蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年11月17日(火)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対カンボジア代表 カンボジア・オリンピックスタジアム

今年最後の代表戦は日本代表が2-0とカンボジア代表を一蹴。最終予選に向けて確実に勝点を積み上げました。

大幅に選手を入れ替えて臨んだ一戦。若手に期待が集まるが、人工芝グラウンドを気にし過ぎているのか、ボールタッチが一つ多く球離れが悪い。選手間の距離も悪く中盤の運動量も少なめでパスが組み立てられない。センターバックが押し上げるのがお約束になっているのかボランチの存在を無視して動くためポジショニングの悪いボランチがさらに居心地が悪くなり、ミスパスにカウンターを食らう日本代表。スピードで翻弄されていたからその気になればカンボジア代表が得点を挙げていてもおかしくなかったが、暑さのせいか経験の少なさか日本代表の弱点を突くこともなく前半終了。

後半に入り柏木選手を投入。ようやくリズムが生まれた日本代表はゴール前でのプレーが増える。いきなりPKを獲得(岡崎失敗)したかと思えば、プレイスキックも蹴れる柏木選手はフリーキックからオウンゴールを誘い日本代表漸く先制。その後も5バックなのにサイドが開いたり中央が開いたりする中途半端なカンボジア代表の裏を狙い続けた日本代表は前が詰まっていてあまり出番のなかった藤春選手が試合終了間際初めてスピードを生かしてサイドの裏を突き本田選手のヘディングで追加点。先発メンバーを変え過ぎたハリルホジッチ監督だったが無失点で勝点3をゲット。これでメンバーがある程度固まってくるのかな?次戦(メンバー選考)に注目です。

長友選手について
今日は高い位置でプレーできた。センターバックとの相性だと思うが、左より右の方がポジションは取りやすいのだろう。センターバックが釣り出されてばかりなので中央で相手フォワードと競るのは気の毒だしチームとしてどう考えているのか全く修正される気配がない。

槙野選手について
ディフェンダーとして相手フォワードに翻弄されてしまった。攻撃時もミスが多い。ボランチがいるのだからボランチに仕事をさせるべき。役割分担が大切。

藤春選手について
前が詰まっていて自慢のスピードを生かせず。守備の時センターバックが前に出ることがチームとして約束になっているのかもしれないが、それより自分で行った方がよさそうな時もあってディフェンスの選手としての起用は怖い面がある。

吉田選手について
体は強いがスピードに欠けることが露呈。軽いミスも多くコンディションの不良を心配させる。シンガポール戦を一瞬思い出したかもしれないがそうはいかなかった。

遠藤選手、山口選手について
ボールタッチが余計でチームにリズムをもたらせず。守備面でもミスを連発。攻守の切り替えが遅い場面が目立つ。センターバックが張り切っていたのは不運かもしれないが、ボランチが二人ともタラタラ歩いていたら攻撃が組み立てられなくて当然。ボールをもらいに行き過ぎてポジショニングを悪くすることも目立った。展開しやすいボールの受け方を工夫してもらいたい。正直言って今日の守備は遅かったです。

香川選手について
うまさは随所に見せるがスペースがないので生かし切れない。特に岡崎選手は最近スペースに走り込まずまっすぐ降りてくるだけなので、香川選手の場合その裏を直線的に使わない限りスペースが作れない。金崎選手をトップに据えて岡崎選手を使うなら左サイドなどの方が香川選手は生きると思う。

原口選手について
よくボールに絡んだがミスが多すぎた。人工芝グラウンドの影響だろうか。決定機を作り出すことができるようになれば代表にも定着できると思うのだが、ラストパスが雑。

岡崎選手について
以前はディフェンスラインの裏によく走り込む選手だったが、いつの間にかただ下がって足元でボールをもらう選手に変身。レスターでは裏を足の速い選手が走るし相手も引いて守ったりしないのでそれでいいのかもしれないが、日本代表でアジア2次予選では機能しないどころか中盤に渋滞を呼び起こす悪い影響。技術がついて変な選手になった。1列下げた方がいいかもしれない。

宇佐美選手について
とにかく守備がひどい。サイドのポジションは守備面でサイドバックの外側だったりボランチの脇だったり守備での仕事も多い。宇佐美選手を起用することで日本代表に穴ができる。攻撃では抜群の技術を持つ選手で視野も広いので、もったいないが現代サッカーでは使う場所がない。ワントップ?

柏木選手について
前の試合でようやく代表で初めてくらいに力を発揮したのに今日の試合ではもう主力としてサブメンバーチームの立て直しに起用されるほどの信頼を勝ち得たスーパースター。柴崎選手が失敗した役割をしっかり果たし天と地と人がかみ合っている印象。

本田選手について
監督の指示なのだと思うが、人数いるだけでポジショニングもカバーリングもまだまだなカンボジア代表を中央から攻め込みサイド攻撃も引き出した。積極的なプレースタイルは得点に直結。本当はこれ岡崎選手の役割だよな。この交代によって本職の金崎選手や武藤選手は胸中複雑になっただろう。南野選手をトップにしないのだったら本田選手にさせない方がよかったと思う。

蹴球 \ サッカー日本代表

平成27年11月12日(木)2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選 日本代表対シンガポール代表 シンガポール・ナショナルスタジアム

日本代表勝利!3-0とシンガポール代表を破る。

早いパス交換からリズムのいい攻撃を繰り出していた日本代表。金崎選手がディフェンスラインを押し込むことによりできた4バックの両サイド裏のスペースを早いタイミングで使うことができたのは良かったです。得点は3点だけでしたが、10点近く取れていてもおかしくないチャンスを作り出していたのであんまり気にすることはないと思います。決定力とかいうよりも質の高いチャンスをたくさん作ることで数打ちゃ当たるものですから。ただ、試合が始まってなかなか点が取れなかったり相手に先に点を許したりするとどうしても焦りというか疑いのようなものが出てきます。これから先最終予選などでは今よりも得点が少なくなるでしょうから、どれだけ間違いのない戦術の中でどれだけ自分たちを信じて全うできるかが大切になってきます。
ただ、守備は修正が必要。中央で相手と対するのが森重選手はともかく背の低い長友選手では失点は免れない。ゴール前をどう守っていくのか組織力が問われる。

金崎選手について
金崎選手は岡崎選手と違って前でディフェンスラインを押し込めるので攻撃の幅が広がります。あれだけ押し込めれば両サイドの裏が使えるので相乗効果。前半30分過ぎくらいから圧倒的な攻撃の時間が合ったけど、そのときあまり目立たなかった金崎選手がディフェンスラインを押し込めたのが大きい。引いてスペースを作る岡崎選手と押し込んでスペースを作る金崎選手。ディフェンスが強くなってきたとき金崎選手が機能するかは未知数ですが、現在の日本代表の中盤の構成を考えると岡崎選手より金崎選手の方が日本代表は攻めやすいのではないか。もちろん金崎選手に岡崎選手を絡ませるのは効果的だと思います。
なお、2点目のとき長谷部選手からの縦パスをうまくさばいて一発で前を向いてパスを出したのは良かったけど、パス出しの後立ち止まってたのはいただけなかったな。

宇佐美選手について
相手の運動量が減っているときに宇佐美選手を投入するのは効果的なのですが、前線や中盤の運動量が減ってきているときに宇佐美選手を投入してもあまり改善されないでしょう。技術の高い選手ですが欠点もある選手なので監督にはもう少し使い方を配慮してもらいたい。(宇佐美選手も頑張れ)

香川選手について
ワンタッチプレーは別格。グラウンドが荒れてきていたからかミスも多かったが意図のあるプレーをあの判断スピードで実現していくんだから大したもんだ。周りの理解が進めばもっと活躍できるだろう。

原口選手について
運動量もあり積極的でいいプレーを見せる。中央で香川選手とのコンビは小気味良い。本田選手もうかうかしていられないのでは。

柏木選手について
とにかくうまい。運動量もある。後半日本の足が止まってきたときには長谷部選手とともに積極的に前線へ走りこむ。青山選手とともにJの誇る今お勧めのボランチ。足滑らせても正確なプレイスキックは日本代表の大きな武器になる。ただ、日本のディフェンスラインを考えると今後どうなるのかは不安。

吉田選手について
ミスが多い。積極的に前に出るのはいいがディフェンスラインを省みない守りは組織的とはいいがたい。日本代表は最終ラインに背の高い選手が起用されるとは限らないので、ゴール前をしっかり守ってほしい。試合を通じてヘディングミスが続いていたのは存在意義を疑われかねない。

清武選手について
期待していただけにちょっと残念な印象。時折見せるワンタッチプレーやパス精度は類まれなものを感じるので継続的に表現していってほしい。ユニフォームを破られながらもスピードの落ちないフィジカルには驚愕した。

攻撃のバリエーションが増えてきたのは高評価だが、後半は新たな攻撃にこだわって幅が狭くなってきたのは、やはり監督の指示がうまく伝わっていないのではないだろうか。中からも外からも遠くからも攻められるのだから、その選択を間違わないように戦っていってほしい。

蹴球 \ 東京ヴェルディ1969

平成27年11月1日(日)J2リーグ第39節 東京ヴェルディ対ジュビロ磐田 味の素スタジアム 多摩市サンクスマッチ MJSデイ

プレーオフに向けて前進したいところでしたが、前半24分に退場者を出し前半41分にはエースジェイ選手を怪我で交代させざるを得なかったたジュビロに対してなすすべなく0-3で敗戦してしまいました。

前半はヴェルディのペースでした。ショートパスやドリブルでの突破が効果的で、ロングボールを使ったサイドチェンジも織り交ぜた攻撃は驚異的でもあり、守備でもジェイ選手の頭めがけて放り込んでくるジュビロの攻撃に対しセンターバックの井林章選手や田村直也選手が競り負けず中盤もディフェンスに踏ん張りを見せ、攻守にジュビロを圧倒しました。攻撃時に中盤がサイドに開いて突破した時にゴール前に入り込んでくる選手が少ないという欠点はあったものの、多くのチャンスを作り出すことに成功。

前半23分には、素早い切り替えで中央のスペースを突いた南秀仁選手がドリブルで切り込み高木大輔選手にスルーパス。高木選手のシュートはジュビロGKカミンスキー選手に一度は防がれるもののこぼれ球に素早く反応して二度目のシュートはジュビロDF森下選手の腕に当たりPK獲得&森下選手一発退場。しかし、南選手の真ん中を狙ったPKはカミンスキー選手に防がれ得点ならず。ここで、退場者を出したジュビロは中盤でバランスを取っていた太田選手を下げ、センターバックを補充します。

前半のうちは、この交代は状況を悪化させていました。ヴェルディのサイド攻撃に対しサイドバックの外側を中盤がフォローする形で守るジュビロにあって中盤と最終ラインのバランスを絶妙にとっていた太田選手がいなくなり、グラウンドのいたるところで数的不利に陥ったジュビロは、両サイドを突破され、中央にスペースを作り、さらにはけが人まで出てしまいまさに大混乱。

しかし、後半に入りジュビロの守備が立て直されます。オフサイドトラップを多用することでヴェルディFWの走り込みを抑え込みます。最終ラインのカバーまで走り回っていた太田選手がいなくなったことが逆にオフサイドトラップをかけやすくする土壌を形成していました。その結果ヴェルディの中盤はスルーパスを出しづらくなり迷いから判断の遅れが目立つようになり、攻撃が遅くなりがちに。しかも最終ラインを押し上げ守備の面積が狭くなることで少人数で守っていても判断の遅いヴェルディ攻撃陣に強い圧力をかけることに成功。逆サイドのスペースまで埋められるようになり、ロングボールでのサイドチェンジは蹴ることも難しければフリーになることも難しいという状況を作り出しました。この結果ボールをつなごうと中央に集まるヴェルディMFの裏をかき外で起点を作り出せるようになったジュビロは守備の薄いサイドでのボールキープにより時間を稼ぎオーバーラップの時間を作り出し、慌てて対応するヴェルディの裏を突くことができるようになりました。

数的不利からの太田選手の交代、ディフェンスラインの押し上げによるプレーエリアの縮小化とプレッシング、オフサイドトラップによるヴェルディFW走り込みの無効化、ヴェルディの選手を中央に寄せることでサイドからの攻撃時間の創出など、ジュビロの戦術と修正力はヴェルディを大きく凌駕していました。

やっぱり名波浩監督はゾーンプレスを受け継いでいるのかしら。

一方ヴェルディは中央のスペースをうまく使いジュビロディフェンスにギャップを生じさせたいところでしたが、オフサイドトラップを意識させられていたのと数的優位を気にし過ぎていたのかサイド攻撃に偏り過ぎており、サイドチェンジのできないサイド攻撃はジュビロのゴールから遠いところでの相手にとって怖くない攻撃にしかなり得ず、自らリズムを崩してしまいました。

後半4分、ヴェルディ左サイドを突破したジュビロは走り込む時間を作り出して一気にシュートし先制。直前のプレーで傷んでいたように見えた田村直也選手はついていくことができず、その直後チーム戦術も含め交代。一歩遅かった印象。ちなみに、ボランチが展開できなくなったのはジュビロの戦術変更が大きな理由なのでヴェルディは付き合ってボランチを修正させる必要はなかったと思います。それよりも中から攻められるように平本一樹選手の早期投入や振り向くことができる高木善朗選手を前の方で起用するべきでした。

後半16分、三竿健斗選手が転んでいる間にアダイウトン選手に右サイドをドリブル突破され2失点目。

後半18分にはジュビロがゴール前フリーでのシュートをミスに助けられたものの全く修正がきかないヴェルディ守備陣。

後半24分、中後雅喜選手のクリアが後ろに転がり、三竿選手が一歩届かず、井林選手のフォローが届かず、あと一歩が3つ続いてアダイウトン選手に押し込まれ3失点目。

徐々に中盤のプレッシャーがきつくなるものの、センターバックが持ち上がらないヴェルディは最終ラインでいつも2人余る状態。これではせっかく1人多い状況でもフィールドでは逆に1人少ない状態で戦っているようなものでした。
その後もシュートチャンスは作るものの、しかし大事なところでミスが出たりあと一歩が届かなかったりジュビロの体を張った競り合いを崩せず得点を挙げることができませんでした。セットプレーでもファーサイドを狙う意図は垣間見えるのですが精度がいまいちでチャンスを広げることはかなわず。

最後はパワープレーに持ち込む気力もなく試合終了。大幅にゲームプランが狂ったはずのジュビロに修正力を見せつけられての貫禄負けです。

もう残り試合も少ないので、内容にこだわっている暇はありません。平本選手とブルーノコウチーニョ選手のツインタワー(もしくは井林選手のFW起用)に杉本竜士選手か高木選手をシャドーに交代で走り回らせ、3ボランチもしくは5バックで跳ね返す。思い切った戦術変更で「短期決戦」「一発勝負」の戦い方が必要な時期に来ています。今勝負にこだわることこそが来シーズンにつながります。結果にこだわって残り試合すべてを出し尽くしてほしいものです。