゃないので難しいのですが、まあ勝つことしかできないのでいいにしましょう。

攻めに関しては、もう少しサイドチェンジを素早く行いたいところ。個人的にはボランチはサイドチェンジできなければボランチではないと思っているのでそこんとこよろしくお願いしたい。ワントップに入った大迫選手は裏抜けだけでなくゴール前にちゃんと残ってくれるので助かる。ゴール前に選手がいないとさすがにゴールどころかシュートを打つこともままなりません。

守備に関しては、ボランチの攻守の切り替えが遅いところが気になります。前を向かせない、越えられたら戻る、という目立たない基本をしっかりこなしてほしいところです。最終ラインはそれなりに安定しているうえに、この試合ではサイドバック(特に左の酒井高徳選手)がセンターバックが競りに行った後ろをしっかりカバーしていて安心してみていられました。結果的にカバーが必要なことはあまりありませんでしたが必要な時にないのでは困ります。それから、チームの決め事なのかと思いますが、サイドから攻め込まれたとき逆サイドの中盤がサイドバックの外をカバーするのはあまり意味がないと思います。それよりボランチが動いた後のゴール前を埋めるべきかと。実際オマーン代表の攻撃はサイドバックとセンターバックの間のスペースを突かれて押し込まれた後、ボランチが動いた後ペナルティアーク(ゴール前の三日月のところ)に空いたスペースでシュートを打たれてしまっています。逆サイドは最悪ボールが移動する時間にカバーできるので、もっと危険なところを早めに埋めたほうが効率がいいでしょう。

この結果からサウジアラビア戦の予想は(選手起用も含めて)難しいものですが、とにかく勝利を!ガンバレ、ニッポン!!

西川周作 6.0 出番もないしミスもない。

吉田麻也 5.5 ほぼほぼ安定していたが時折うっかり裏を取られる。終盤イラついていて集中力が切れていたように見えたけど味方のパスミスにでもぶち切れていたのだろうか。怖い。

丸山祐市 5.5 試合開始直後に何もないところでいきなり転ぶというかわいこぶりっ子を見せてどうなるかと思ったがパス出しとかでも頑張った。

酒井宏樹 5.5 普通にプレーしていたけどとにかくミスパスが多い。大迫選手との相性抜群だった印象があるだけにちょっと残念。

酒井高徳 6.0 サボらずセンターバックのカバーにも勤しむ。ボールが落ち着かないがプレッシャーが少なかったのでボールを失うことは少なめだった。

永木亮太 6.5 効果的なパスと素早い攻守の切り替えで相手の攻撃の芽を摘む。もう少し長いパスが出せるとよかった。もっと前に出ろ的な話もあるようだが、今日みたいな試合ではサイドバックを上げたいんだから永木選手が下がったほうが効率的。

清武弘嗣 7.0 よくボールに絡み得点を演出。プレーが少し軽いタイプなのでボールを失う時にあっさり相手と入れ替わってしまいがち。なるべく前の方でプレーしてほしい。

山口蛍 5.5 パスミスが多く、しかも出した後時が止まる魔法にかかっているみたいで切り替えが遅い。視野が狭く裏でフリーになるサイドバックにパスが出せない。いったん守備の時間になれば抜群のセンスを魅せるはずだが、今日はそのセンスもやや不発気味でカウンターを許す場面も。

本田圭佑 4.5 一人違う世界に生きているようなスローライフなプレイが目立つ。ボールを失うし味方のいないほうにトラップするし何か見えていないものが見えているというか見えるべきものが見えていない。オマーン代表が特別にマンマーク的につぶしてきていたっぽいので大変だと思うけど、あれくらいならどうにだってできる選手のはず。

齋藤学 5.5 よく裏に抜け出してチャンスメイクも結果は出ず。いつもと違いドリブルに柔らかさがあまり感じられない。これがハリルホジッチ監督のいうプレッシャーにつぶされた状態なのだろうか。この試合を経験にまた優れたパフォーマンスを発揮してほしい。

大迫勇也 7.5 裏に抜けるだけでなく前線でディフェンスラインを押し込めるテクニックと強さを兼ね備えたストライカー。以前みたいにゴール前の駆け引きばかりの選手じゃなくなったみたいなのでこれからも期待したい。

浅野拓磨 5.5 足は速い。

岡崎慎司 4.5 調子が悪いときの岡崎選手そのもの。裏に走らない、中途半端に中盤に下がって足元に要求する、受けたボールを無駄に下げるプレーが続く。大迫選手と一緒にいればもっと活躍できるような気がするのでフォワードだけじゃなく右サイドハーフとかもお勧めです。

小林祐希 7.0 中盤でボールを奪えるはパスは回せるは楔は打てるはさすがは元ヴェルディ10番。山口選手が守備の時ボールばかり見る傾向があって裏が空きがちなんだけど小林選手が素早くカバーして難を逃れていて偉かった。短い出場時間の中でも得点シーンと同じところにその直前にもポジショニングしていたりするので攻守両面での活躍が期待できそう。

久保裕也 7.0 こんなに素早い選手だったかなあと出場選手中で一番の驚きをもって観戦。オリンピック代表時代はとにかく足元でばかりボールを納めるよくいるエゴイストタイプだった気がするので代表だから萎縮しているのかスイスで成長したのかわからないけど、コンディションもよさそうだし右サイドハーフもテストされていたようだしサウジアラビア戦も出番があるのではないか。

原口元気 6.5 相変わらず元気。計算できる選手。

森重真人 6.0 チームメイトの丸山選手の前で張り切ってプレー。前に出てよいプレッシャーをかけていた。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督 6.5 とりあえず圧勝したのでこの試合はいいと思うけど、サウジアラビア戦に向けてのテストにはあまりならなかったんじゃないかな。とはいえ完全にサブ組の調整試合にするわけにもいかないし、逆にこの試合で活躍したからといってサウジアラビア戦での活躍が計算できるわけでもないし、辛い立場だと思う。頑張ってください。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

東京ヴェルディ対レノファ山口 2016明治安田生命J2リーグ第39節 味の素スタジアム 多摩市サンクスマッチ

サッカーは文化だ!
文化の日の今日、多摩市サンクスマッチと銘打って開催された東京ヴェルディ対レノファ山口の一戦。残留争いに巻き込まれている東京ヴェルディは残り試合得意の上位対決(今シーズン東京ヴェルディの勝ち星は昇格を争うようなチームとの試合が多い)とあって見通しは明るいものの苦手の中位下位にも着実に勝点を積み重ねておきたいところ。

試合は不思議な力が働いて2-2の同点に終わり、東京ヴェルディは残留に向けて大きな大きな勝点1を手にしました。

 

試合は開始早々早くも動きます。

前半8分、トラップでうまく体を入れ替え最終ラインを突破した高木大輔選手からのパスを渡辺皓太選手がトラップミスするもののボールを失わずに右サイド駆け上がってきた安西幸輝選手にパス。ダイレクトでゴール前に入れたボールにドウグラスヴィエイラ選手が飛び込んで先制。東京ヴェルディ1-0レノファ山口。

やっぱサンクスマッチはこうじゃないとな~、有名どころと当った時の方が集客はいいんだろうけど有名どころにはなかなか勝てないからそこそこのチームでいい結果を出す方がサンクスマッチ的にはありがたいよな~(過去は振り返らない)、などと不謹慎なことを考えていたら試合は徐々に山口さんちペースに。

ヴェルディはとにかく中盤でボールがつながらない。山口の攻撃陣はあまり下がらないので高い位置でボールを奪われるとあっという間にピンチ到来。山口の攻撃は広さにやや欠けるものの常に裏を狙い走り続けるという基本をおろそかにしない堅実な攻撃。ヴェルディはサイドを突破されセンターバックが引きずり出されて薄くなった中を突かれるという繰り返し。普通は中をサイドバックとボランチがカバーするんだけどヴェルディのボランチは誰なんだ?

前半19分、そうこうしているうちに右サイドをピンボールみたいに繋がれて田村直也選手が引っ張り出されたところゴール前で山口フォワード陣3人に対しヴェルディは平智広選手が一人で対応して失点。東京ヴェルディ1-1レノファ山口。

前半21分、今度は左サイドからうまくつながれてロングシュートがポストを直撃。跳ね返ったボールをつめられて逆転。東京ヴェルディ1-2レノファ山口。

冨樫剛一監督によるとヴェルディのディフェンスは3枚だったらしい。442に見えたけどなあ。ボランチが楠美圭史選手と二川孝広選手っぽかったのが逆転された後楠美選手と渡辺選手に変わったような気はするけどあまり効果はなかったみたい。

その後ドウグラス選手がペナルティエリア内で倒されたりしたけどPKは得られず前半終了。

後半に入ってヴェルディは中盤の構成を諦め前線をどんとん狙う作戦に変更。そしたら中盤がスカスカになってしまい山口にさらにチャンスが増えるものの鈴木椋大選手のセーブに救われ何とか失点は免れる。

どうにもならないヴェルディは楠美選手に代え大木暁選手を投入。右サイドバックに大木選手、安西選手が左サイドバックに回り、安在和樹選手がボランチへと移動。でもあまり効果なし。それでも試合が動くのがサッカーが文化たるゆえん。

後半19分、空中戦でたびたび相手を圧倒していた平選手が二川選手のコーナーキックに頭で合わせて同点。東京ヴェルディ2-2レノファ山口。

その後は山口がスピードでヴェルディ最終ラインを突破したりヴェルディが中盤でボールを奪ってカウンターを仕掛けたりするものの得点には至らず。

後半ロスタイム、素早いリスタートから山口が得点を挙げたかに見えたものの、ポイントがずれていてボールも止まっておらず、近くにいた審判が試合を止めたかどうかわからなくなってしまい遠くにいた副審に確認したところ試合が止まっていて再開されていなかったことがわかったらしく得点は取り消されフリーキックからやり直しという珍しい文化を拝見したところで試合終了。東京ヴェルディ2-2レノファ山口。

ヴェルディは幸運も重なり残留に向けて貴重な勝点1をゲット。勝負事には運も付き物なのです。

ヴェルディは裏とられるのが嫌で引いて守るのならフォワードも(せめて一人は)戻ってきた方がいいと思う。中盤がスカスカになってしまう。
センターバックが引き出されて中がカバーしきれないならボランチがサイドバックをカバーしたらどうだろう。外なら背の高さはあまり気にならない。もしくはサイドバックが低い位置で守るようにしよう。センターバックが中に残ることができる。
ボランチはもう少しパスコースを切りながら動くことを意識すべきだと思う。今のままでは動いたスペースをそのまま使われて格好の餌食にされかねない。
パスを出した後は次のパスコースを作るために動きなくてはならない。試合中に頭を休めないで常に考え試合に集中していないと90分間試合に入り込むことはできない。

山口はサイドを突破するときダイアゴナルなボールの動かし方(選手の配置含めて)を意識するともっと攻撃に迫力が増すと思う。今は縦縦の攻撃なのでいったん阻まれだすとジリ貧になってしまうんじゃないかな。あと中盤のプレスをかいくぐられたときのことも想定しておいた方がいいと思う。

ヴェルディの攻撃は結局最終ラインからのロングパス頼み。もちろん裏に走ったりドウグラスの頭を狙ったりと工夫しているのはわかるけど、なかなかそうおいそれと機能するものじゃない。もう少し中盤から攻撃を組み立てたいところだがあれだけスペースが空いていた中盤をさほど突破できなかったことから見るとボールを出した後の動きやいわゆる3人目の動きなど修正すべき点がたくさんあるのだと思う。守備に関しては縦パスに対してもう少し意識を高めたほうがいいと思う。パスコースを切ったりインターセプトのわなを仕掛けたりして危険なところを潰していくべきだ。今のままだと守備の狙いは相手のシュートをブロックするという一点だけになってしまうような気がする。どこでどのようにボールを奪い攻撃を開始するのか、その為にどこにボールを誘導してどこを通させてはいけないのか、チームでもう少し統一したほうがいいと思う。

今シーズンも残り3試合。低迷が続いているけど、一歩ずつ前に進んでほしい。じゃないといろいろ計画が狂う。頼むよ、ヴェルディ!

 

鈴木椋大 6.5 フィードの不正確さやシュートをはじく位置がなんかおかしかったけど負けなかったのは鈴木選手のおかげ。ありがとうございました。

安西幸輝 6.5 左サイドでも機能することを証明。最終ラインからの正確なロングパスはヴェルディの攻撃の柱の一つ。体が強くなったな。

田村直也 5.0 競り合いにあまり勝てずスピードでも振り切られフィードも不正確であまりいいところがなかった。疲れてるんだと思う。

平智弘 7.0 抜群の制空力を発揮。気迫満点の守備で体を投げ出してシュートを防いでいた。ゴールは相手のミスもありたまたまっぽいが雰囲気があるのでまた決めてくれそうな気がする。

安在和樹 5.5 周りの動きが悪いこともあるが判断が遅くボールを失うことあり。ヴェルディのボランチはかつての鈴木惇選手みたいにロングパスが出せる選手が少なく貴重な存在だと思うのでうまく定着してほしい。

渡辺皓太 5.5 運動量豊富できびきびとよく頑張っていたが何分ミスが多い。守備でもポジショニングが悪く簡単にパスを通されてしまう。経験を積んでさらなる成長を期待。

楠美圭史 5.0 ボールを効果的に散らすことができず。守備を期待されての起用ということもあったのかもしれないが挟み込みが甘くあまり機能しなかった。

二川孝広 5.0 ミスパスが多く動き直しも悪い。センスがあるのにもったいない。

澤井直人 5.5 チーム事情もあるので仕方ないところもあるがあまりボールに絡めなかった。シュートは惜しかったが悔しがっている時間が長い。

ドウグラスヴィエイラ 6.5 ヘディングでゴールは決めたが、背の高さに比べるとあまりヘディングが得意ではない様子。足元の方がボールがよく収まっていた。

高木大輔 6.5 うまく裏を突いていた。なかなか成功することは少ないかもしれないが通れば1点なので常に意識してほしいと同時にもう少しサイドでボールをもらって起点になる動きもしてほしい。守備の時下がって中盤を助けてあげてもいいような気がするがチームの決め事なのかフォワード起用時はハーフウエイラインから下がらなかった。

大木暁 5.0 よく攻め上がっていたが守備の意識が低すぎる。サイドバックだと思うが中盤の選手みたいなポジショニングだった。

アランピニェイロ 5.5 積極的にボールに絡んでいたがうまくミートしきれなかった感じ。今のヴェルディの前線は結構個人技頼りみたいなところがあるのでスピードとドリブル力があるアランピニェイロ選手には期待が大きいと思う。

杉本竜士 5.0 短い起用時間で結果を残すのは大変だと思うが、やや空回り気味。杉本選手のいいところはいい意味でのいい加減さだと思うので、短い時間でも自分の良さを忘れずに相手を欺くプレーを期待したい。

冨樫剛一監督 5.5 チームの機能していないところを修正しようとしていたようには感じるが結果的にあまり効果はでなかった。監督のせいとは言い切れないが、相手に対してうまく準備しきれていなかったような気がする。そのあたりチームとしてスカウティング面の課題が露呈しているのかもしれない。